レポート28
次の日俺は妹にアイちゃん、本名思い出せないけどとりあえずリア友みたいだから今日会えるか聞いておいてくれと頼んで学校に登校した。
帰宅後妹から結果を聞いたら。
「大丈夫だって言ってたけど、今日時間あるなら手伝ってほしいこともあるって言ってたから大丈夫っていっておいたよ」
「おい、俺の予定をお前が決めるなよ。暇だったけど」
「私も一緒だからさ。いいでしょ」
「はいよ。集合場所とかは?」
「フレチャで飛ばす~」
そういってお互いの部屋に入ってVRSを起動する。
「おかえりナサい、マスター。今日もfowへはりキッてまいりマショう!」
「おー!」
「リーンク、オーン!」
今日はいつもよりかはテンポよくリンクオンした。
降り立ったのはログハウス。
ログイン場所として設定しておいたのだ。
「さてとチャットはきてるな……アイちゃんの店か」
集合場所に指定されてたアイちゃんの店へと向かう。
「あ、お兄ちゃんこっちこっち」
「ユミさん、こんにちは」
「こんにちは。ごめんねいきなり」
「いえいえ、私が売ったものだし! むしろ他の人に頼まないでくれてありがとう」
そういうことならよかった。
まあ俺アイちゃん以外、鍛冶知り合いいないんだけどね。
あ、心の涙が出てきた。
「それじゃあ、これお願いできる?」
俺はそういって槍を渡そうとする。
「あの、ユミさん。提案なんだけどパルチザン使ってみない?」
「パルチザン?」
どこかで聞いたことある気がするんだけど思い出せない。
どこかでというのも昔プレイしてたゲーム内の武器の名前とかそんな感じだけど。
「えっと、槍なんだけど。突きじゃなく斬ったり突き刺したりするのが主流の槍なの。こんな感じ」
図のように書いて説明してくれた。
槍の先が突きのために先端が鋭いのではなく、どちらかと言うと剣のような形になった槍だ。
たしかに俺のスタイルだとこっちのがあってるのかもな。
「すぐ作れるの?」
「今回手伝ってもらいたいのがそれの初作品のための素材集めだったり……別の槍レンタルするからどうかな?」
「うーん……俺はいいぜ」
「もちろんランも手伝うよ。学校の親友とお兄ちゃんのための武器の素材となれば妹の私が手伝わないわけがない!」
何故かものすごく強く断言された。
「あ、そういえばそれっていくらぐらいになる? 最近家買って金がそれほどないんだよね」
「手伝ってもらいますしそんないいですよ」
「まってお兄ちゃん。家買ったとか初耳なんだけど! あとで教えろ~!」
「それだと俺がもうしわけないんだよな……うーん、じゃあ試作品には試作品で返すということで装飾品かアバター作って渡すよ」
「で? そんな、いいよ。本当に大丈夫だから」
ものすごい慌てられた。
「えー……じゃあとりあえず素材取り行ってその間に欲しい物とか考えておいて。それなりのものでお礼したいから」
「わ、わかったわ」
「アイちゃん、お兄ちゃんがこうなると。テコでしか動かないよ」
俺、テコなら動くんだ、知らなかったわ。
アイちゃんから槍を一本渡されて素材があるという場所へ俺たち3人は出発した。




