レポート48
「おわったー」
俺はログアウトして1階のソファに寝転んでた。
疲れたので今日はもう冒険する気はない。
あのあと帝都に戻ってからレシピ本をみんなからもらったりした。
それについてはほんとうに感謝だ。
特にシエンさんは最後のボスでもドロップしてたらしくそれもくれたのだ。
まあついでに依頼を頼まれたけどむしろお礼ですから依頼じゃなくてもいいですってレベルだ。
刀使いということでサムライ風の和服防具がほしいということだ。
もらったレシピ本の一つがそれだからつくるぞ、明日から。
ついでに蘭も降りてきた。
「お兄ちゃんおつかれさま~」
「おつかれ~、ありがとうな。だが虫の情報のことは覚えていろ」
「そんなこと言えるのかな~」
「は?」
そういって、なにやら携帯の画面を見せてくる。
そこには自分で言うのも恥ずかしいが森での虫によって女みたいな仕草になってる俺のスクリーンショットが大量にあった。
「お……おい、ちょっとまて」
「なにかな~?」
「いや、うん。許すからそれだけは勘弁を」
「ご飯は?」
「いつもどおり」
「ならよーし! お兄ちゃんのこれは晒さないでおくよ」
セーフ、さすがにゲーム内スクショとは言ってもさすがにアレはだめなやつだ。
知り合いが見たら絶対バレルタイプのやつ。
「そおいえばレシピ手に入れた防具とかってどんな感じのやつ~?」
「えっと一つは男性用の和服だな。大河ドラマとかでよくみるサムライみたいな。そのほかはコート系が1つに中世みたいなイメージの奴が二つだったかな。それでアバターのレシピもでてドレス系が3つだった」
「ドレスか~。女の子の憧れをゲーム内で体験できるようにするとは運営はやるね」
「結婚システムとかもいつか入りそうだよな。今はないけど」
MMORPGでは意外と定番の結婚システムもさすがにVRとなると最初から取り入れるわけにはいかなかったんだろうな。
自分が動いているように感じるとなると結婚関係も結局ゲームよりリアリティがでてしまうから。
でもゲーム内結婚が将来的にリアル結婚になるとかあったらロマンだな。
「お兄ちゃん、早く私にお姉ちゃんを見せてね」
「お前は一体何を言っているんだ……」
「純粋に私の姉になるから早めに見て関わり方を決めないといけないし!」
「じゃあお前も彼氏出来たら教えろよ」
「あたぼうよ!」
「若干古い!」
こんな風に夜を過ごし、就寝した。
次の日に学校で夕二に一発蹴りを決めておいた。
「いてぇっ!」
「昨日の恨みだ」
「これだけで終わりなら、それでいいよ」
「一発で許してやろう」
ログハウスが増築終わったら店に出すもののレシピはとりあえず揃ったな。
ただ、なんで男性向けより女性向けが多いんだろうか。
そんなこと思ってしまった俺だった。




