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fow -Fantasy Online World-  作者: ゆっき/Yuyu*
第1章 リンクオン
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レポート6

 『それでは、fowの世界へリンクオン!!』


 その音声とともに俺はfowの世界へと降り立った。

 場所はアザルタウンの南門だ。

 

 「ユウは……ログインしてるけどフィールドでてるか、狩り中なんだろうな」


 βテストプレイ者からすればこの街の地理を覚えるようなことをせずとも狩りに出てしまえるだろうし仕方ないかと思いつつ、俺は街の中に入った。


 最初の街ということもあり、広さはそこまでではないが全体を回るのに30分かかった。


 「えーと、ここに道具屋があってここに武器屋と防具屋でここが……そうだ、宿だ」


 このゲームは世界の時間は現実と同じになっているが、宿で休むと回復時間をかなり短縮することができる。

 高レベルになれば自動回復力増加などもあるとは思うが、ユウに聞いたところβテスト時点ではそこまで高レベルにいけなかったとのことだ。

 

 「さて、ユウにチャット入れたが、返ってこないんだよな。俺もフィールド出てみるか」

 

 そうして、西門から草原に向かった。

 宿屋のNPCに聞いたところ、初心者冒険者、いわゆるプレイヤーが最初に経験をつむならそこがいいとのことらしい。

 

 

 

 西門からでて草原に出るとブルーウルフという動物がいた。

 レベル的には適正レベルらしいが……他にも数人プレイヤーがいるが、やられてるのも何人かいる。


 「よし、やってみるか!」


 俺はそう意気込み、背中から槍をだして構え突っ込んだ。



 

 ――数分後、俺はHPのゲージが赤くなりながら安全地帯に退避した。

 

 「確かに強くはないしちょうどいいけど、槍の扱いが難しすぎる。動きが早くて追いつかねえ」


 ブルーウルフは体力もさほどなく攻撃力もそれほどない、初心者相手にならぴったりだろう。

 だが槍の使いに慣れてない俺からすれば犬のような俊敏性がかなりやっかいで攻撃があたらない。

 攻撃をかわされ続ければ当然攻撃される。

 そして槍を持ちながらの回避方法がいまいちわからない俺はチマチマ削られて今に至る。

 

 「2匹でHPゲージ赤ってやばいぞ、俺」


 レベル上げもあったが街を探索している時に偶然見つけたクエストも受けていて、ブルーウルフのドロップ品、青狼の皮をあと1つとらなければならないのだが、回復を優先させる。

 

 「皮なのに絶対に落ちるわけじゃないんだよな……よし、やるか!」


 やる気を出して俺は突撃したが、2匹に囲まれてあっけなく倒され街へ強制送還された。

 倒されてわかったことは、デスペナが存在することだ。

 経験値が減るとかはないが、一時的にステータスが下がるらしい。

 そしてここにきてヘルプをはじめてみたが、このステータスダウンの時間はレベルが上がるほど長くなるらしく、俺はまだ低レベルだったため、今回はすぐになおった。


 「槍を振る練習でもしたほうがいいのか? でもそれでどうにかなるものか?」


 自問自答をしていたが、どうやら声に出してしまってたらしい。

 周りの目線が痛かった。



 俺は再び西の草原へと戻って狩りを始めたが2匹狩ったところで死にかけて休憩、今回は一つもドロップされなかった。


 「くそ! 難しいっつうの、武器選択ミスったか? いやいや始まったばかりだ、でも一個ぐらいでてくれよ!」

 

 少しヤケ気味に初心者ポーションを使って空いたポーションビンを投げた。

 本来は使い終わったポーションビンは手から離れると消えるようになっているが至近距離にウルフが近づいてたらしく直撃して、振り向きざまに目があった。

 俺のHPはポーションをつかってもまだ6割といった程度までの回復でこのまま戦うとかなりキツイが相手は有無を言わせず突っ込んできた。


 「――っ、やっちまった! 俺が原因だけど」


 槍を横にして噛み付きをギリギリ防ぎ、そのままブルーウルフの体を蹴り飛ばした。


 『グルル』

 「どうするかな、これ」

 

 現在俺は立ち上がり右手に槍を持っている状態だ。

 俺がギリギリこいつらを狩るときに使ってた型は右手が頭の横、左手腰の高さの両手持ちだ。

 

 「このさい、がむしゃらにやってみるか!!」


 俺はそのまま右手の槍を敵に突き出す。

 距離感がつかめず相手の顔の右、俺から見て左にいってしまい外れる。

 俺はそのまま右に振りぬいた。


 「――おらぁ!」


 右に振りぬいた槍がブルーウルフに当たる。

 俺はそのまま右手で槍を振っているつもりだった、ただがむしゃらに。

 そしてブルーウルフが倒れるまで振り続けた。

 何度か攻撃を位はしたが、ブルーウルフは倒れた。

 その時後ろから声をかけられる。


 「おお、すごいな大将! もう使いこなしたか」

 「えっ? 何だお前かユウ」

 「おうよ、チャット気づくの遅くなってゴメンな。ソロでレベル上げしてたわ」

 「構わねえよ、俺だってこうして狩ってたからな。てゆうか使いこなした?」


 自分でも気づいてなかったが、俺は槍を左手に持っていた。


 「ただ、がむしゃらに振ってただけなんだけどな」

 「すごかったぜ! アニメ見たいだったからな」

 「本当にすごかったですよ」


 偉く透明感のある女性の声が聞こえた。


 「ユウその後ろの人は誰だ?」

 「おっと、紹介忘れてたな。 俺がβテストの時にPT組んだりしてた人だよ」

 「レールといいます。先ほどの槍さばき、本当にすごかったです」

 「どうも」


 俺は必死に振っていただけだったが、ストレートに言われ、照れてしまった。

 最後の一匹と戦ってる時に二人は草原にきたらしく。

 ユウが言うに、俺は槍を右手で最初は振っていたが、途中で両手にし左手に持ち替えたそうだ。


 「使いこなせるようになれればいいんだけどな」


 その後、アイテムを確認すると皮をドロップしてたらしく、クエストをクリアさせた。

 このクエストは正式稼働からのクエストだったらしく、ユウとレールさんの知らないクエストだったらしい。

 二人もクエストを受けて西門でウルフ狩りをした。

 ちなみにその時はユウのプレイヤースキルとレールさんの魔法の力もあり、すぐにブルーウルフが倒された。

 なんで俺あんなに苦戦してたんだろ。


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