レポート30.5 『ランとアイ』
蘭子ことラン目線の小話です。
どうも、蘭子です。
私は今アイちゃんに呼ばれてゲーム内のアイちゃんのお店に来ています。
なんかよくわからないけど2階のリビングに招き入れられて待っててと言われました。
それでもう10分近くたったんだけどアイちゃんは自室からでてきません。
どういうことよ。
「アイちゃん、まだ~?」
「ま、まって! まだ心の準備が」
「どういうこと!?」
私は一体何に巻き込まれそうになっているの!?
アイちゃん、恐ろしい子。
「あ、あの。やっぱこっちの部屋着てくれないかな。私から行くの無理」
「アイちゃん本当にどうしたの? そういうことならいくけど~」
アイちゃんの自室のドアを開ける。
そこには見慣れない服装のアイちゃんがいた。
いや私もアイちゃんの服装ってゲーム内の作業しやすい服かリアルで制服とかTシャツとかのラフな私服ぐらいしか見たことないけど。
今のアイちゃんはワンピースきて普段は作業の時に邪魔になるからとゲーム内ではポニーテールにしてる髪をおろしてる。
いや、なんていうかとても可愛いよ。
抱きつきたくなるくらいに可愛いんですよ!
しかも恥ずかしがってもじもじしてるのがそれに拍車をかけて……
はっ、ダメよ私、冷静になるのよ。
「アイちゃん可愛い!」
「きゃっ!」
やっぱり無理、抱きつく!
「ちょ、ちょっとランちゃん落ち着いて」
うぅ、離されてしまった。
「で? どうしたの? そのアバター」
「ユ、ユミさんにこの前言ってた武器のお礼って渡されて……ど、どうかな?」
「グッジョブお兄ちゃん!」
でも兄の女子力がありすぎて妹としてはちょっと心配だよ。
「その、あんまりこういうの普段も着ないから心配で……」
「よし、お兄ちゃんに明日みせようそうしよう」
「ま、まって! それはまだ無理。ていうか人前は無理!」
「えぇ~……仕方ないな~、でも大丈夫私が似合っていることは保証するよ!」
「ありがとう」
こういうことだったのか。
ていうか受験勉強来た時からお兄ちゃんのこと気にしてたけど脈ありなのかな?
妹として、そして親友として考えなきゃね。
でもまずはお兄ちゃんがアイちゃんをどう思ってるかだね。
こんなもの渡すくらいだから少なくとも悪い印象はないはず。
私、頑張ります!
ちょっとした小話。
章分けしてまとめて書くほどではなかったので○.5として挟みました。




