レポート55
土曜日になり俺は店の最終調整……などは行わずに学校の友達とカラオケにいって夜に確認作業を行った。
昨日の時点でほぼ完成していたからだ。
今日はログインして知り合いなどにこのことをメッセージで送り、早めに寝た。
「おはようございます。まあ特に洒落たことなんてしないけど開店記念ってことでよろしくお願いします」
次の日になり朝の10時まあそれなりの人数の前で軽く挨拶していた。
開店記念といっても大きくやることがあるかって言われるとないよな。
あの時はテンションスゴイ上がってたけど。
「お兄ちゃん早速中にはいってみてもよろしいかい」
「どうぞどうぞ。みなさまも」
フレンド数人、生産に関係ある方や増築に関係した人とか読んだ少数の開店式となった。
まあお昼ごろまでは軽く騒いだり飲んだり食べたりしてたが、いい時間になったのでとりあえず解散した。
店内を見るとナナがもみくちゃに可愛がられたあとの状態になってた。
「……おつかさま」
「マスター、お客様はデーモンデース」
「物騒なこと言わんでくれ……まあ最初だけだから、多分」
「リョウカいでース」
昼食を食べたあとは開店したことを宣伝するために帝都の共有掲示板にチラシを貼っておく。
その後はミルナによばれてたな。
解散する直前で呼ばれた。
まあ多分イベントのことなんだろうけど。
俺は店番をナナに任せて待ち合わせ場所に向かう。
「ユミさん。きてくださってありがとうございます」
「いや、時間はあったし大丈夫だよ」
そういったあとパネルを見せてくる。
そこにはこの前言っていたファッションイベントについての概要がのっていた。
「えーと……まずファッションについては装飾品とアバターに限る。防具ははいらないということか」
「はい、そして参加人数として1人から5人の間でコーディネートが可能です」
「そんで、そのコーディネートする、ようするにデザイナーとは別にそれを切る人が1人から3人必要ということか」
「そういうことになります。宛はいませんか」
そんなこと言われてもそういうことやってくれそうなのなんてランぐらいしかいないしな。
でもミルナちゃんだしランにはもう交渉したと考えるとダメだったのかもしれない。
となるとますますあてないな。
「いないかな……似合いそうな人とかモデルにしたい人っていうのはいてもあんまりそういうの得意じゃないし」
「そうですか……じゃあランに交渉してみるしかなさそうですね」
してなかったのか。
まあ今からするなら変わらんかな。
「俺は衣装作ればいいの?」
「はい。私は細々としか装飾品は作りますので」
なんか今まで見たことのない自信に満ちた表情してるなこの子。
時間がすぎて夕方ほどになっただろうか。
ランはダンジョンにいってたらしく帰りを待つついでに試作品を作ってみたりしてた。
ランは銀髪のキャラを作っているわけなのでという結論即座にゴスロリ系に決まった。
少し高値にはなったが露店にてゴスロリ系のアバターレシピを購入して作成を行った。
ちなみに出来が悪いとはいえないがそれなりのものなどは店におくことにする。
「おかえり~」
「ただいま! 久しぶりミルちゃん!」
「久しぶりね。ランに相談があるの」
「え? なになに?」
何も知らずにミルナちゃんに近づくラン。
そして突然関節を決めて俺の店の中へとひきづりこんでいく。
俺は何も関係してないよー、一応とめたし。
10分ぐらいたってからランが服装がかわって出てきた。
「お兄ちゃん! どういうことなの!」
「いや、俺は一応止め――」
「こんなに可愛い物がきれるのになんでもっと早く教えてくれないの!」
心配して損した。
「一人確保しましたね」
「一人じゃダメなの?」
「ゴスロリはやっぱり違う服装といて比較がおきることで映えると私は思うんです!」
「なんかミルナちゃんキャラ変わってない……まぁ、でもあてがいないからな。ラン誰かいない?」
「アイちゃんじゃだめなの?」
こいつ何も考えていないな。
「アイちゃんそういうの苦手じゃん」
「アイさんというのは午前中にいた金髪の鍛冶の人ですか?」
「そうそう」
「お兄ちゃんが本気で頼めばいけるよ!」
何故そうなった。
その後何故か押し切られてしまいアイちゃんにも頼んでみることとなった。
ファッションイベントはもうすぐだ。




