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fow -Fantasy Online World-  作者: ゆっき/Yuyu*
第3章 イベント開戦……いや海戦!
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レポート31

 次の日、顔合わせ予定の土曜日になった。

 夕二からも朝メールで集合場所とかが送られていた。

 俺は朝食をとってからVRSを起動した。


「おはようゴザイます! マスター! 明日はイベントの日でスヨ!」

「ナナ、おはよう。その通りだ! 明日からのイベント内容とか知らない?」

「大規模戦闘予定というコトしか発表されてまセンね」

「了解」

「それでは今日も朝から元気ヨーク! リーンクオーン!」



 俺は自宅へと降り立った後に集合場所へと向かう。


「きたか、ユミ。お前が二番目だ」

「少し早かったかな」


 たどり着くとそこにはユウが一人立っていた。


「お前両手剣使いじゃなかったっけ?」

「片手で使える剣技能も育てたんだよ。これカトラス」

「海賊の剣だっけか?」

「おう、小回りきくし両手剣と差別化できると思ってなっと他の奴らも来たみたいだ」


 その言葉を聞いて後ろを見ると3人ほど新たに人がきていた。

 といっても見覚えある人ばっかだが。


「ほう、貴様も今回の宴のメンバーだったか。せいぜい足を引っ張らないようにな」

「ユミさん、お久しぶりです。兄がこの前は迷惑かけたようですいません、今回はよろしくおねがいしますね」

「ユミさんお久しぶりなのです! よろしくお願いします」


 ガリウスとユリナの兄妹に、第一ダンジョンを一緒に攻略した弓使いのナルだ。


「む? この小動物みたいなやつはなんだ?」

「まあ初対面もいることだし一応自己紹介と行こうぜ。つうわけでユミからよろしく」

「俺かよ、てか俺は一応全員と面識ありだけどな――」


 軽く自己紹介を済ませてから今日の狩場へと向かう。

 移動しながらもイベント中は一緒に行動する予定ということもあって親交を深めておきたいと思うな。


「して、ユウよ。今回はどこの狩場へと赴くのだ。俺は聞いていないぞ」

「私も知らないです」

「えっと、動物系と植物系が多く出る平原だな。敵がわかりやすいから色々確認するのにはちょうどいいんだ」

「あんな兄で大変じゃないか?」

「もう慣れましたから、ユミさんは兄弟はいるので?」

「妹が一人いるよ。このゲームもやってるからどっかであったことあるかもな」


 前列にユウとガリウスとナル、後列に俺とユリナちゃんがいる隊列で歩いている。

 まだ平原にはついていないがエネミー自体がでる地域まで来たからだ。

 それにしてもユリナちゃんってこの前あった時は大人びてるなって思ったけど並んで歩くと結構ランに雰囲気似てるな……多分ランがしっかりしたらこの子になるってかんじだ。

 まあ要するに年相応だなってことだ、自己紹介の時にガリウスが同い年だと判明して必然的にユリナちゃんが年下と確定してから見ると結構印象が変わるものだな。


「ふっ、まあ植物だろうと動物だろうと。俺のゲートの前では無力に等しいがな、ふははは!」

「笑ってる所悪いがついたぞガリウス」

 

 ユウが武器を構える。

 たどり着いた瞬間に敵が襲ってきたのだ。

 ただ平原の中でもかなり下級の敵だったようでユウ一人で片付いた。


「まあ、こっからは狩りの時間だ。行くぞ」

「はいです!」

「了解」


 

 平原についてからしばらく狩りをした。

 途中昼飯ということでログアウトして午後になったりもしたがそれなりにみんなの能力も見えてきた。

 まずはユウだが剣を使った接近戦特化だな。

 そしてユリナだが中距離戦闘タイプだ。

 召喚魔法使いとあっていろんな街へ行って契約を行ったらしく多種多様の召喚獣で戦うことができる。

 そしてナルだが、中距離と遠距離型だな。

 相変わらず弓を使っているが、動きながら射ることもできることからある程度の距離までは近づけるだろう。

 そしてガリウス。

 こいつはどこでも大丈夫だと俺は思う。

 召喚魔法で武器をだして相手に投げつけまくるが、近接戦闘もしっかりと可能なように技能をとっているらしい。


「むっ、ユウよ。これは俺でもさすがに捌ききれんぞ」

「後ろはユミとユリナで、俺とガリウスとナルで前をやるぞ!」

「わかったわ」


 今俺達は敵に前後を囲まれている。

 強さはそれほどでもないが数がいるため二手に別れた。


「ユリナちゃん、援護よろしく」

「あ、あのちゃんづけはその……恥ずかしいです。了解しましたけど」

「えっ……慣れて」

「呼び捨てでいいのに!」

「だが断る!」


 俺はアイちゃんに作ってもらったパルチザンで敵をなぎ払う。

 前までの槍と違い斬ることに特化してる形のため片刃の向きを変えつつ多数と戦いやすくなった。


「『召喚サモン鬼火スピリットファイア』」


 ユリナちゃんの周りに魔法陣が現れてそこから青白く燃える火が出てくる。

 幽霊のようなその火は敵へと目掛けて突進していき、敵を燃やしていく。


「なにこのホラー召喚!?」

「偶然見つけた廃村で契約しました」

「絶対これ鬼火じゃなくて人魂だろ!」


 そんなことを言いながら俺も敵を薙いでいった。




「それではみんな今日はおつかれさん!」


 俺達は狩りを終えた後帝都の冒険者ギルドの食事処で打ち上げ的なものをしていた。

 名目上はイベントの前夜祭だが。


「ユミは中々よい槍を持っているではないか。前にあった時よりも腕も上げているようだしな!」

「兄さんがユミさんの何を見てきたっていうのよ」

「ナルの弓の腕すごい上がっててビビったわ」

「私も頑張ったのです……今でもユミさんがゴーレムに潰された光景は忘れません」

「あー、そんなこともあったな。あの時のユミはマジで特攻隊長だもんな。今も変わってねえけど」


 俺ってそんなに特攻してるつもりないんだけどな。

 でも掲示板とか見ると死亡数ランキングの上位に常にいるんだよな。

 そんな話をしばらくした後お開きとなった。


「そんじゃ明日イベントの受付のところで待ち合わせな」

「わかっている!」

「兄さんのことちゃんと起こしていくわね」

「ユリナ! それを言うな!」

「それではみなさんまた明日なのです!」


 そんなことを言いながらみんなログアウトする。


「それじゃ、俺もログアウトするからまたな」

「おう、また明日な」


 最後まで残っていたユウにそう言って俺もログアウトした。

 明日はイベント日だ。


 

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