レポート32
イベントの開始は1時からで終了が5時予定だ。
それで事前に大雑把に発表されていたシステムの一部が確定で当日朝に発表された。
1時間が4日ぐらいとユウが言っていたが、最終的に5日となったらしい。
つまり体感的な時間では20日間と言えるだろう。
20日間で何をすればいいんだろうかわからないがとりあえず俺は午前中の時間つぶしにアバターを作っていた。
青の肩に羽織るようなでかいコートだ。
それと海賊帽子、ユウがなんかカトラス持ってたから作ってみた。
嫌がらせのように押し付けてやろう。
完成したあたりでちょうどいい時間になった。
「よし、そろそろ行くか」
俺は槍と消費アイテムのいくばくかをインベントリに入れてイベント開催場所へと向かった。
帝都の端に特殊ポータルが作られていて、そこからイベント場所へと向かうらしい。
ちなみにこの特殊ポータルで移動した先はさっきいったように1時間が5日の感覚となる場所となるらしい。
「お、きたか大将!」
「よっ、俺が最後だったみたいか」
「ふんっ、俺が遅れるはずがなかろう」
「バカな……兄さんが私より早く起きていたなんて」
「さっきからこんな調子なのです」
膝から崩れ落ちてるユリナちゃんにいつもどおりのガリウスとユウ、そして苦笑気味のナルがいた。
『イベント参加者片は10分以内にポータルを使って開場へ入場してください』
運営からの連絡としてチャットが飛んでくる。
俺たちはポータルを使い光りに包まれた。
「……マジかよ」
次に目を開いた時、俺達は海が見える場所にいた。
後ろを向くと港町がある。
「大将、これはもしかすると俺のカトラスは予知だったのかもしれないぞ!」
「ふはは、面白そうだ」
「契約したけどフィールドの関係で今まで呼べなかった召喚もできそうね」
そんなことを話していると運営から新たなチャットがくる。
『参加者の皆様はパーティーごとにランダムで3チームに分かれていただきました。この3チームによる海戦を行っていただきます。期間はイベント体感時間の20日以内。優勝チームには商品が送られます。それではがんばってくださいね』
「なぁ、ユウ……船とかどうするんだ?」
「木工職人なんて俺達のところにいねぇもんなぁ……」
「とりあえずこの街にいる私達と同じチームの人達と合流するのがいいのでは?」
ユリナちゃんの提案に賛同して、まずはこの街にいる仲間に出会うことにした。
だが港街の規模もわからないので3手に別れて探す。
まずは単独行動のユウ。
こいつはまあやる男だ。
そして女の子組のユリナとナル。
そして俺とガリウスだ。
「それで貴様、これからどこに向かう!」
「まあ港町で人があつまるっていったら酒場か市場だろ」
俺達は酒場ヘ向かった。
酒場にたどり着くとそこではNPCなどが飲み食いしていた。
そんな中、一つのテーブルがプレイヤーパーティーの4人で座られていた。
「あんたら、ちょっといいか?」
「お? どうした嬢ちゃん。って嬢ちゃんもプレイヤーか」
「俺は男だ……ってそんなことはいいんだよ。同じチームだよな?」
「あぁ、多分な。俺達は『木工野郎Cチーム』だ。ちなみにこのCはクラフトのCな」
イケメンの細マッチョ4人組のパーティーだ。
「ふんっ、つまり貴様らは木工技能パーティーというわけか。それでは勝利のために働いてもらおうではないか!」
ガリウスのこれを見て木工野郎の一人が小声で俺に話しかけてくる。
「こいつどうしたんだ?」
「病気みたいなものだからスルーしてやってくれ」
「わかったぜ」
そういった後にガリウスに向き直り、答える。
「俺達もたしかに勝利はしたい、だからイイ船は作りてえさ……だがな、木材がなけりゃさすがに何も作れねえんだよ。ってことで木材どっかでとってきてくれねえか?」
「むっ! ……それはしかたのないことだな。ユミいくぞ! あいつらと合流して木材集めだ!」
ガリウスはすぐに見せをでていく。
「あぁ、ごめんな。あいつ純粋何だとは思うんだよ」
「悪いやつじゃねえのは分かるぜ。とりあえず嬢ちゃんフレンド登録しておいてくれ。連絡用に使うからな」
俺は木工野郎Cチームの一人、甚平細マッチョのガマチとフレンド登録をして店を出た。
「貴様! 集合場所はどこだ!」
「一緒に行くからそう急かすなよ」
俺とガリウスはユウ達との合流予定場所へと移動を始めた。




