レポート3
『10時になりまシタ! ゲームスタートが可能でス!』
数十分待つと音声案内とともに時報のようなベルが鳴った。
「よし、ゲームスタートだ」
そうして自分の手元にでた《Game Start》のパネルを押す。
『それではfowの世界をお楽しみくだサイ! リンクオン!』
その言葉とともに光りに包まれた。
視界が開けた時、さっきまでみていたファンタジー世界に俺は立っていた。
「さてと、待ち合わせ場所に行くかな……って喉が少しおかしいな、エディットのせいか? 元が低いからもろ男の声だけど」
少し体の動かし方などでもいろいろしつつ、降り立った街の中を歩く。
おそらく、ここは良く言う第一の街とか最初の街とかの部類の場所だろう。
「それにしても武器も防具もないってどうゆうことだ、初期装備が普通あるもんだろ」
そんなことを呟きながら夕二との待ち合わせ場所の、街の中心の噴水へ向かう。
自分が最初の立った場所の近くに街の全体図があったのはラッキーだった。
若干、動きにもなれ軽いスキップしていると、待ち合わせ場所の噴水が見えた。
そこには他のプレイヤーも数多くいた、多分ここは待ち合わせに最適なんだろう。
「えっと、あいつはどこにいんだ……お?」
少し見回していると通知のようなものがきた、手をかざしメニューを開くとフレンドの欄に通知アイコンが付いている。
このフレンドはVRSで共通されるらしく、この前登録した時に入れられてたんだろう。
そしてこの機能はフレンドチャットというらしい。
『噴水もうついてるんだけど、どこにいんだ? ちなみに俺はキャラネームがユウでオレンジ髪だからすぐわかると思う』
チャットを確認後、少し噴水の周りを探してみる。
オレンジ髪の男はすぐに見つかった。
「ユウ、すまん。待ったか?」
「おう、そこまでまっ……お前そのキャラエディットはどうなんだ?」
「スキャンでやったらこうなった、でも声で分かるだろ」
「まあな」
推測だが、夕二ことユウはリアルの俺を知っているが、それがさらに女よりになったから戸惑ったんだろう。
そう思っておこう。
「そんじゃ、まずはチュートリアルおわらせっか!」
「おい、まて、初期装備もないんだがどうゆうことだ」
「あぁ、それは――」
ユウに聞くとこのゲームはチュートリアルを確実に受けてもらうために、初期の武器と防具はチュートリアルクエストをやることではじめて渡されるらしい。
そしてそのときにスキルをいくつか取得できて、それが自分の初期スキルとなるらしい。
俺は納得してから聞いた。
「よし、わかった、ならチュートリアルをクリアしよう。ところでどこで受けんだ?」
「まぁまぁ、落ち着きなさいな大将。俺についてきてくれればチュートリアルと第二の街までは楽勝だからさ」
今更だが、こいつは俺の呼び方が安定しなかったりする。
あるときは名前の真弓よび、またあるときは苗字呼び、そしてその次に多いのがこの大将とゆう呼び方だ。
初対面の時見た目と名前で女扱いをクラスでされかけたが、声で男と判断がついた後に言われたのが今も続いている。
『じゃあ女って間違われないように男らしく、しばらく大将って呼ぶな!』
『なんでだよ、いやまあ女扱いよりいいけど』
そんなことを何故か思い出しながらユウについていくと、宿屋に似てる建物につきそこのNPCを指さした。
そのNPCの周りにはプレイヤーがかなり集まっている。
「あのNPCから受けるんだ、といっても本当にチュートリアルでゲーム的なものだから、最後の以外はすぐ終わるけどな」
「最後の以外?」
「最後は武器とかで外にいる動物エネミーを狩ってこないといけないからな、動きに慣れるまでに時間かかった」
ようするに日常ではしないような動きをするから、動物でも狩るのに一苦労とゆうことか。
俺達はチュートリアルクエストを受け進めていった。
内容としてはアイテムの使い方や、フレンド登録方法、ステータスの割り振り方などゲームシステム的な操作だった。
そして最後のクエストになる。