レポート4
チュートリアルクエストを難なく勧め、最後のクエストになる。
そうすると今までとは違いクエストNPCから質問された。
「最後のクエストは外にいるチュートリアルラビットを狩ってきてもらいます」
「名前そのままだな」
「狩るための武器をお貸ししましょう、この中から好きなモノを選んでください」
そうして手元にリストがだされた。
剣、槍、弓、杖、斧、ハンマー、拳と書いてあった。
剣とか槍とかはわかるんだが拳の武器ってなんだ、篭手とかそうゆうのなのか。
「そんじゃ、槍にする」
「それではこちらを受け取ってください、チュートリアルラビットはここから南にいったところにある草原にいます」
そうしてNPCに槍を手渡された。
こうゆうのってアイテムとして所持品のほうに入れられたりするもんじゃないのかと思った。
装備欄を確認してみると《スピア》という槍が装備されていた。
そのまんますぎるだろ……。
槍を渡されてから言われたとおり南へ向かうと、街から出る門がありすぐに草原に辿り着いた。
ゲーム稼働が今日だったのもありかなりの人がうさぎを追い掛け回している。
「おう、大将もきたか。先に狩ってるぜ」
草原についた俺に先にきていたであろうユウが話しかけてきた。
「おう、そんじゃいっちょやるかな」
「お、槍選んだのか」
俺は槍を構えてみた。
普段は持つわけもないような武器だから、勝手がわからないが、ふざけて長い棒とかでチャンバラした時を思い出しつつ、構えた。
「すっげえ、不格好だぞ大将。それで攻撃できんのか?」
「……突くのはできそうだが、薙ぎ払ったりは無理そうだ」
「まあ、ゲームのシステム補助も一応あるし、慣れだろそれは」
ユウは軽く笑いながらそう言った。
ユウは剣を選んだようで、右手に剣を持っている。
「そんじゃ、いっちょ狩ろうぜ大将」
「おう」
そういってユウはチュートリアルラビットを見つけて斬りかかる。
さすがはβテストをやっていたこともあり、その動きは素人の俺が見るには早く鋭かった。
対する俺はと言うと
「はっ! ってそっちからもか!?」
ぎこちないながらも槍でラビットを突くが、その間に別のラビットに横から攻撃される。
そしてHPが半分以下になり、チュートリアルでもらった初心者用ポーションをひとつ使う。
「こんな序盤で使うことになるとは、とゆうか痛くはないんだが反射的に痛く感じる」
ゲームということもあり痛みはほぼ感じないのだが、条件反射というのだろうか痛いと思ってしまう俺がいる。
「大将、俺は終わったから先戻ってるな。終わったらフレチャ送ってくれ」
「早いな、わかったがもう少しかかると思う」
ユウと別れてから10分程度たっただろうか、あと数匹までさしかかり、一応槍を突くだけではなく振れるようになってきた。
「あと3匹……そこっ!」
『キュゥゥ』
チュートリアルラビットが倒れて、消える。
本来だと皮などドロップ品を狙って取るようなこともできるらしいが、チュートリアルだからすぐに消えて、新しくマップに出てくるようになってるんだろう。
「残り2匹……って同時か」
1匹に目をつけて狙ったつもりだったが、斜め後ろにもう1匹近づいてきた。
「それならっ!」
俺は両手で槍を構え前の一匹を突いて倒し、そのまま片手に持ち替えて払うように後ろの奴に攻撃した。
そしてチュートリアルラビットが消えたのと同時にノルマ達成の通知がくる。
クエストがモンスターを倒すなどの場合、目標数に達すると通知が来るようになっている。
ちなみにクリアはクエストごとにちがい、倒した時点でクリアの場合とクエストをだしたNPCなどのもとにいって報告してクリアになるタイプなどがあるらしい。
今回は後者である。
「よし、そんじゃ戻るとしますか」
俺は槍を背中に背負い街の中へと戻った。
「クエストクリアおめでとうございます、これにてチュートリアルクエストが終りとなります」
NPCに報告するとクエストがクリアになった。
そしてそれと同時に初期防具といえるだろう装備と借りていた槍と同性能の槍、そしてスキル【槍】を入手した。
このスキルは槍を使っていると自動的にレベルが上がっていくシステムのようだ。
この他にも武器や制作、魔法など様々なスキルがあるらしいがレベルを上げてSPを振り分けるかクエストなどを受けて覚える必要があるらしい。
俺はユウにフレンドチャットを送り合流することにした。
『クエスト終了、噴水前で合流でいいか?』
『了解、すぐに行く』
噴水につき待つこと数分、ユウが現れた。
「おつかれ大将、そんじゃ早速レベル上げするか? それともカネ集め? 次の街目指すのでもいいぜ」
「今後どうすればいいかがわからないが、進めるなら次の街まで進みたいな。この街は今は人が多すぎる」
「それもそうか、そんじゃ次の街目指すとすっか、ちなみに第一ボスに位置するモンスターは次の街のクエストで出てくる奴だから、実質この街はボスいないんだぜ」
「へぇ、そうなのか」
つまり次の街がチュートリアルではない始まりの街になるということだ。
そして、俺はユウについていき次の街へと向かった。