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fow -Fantasy Online World-  作者: ゆっき/Yuyu*
第4章 開店! ユミのアトリエ
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レポート51

「アップデートインストール完了デーす! それではリーンクオーン!」


 ナナの掛け声とともにアップデートの終わったfowの世界へと俺は立つ。

 そしてログハウスから少しでてそのアップデートの結果が目に見えた。

 なんか配達員みたいなNPCがいた。

 話しかけると情報通り配達依頼をできるらしいが情報になかった物もあった。


「マイホーム所持者及び露店開店者、大量配達……ってなんだ」


 俺はそれを聞いてみた。

 その配達員NPCが答える


『マイホームを使いお店を開いている方や露店などを開いてる方に限り一定数以上の量の配達になりますと配達にかかる費用を一律1500Gにすることができるシステムです』


 つまり大量入荷や大量出荷する場合は配達費が安くなるということか。

 ちなみに基本的な料金は1個から3個で500円だ。

 そしてこの値段だが3、6、9のように3つずつ値段も上がっていく。

 つまり9個以上の物を配達に出すときに特が出るということか。

 俺にそんなに大量の依頼が来るとも思えないが覚えておこう。

 今は使うこともないのでその場を去り帝都内のNPCショップがある通りへと向かった。

 塗料というかペイントが実装されたということはそれが売ってる店が増えている、もしくは新たに販売が開始されていると思ったからだ。


「とりあえず今までの既存の店には追加されてなかったな。新しいアイテムとか武器はちょいちょいあったけど」

 

 だけど新しい店っていうのも見つからないんだよな。

 少し考えると後ろから話しかけられる。


「ユミさん。こんな所でどうしたんですか?」

「君は……えーと、ランのパーティーの」

「ミルナです。お久しぶりです」

「うん、久しぶり。ペイント関係の実装があったからNPCショップとかで出てないかなと探してたところだよ」

「それならこの前一緒に攻略した機械の街でレシピ売ってましたよ。技能なしでも作れる」

「ガセネタとかじゃないの」


 さすがにそんな都合のいいものがあるわけ無いだろう。


「NPCが売ってたので、本当かと。確認したのは私ですから」

「よし、行ってくる」

「一緒に行きます……それで材料集め一緒にやりませんか?」

「ん? 別にいいけどそんなに大変なの?」

「レシピを見ればわかります」


 ミルナちゃんのそんな言葉を頭の隅に起きつつ機械の街へと向かった。


 レシピは本当にNPCが売っていて買うことができた。

 だけど材料を見てたしかにこれは一人じゃきついと思った。


「一回で大量に作れるけど素材多い……しかも少量のレシピはない」

「そうなんですよ……でも聞いた話だと一度作ったあとは容器など使えば分けられるそうなので大量のやつ二人で何色か作って分ければ効率いいかなと思いまして」

「うん、俺もその意見に賛成だ。素材だす敵は雑魚だし素材もほぼ絶対にドロップするアイテムだしね……多いけど」

「多いですね」


 俺達はこの後素材となる敵がでてくる狩場へ行き、とにかく数を狩った。

 まずは虹の7色を揃えようということでそれぞれの素材を集めた。

 

「よし……それじゃあ作ってみますか」

「私が上から3色作るのでユミさんは下から4色お願いします。生産技能上げてると多少早くなるらしいので」

「わかったけど下から4色って何色だっけ……ていうか生産技能持ってるからこれ欲しいのかと思ってた」

「持ってますけど細工だけなので二つ持ってるユミさんのほうが早いと思います。下から紫、藍、青、緑です」

「了解」


 ペイントを作るには素材をまずすりつぶしそれを水を同じ容器に入れてかき混ぜる。

 ゲームの神秘というものがあって水というか最終的に完成した量は完成した瞬間に突然増える。

 これを繰り返して二人で虹の四色を作った。


「これ半分に分けても少し大きいバケツ1つ分くらいありますよね」

「だよな……多いな。船とか塗るとかんがえるとそうでもないかもだけど」


 とりあえず二人でそのペイントを分けて7色のペンキを手に入れた。

 そう、アイテム名はひねりもなく○色のペンキというアイテムだった。


「それでは、私はこのへんで……そうだ。今度イベントがあるそうなんですよ」

「なんのイベント?」

「ファッションショー的なアバターと装飾品で人をコーディネートするイベントらしいです。運営もPCでログインしてリアルタイム進行するそうなので……ユミさん、私と一緒に出ませんか」

「うーん……まだアバターがきっちり完成してないんだよね。もうすぐできると思うんだけど。それ次第でもいい?」

「大丈夫です。良いお返事を待ってます。あとランがたまには一緒に冒険したいと駄々こねてましたよ」

「ありがとう……まあ後で一緒に行ってやるか」


 ミルナちゃんはそんな俺の言葉を聞き、少し笑ってから去っていった。

 俺もこの日はログアウトし就寝した。

 明日はドレス完成させたいな、あとできたら店の外見とかも設計図書きたい。


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