レポート38
船の修理がおわり出発して数日。
イベント終了まで残り3日となっていた。
俺達は敵を見つけられないで海の上をうろうろしていた。
だがその日の昼、ようやく動き始まった。
「キャプテン! 砂浜にプレイヤーらしき人影を数個発見!」
「ユウ!」
「わかってるぜ大将! 小型船で岸に近づく。大型船からは大砲と遠距離攻撃持ちが援護できるように動け」
ユウの指示で全体が動く。
おそらく最後の戦いだ。
こんなユウを見るのも最後になるだろうな。
継続すればいいのに。
そんなことを思っていたら小型船が大きく揺れた。
「ガマチどうした!?」
「ユミちゃんこいつはやばいぜ。あいつら船の素材が集まらないからって投石機大量に作ってやがった」
振り返って海岸の方を見ると、歴史の教科書にのっているような投石機が大量に設置されている。
そして発射体制が整い次第俺達のいる小型船を狙って投石してくる。
いくら出来のいい船とはいえ数には勝てない。
たちまち小型船はボロボロになっていく。
「撤退だ。撤退!」
船の進路を変えて大型船の方へと戻ろうとする。
だが少し手間取った隙に更に石がとんできて船が崩壊を始めた。
「ぬおおおおっ!!」
大型船の上からガリウスがゲートを使って鎖の付いた短剣を投げてくる。
ユウとナルはそれを掴み大型船へと移動できた。
ガマチとコノミチはコンビネーションで10数秒しかもたない階段をつくって大型船へと移動した。
なんだあれ。
そしてユリナちゃんは召喚獣で脱出に成功する。
そしれ俺はというと。
「ユミちゃん、あたしらもうあっちいけないと思うんだけど」
「奇遇ですね、俺もそう思ってました」
かなり前方のほうにいた俺とエイナさんは手遅れだった。
船とともに海に沈む。
だがそこで新たな発見がある。
泳げるな、酸素ゲージも目に見えるところに出てきた。
俺は大型船へと向かわずに砂浜の方へと泳いでいく。
「ぷはっ! ……お前ら、覚悟しろよ」
俺は陸に上がって投石器を動かしてる奴らに攻撃を仕掛ける。
だが一基目の奴らを倒すまでの間に他の奴らには逃げられた。
エイナさんも途中から加わってた。
大型船のほうに合図を出すために海の方を振り返ってみると予想外の展開になっていた。
「ありゃ、あたしらの船攻撃されてる」
「一船だけ作ってたのかよ」
大型船は後ろから攻撃を受けて誘導されるように島の広い川へと入っていく。
「あたしらで陸地の奴らどうにかしようか」
「そうするしかなさそうですね」
俺とエイナさんはジャングルの中でゲリラ戦を行うことを決意する。
こういうイベントだったっけ、これ。




