レポート26
「これはまた……すごいな」
「お兄ちゃんみてみて、ベルトコンベア!」
「ランはしゃぎすぎよ」
「ララも落ち着きないですけどね」
中に入るとベルトコンベアとかクレーンとかが大量にあった。
本当にこれファンタジーかという疑問は持たないようにしたい。
「よし、いっくよ~!」
「おー!」
ランの掛け声とララルの同調を聞いて奥に進み始める。
最初のフロアでは特に何もでなかったが次のフロアにつくと敵がでてきた。
『ハイジョシマス、ハイジョシマス』
鉄骨が組み合わさって人型のようになったゴーレムだ。
これ機械かな。
「おらっ……あぁ!?」
先制攻撃と俺は槍で突きを入れたがその硬さに弾かれた。
「お兄ちゃんせめて様子見しようよ」
「私が前にでますので好きをみてランとララルで攻撃を、ユミさんはまあスキルとかなら通ると思いますので」
「任せなさい!アタシの魔法ならこんな奴らイチコロだから」
そういってミルナが武器の長棒を構えて攻撃する。
槍のように突くのとは違って打撃での攻撃のため弾かれるようなことはないようだ。
「よし、いまね。『シャイニング・アロー』!」
「私もいくよー! 『ファイヤ・シュート』!」
ララルが手をかざすと光の矢が現れて敵に飛んで行く。
そしてランの剣が炎で燃え上がり火球を飛ばす。
俺もさすがに弾かれてそのままなにもしないのはカッコつかないけどどうするかな。
そう思ってゴーレムの方を見て思いついた。
「てりゃぁっ!!」
ゴーレムを思いっきり石突でどついた。
これなら弾かれずにダメージが通るようだ。
『ハイジョ、ハイジョ、ハイ……ジ……ョ』
その後も攻撃を続けていきゴーレムを機能停止させた。
「かったいな、これ本当に奥まで行って大丈夫なのか?」
「さすがに連戦だと手が痺れそうです。というか槍の使い方としてどうなんですかあれ」
「ダメージ通ったからいいだろ」
俺はミルナと戦闘後話していた。
裏ではランとララルがテンション上がっていた。
その後も何度かゴーレムに出会いつつも倒していき、最後のフロアに到達した。
「や、やっとついた」
「お兄ちゃんHP回復しないとやばいって」
「さすが特攻隊長ね。アタシにはできないことを簡単にやってのける」
「それでスイッチとやらはどこですか?」
俺達が見回すとスイッチと思わしきレバーとそれで動きそうな大きな歯車を見つけた。
だが、何かがおかしいような。
「なあ、ミルナちゃん。俺からはレバーが別々の場所に2つある気がするんだけど気のせいか?」
「偶然ですね。私もそう思ってました」
そう、階段を登った上の通路の置くと、下にある止まったベルトコンベアを進んだ奥に合計2つレバーがあったのだ。
「お兄ちゃんここは二手に別れよう!」
「あ、じゃあアタシ。ユミさんと行く」
「バランス的にそれでいいんじゃないですか?」
「えぇ、私お兄ちゃんと行きたかった……けどミルちゃんも同意しちゃうなら仕方ない今回は譲ってあげよう」
どうやらこのパーティーのリーダー的ムードメーカーはランだが作戦の最終決定権みたいなのはミルナが持っているらしい。
「そんじゃ、俺らが上か?」
「じゃあ私達が下で」
俺とララルのペアが上、ランとミルナのペアが下のレバーへ行くことになった。
「実際こうやってきてみると狭いな」
「ですね~、アタシの魔法大丈夫かな?」
「そもそも敵に出てきてほしくないんだけどな」
そんなことをいいながら階段を上がって通路を進む。
すると下から轟音が聞こえてくる。
どうやらミルナ達の前に敵がでてきたらしい。
上からでよく見えないがさっきまでとは違う形のゴーレムだ。
そしてミルナが前で棒を……あれ、武器さっきと違うような。
「なあ、ララル。ミルナの武器って棒じゃなかったか?」
「あぁ、普段が棒ですけど三節棍ですよあれ」
またすごい武器使ってるな。
そんなことを思いながら俺達もレバーへと向かうが途中で俺達の目の間にゴーレムがでてくる。
「やっぱりこっちもでますよね~」
「ララルは裏から援護たのむぞ」
