レポート20
「近くで見ると更にでかいな」
「入口にすでにポータルがあるしね」
帝都の入り口に辿り着いた。
王都もデカかったがそれ以上にでかいな。
「それじゃあ、私は店立てるための交渉場所ヘ行くからこれでね」
「あ、ありがとうございました」
「いいってことよ~」
そう言われてアイさんと別れた。
「さて、これからどうするかな……とりあえず冒険者ギルド探すか」
王都にあったギルドは帝都にも存在するということらしいのでまずは立地を確認することにした。
「…………広いなおい」
だが歩いても歩いても目的の場所が見えてこない。
変な意地はらずにポータルを使えばよかったと少し後悔する。
更に歩いて鍛冶ギルドを発見した。
そこには知ってる顔がいて声をかけられた。
「おぉ、ユミ殿。いつかぶりでござるな」
ダンジョン10を大人数攻略した時の企画主だ。
たしか名前は……
「シエンさん、この前ぶりです。こんな所でどうしたんです?」
「いやなに、リアルでの知り合いと今日はプレイしてたのだが防具職人でな。ギルド登録に付き合ってるのでござる」
シエンさんが鍛冶スキルを持っていないと思ってたがそれなら納得である。
俺はシエンさんに冒険者ギルドの場所をさりげなく教えてもらって向かう。
「広いな……」
冒険者ギルドにつき中に入るとその広さに驚きを覚えた。
王都の冒険者ギルドもそこそこ大きく人数が入る大きさだったがここはその倍だろう。
1階部分は依頼所となっていて2階部分は食事処となっているらしい。
空腹度実装もあってか繁盛してそうだ……NPCの店だけど。
「冒険者登録お願いします」
『それではこちらにサインをお願いします』
NPCに話しかけて冒険者登録をすます。
サインと言ってはいるが手元にパネルがでて了承のボタンを押すだけである。
何でもいいがアップデートしても了承とOKを統一しないのか。
冒険者登録を済ませたあとはいい時間になっていたので軽く散策してからログアウトしようと考えた。
しかし散策していた時に恐るべき場所を見つけてしまった。
「帝都……料理協会…………だと!」
看板に大きくそう書かれていた。
俺はすぐさまにその中へと入る。
「きたか、少年」
「マスター!」
黒いジャケットをきた喫茶店のマスターがそこにはいた。
「帝都には料理協会が公式として参加できるらしい、もちろん料理ギルドを人数を集めて作ってもいいかもしれんがな」
「ここで登録するメリットっていうのは」
「情報交換が行い易くなることと、料理道具の購入がしやすいことだな」
「ほう……俺も登録しよう」
俺はNPCに話して協会にも登録を済ます。
「それでは少年。俺は帝都でまた店を開く予定だ。見通しがたったら連絡する」
「ありがとうございます。楽しみにしてます」
「アイシャルリターン」
そう言ってマスターは帝都の中へと消えていった。
「絶対洋画好きだろうな、あの人」
俺はそんなことを思いながらその日はログアウトした。




