レポート56
俺達は今アイちゃんの店の前にきている。
そして俺じゃない二人は突貫準備がすでに整ってしまっている。
アイちゃん逃げて!
「お邪魔しまーす。宅配便でーす」
「はーい。ってなんでゲーム内にそんな言い方する宅配便があるのよ。ていうかランちゃんどうしたのその服装」
「事情があってね。アイちゃんにも手伝ってほしいの」
「というわけで搬送開始」
「あれ? ユミさんの店の開店式であって……ってまって! なんで私を運んでいくの!?」
アイちゃんはランとミルナちゃんに運ばれていった。
「あれ? また俺の店?」
俺の店についたわけだけど。
「いやだって、私そういうの苦手なのー!」
「まあ話を聞いてよアイちゃん。これはお兄ちゃんの名誉のためでもあるからさ!」
「え? ユミさんの……は、話だけは聞いてあげましょう」
「ランちゃんナーイス」
ミルナちゃんによるわかりやすい説明によって改めて状況を理解してくれたアイちゃん。
ただ俺には聞こえないように話してたから俺の知らない所で何かされてたりしそうで怖い。
「ユミさんのためということなら仕方ない」
「何を言われたかわかんないけど……まあ、よろしくね」
「さぁ、なんでも持って来なさいよ! やってあげるわ!」
「ということでまた裏に下がりますね」
「イベントリから装備すれば一瞬なのに裏に下がる必要ってあるのか……」
「雰囲気の問題ですよ」
待つこと10分と少し。
ランもまた着替えたりしてでてくる。
「どうかな、お兄ちゃん」
「さっきもみたし」
ランはゴスロリ系の服に銀髪でサイドテールで黒い花の髪飾りをつけている。
「あ、あの……ど、どう?」
「可愛い!」
アイちゃんの姿を見た瞬間俺は叫んだ。
やっぱり俺の目は正しかった。
白を貴重としたワンピースでお嬢様風に仕上げてみた。
この前アイちゃんに私たワンピースを元におとなしく清楚な感じに改良を加えたものだ。
さらにそこにミルナちゃんの装飾品が加わることで金髪との相性もマッチして最高になった!
「これはいけますよ。ユミさん」
「これはいけるな。ミルナちゃん」
ゴスロリが黒系なのもあって正反対といえる組み合わせが逆にいいんじゃないかと俺はおもう。
とにかく最高だ。
今できるものでは最高だと俺は思う。
「あのミルナちゃんだっけ……これでもしかしてあるくとかそういうことは」
「あぁ、そのへんは大丈夫です。ファッションショー的な雰囲気ですが指定された背景からどれかを選んでそこでポージングという形なので」
「ポーズとかは取るようなんだ……」
「まぁ、アイさんについては清楚なお嬢様というイメージでコーディネートしたので過激なポーズはないですからご安心を」
「じゃあ私は?」
「ランちゃんは……どうすればいいと思います?」
「吸血鬼っぽいポーズとかでいいんじゃないか。なんかゴスロリってヴァンパイアのイメージあるし」
「それじゃあそれで」
「了解! マンガ知識だけど!」
これで準備は整った。
イベントはもうすぐそこだ!