「通路狭いけど大丈夫ですか?」
「結構キツイ」
槍振り回すほどの幅がない。
一応てすりより上の高さで横振りはできるけど斜めに振れなさそうだ。
ゴーレムはさっきまでとちがい、錆びた鉄骨を主に体が出来ていた。
だがそれよりも違うのは手の関節や足の関節、人でゆう心臓部分で歯車が回っていることだ。
『シンニュウシャ、ハイジョ』
そういってその腕をなぎ払うように振ってくる。
俺はしゃがんでそれをかわす。
「『ライト・シュート』!」
その瞬間光の小さな珠が後ろから飛んできてゴーレムに命中する。
おそらくララルの魔法だろう。
それに一瞬怯んだゴーレムを俺は下から石突で突き上げるように攻撃する。
「らぁっ!」
ゴーレムのHPゲージは徐々に減っていく。
こいつはボス扱いのようでゲージは3つほどある。
だが防御が硬いから実質今までの奴でいうとゲージ5つ程度と同じに感じる。
その後も攻防を繰り広げていき、たまにララルの魔法で回復してもらう。
そして最後のゲージが赤くなった所で止めをさしにいく。
「これで終わりだぁっ! …………ってなっ!?」
石突で突くことを繰り返していたが最後の一撃になるはずだった攻撃を腕で掴まれ防がれた。
だがその瞬間後ろから足音が聞こえてきた。
そして俺の背中に衝撃が……えっ?
「『シャイニング・ナックル』!!!」
ララルが輝いた拳でゴーレムに右拳をねじ込んだ。
そしてHPゲージがなくなりゴーレムは機能を停止した。
「お前いきなり何すんだ!」
「とどめさせたからいいじゃないですか。もう回復させようにもMPギリギリだったんですよ」
まあ倒せたから、今回は許してやるか。
下もどうやら終わっていたようだレバーのところでランが手を振ってる。
俺達もレバーのもとへいって下とタイミングを合わせてレバーを倒す。
するとガコッという音とともに奥に見える大きな歯車が動き出した。
「これでクエストクリアか」
俺はそう思い下の二人と合流して工場をでた。
「また、これかぁぁぁぁ!!!」
そして崖の上に投げられていた。
今度はしっかりと着地を決めて村長の家に入る。
「村長さん、歯車動かしてきましたよ」
「おお、これは旅の方。本当に有難うございます。些細な者になりますがお礼です、受け取ってください」
そういってクエストクリアの通知と報酬が渡された。
俺は下に落下してそのことを伝えた。
「よーしソレじゃあみんなで報酬開けてみましょう」
「あたしにいいものがきてるのは当然よね」
報酬の中にあったプレゼントボックス(並)というアイテムを同時に開封する。
このアイテムは中にそれなりの何かが入っているらしい。
「あぁ、私イエローポーションだ。悪くはないんだけど、結構量産できるものなんだよねこれ」
「私は鉱石でしたね。知り合いの鍛冶職人に頼んで防具でも作ってもらいましょうか」
「あたしはなんと魔術本! でもこれ闇魔法なんだよね……」
3人は各々それなりのものがでたようだ。
「お兄ちゃんは何でた?」
「俺は……【桜色の皮】……なんだこれ?」
「あっ! ソレ結構レアアイテムですよ。あたし知ってます、レアドロップじゃなくて出現率がそれなりにレアな敵のドロップ品だって」
「やっぱりそれなりなんだな……ん? なんだこれ?」
その横に【錆びた歯車】というアイテムがあった。
「なあこれ知ってるか?」
「え? なになにってこれは!?」
「ランどうしたのよそんな驚いてってえぇっ!?」
「わざとらしいわよ、二人共……ユミさんそれはさっき最後に戦ったゴーレムのレアドロップです。といっても加工できるようになるのは後半ですが。持ってて損はないと思います」
まじか、これがレアドロップなんだ。
でも加工っていうのはどういうことだ。
錆を落とすとかそういうことかな、多分。
俺はなんとなく得した気分になってその後は3人と別れて帝都へと戻った。
「ふぅ、ただいま」
ログハウスへと戻ってきた。
さて、色々疲れたし少しここで休もうかな。
少し中途半端かもしれませんが第2部完です




