レポート39
「ゲームだからこういう時は楽だな」
俺はジャングルに入る前にコートを少し【裁縫】により調整していた。
迷彩柄にしたのだ。
俺とエイナさんはジャングルに足を踏み入れる。
「ユミちゃん、あっちから大砲の音が聞こえる」
エイナさんにそう言われて耳をすますと確かに聞こえる。
だがかなり遠い。
「どうする、向かっちゃう?」
「向かいましょう」
そちらへと向かい歩き出す。
少し音が近づいた所で敵に遭遇した。
が、エイナさんは短剣使いだったようで即座に敵の急所を狙って攻撃して倒した。
正直木が多いこの状況だと俺の槍は分が悪い。
その後少しそこで隠れて待ち伏せているとまた敵が現れる。
耳を澄ますとこんな話をしている。
「さすがに往復はきついな」
「仕方ないだろ、投石機といったってでかい石はあっちから運ばなきゃ意味ないんだからよ」
そして気配を殺したまま敵を倒す。
「どうやら投石機の弾補給の道みたいんだね」
「ちょっとあいつらがきた道たどってみましょうよ」
敵が歩いてきた道をさかのぼっていくと小さな川が見つかる。
そこには橋がかかっておりその奥には洞窟があった。
「あっ、来ました!」
「隠れる場所ないな……そうだ、ユミちゃんちょっと耳貸して」
耳を貸すととんでもない作戦を行ってきた。
俺はその作戦にのった。
「なっ、くそっここがバレたか」
「女一人ぐらい楽勝だ、やっちまおうぜ」
エイナさんを見つけた洞窟からでてきた男二人はすぐに攻撃をしようとする。
「そんなにアタシばっかり見てて大丈夫かな?」
「何言ってんだてめえ!」
「そうだそうあっー!」
「あんどうした!?」
「隙あり!」
片方が突然叫んで消えた、そしてその隙をついて片方をエイナさんが倒す。
片方が消えた理由は簡単だ。
俺が水の中から橋に穴を開けてひきづりこんだからだ。
「(『牙突』!)」
水の中だから発声はできないが思考すれば一応スキルは発動できる。
俺は水に入れられて混乱している敵を突き抜いた。
「ぶはっ!」
「ユミちゃん大丈夫?」
「大丈夫です」
エイナさんも上手くやったらしく敵はいなくなっていた。
その後俺とエイナさんは洞窟の中へとはいって待ち伏せしてくる敵をしばらく倒した。




