レポート16
「おはよう大将!」
「よっ、夕二」
夏休みが終わり新たな学期が始まった。
始業式は昨日すんでいて今日から授業再開となる。
「fow今どんな感じだよ。ちなみに俺はとうとう第5を突破したぞ! レベルは42だ」
「すげえな。俺はまだレベル37で第3クリアしたところでとまってる。ちょっと技能の相談後でのってくれ」
「おうよ。俺は夏休みの課題というレイドボスを倒したプロプレイヤーだぜ。任せておけ!」
「前も言ったがそれはソロクエストだ」
くだらない話をしながら校舎にはいって授業を受ける。
そして昼休み、飯を食べながら話をする。
「そんで? 技能の相談だっけ」
「そうそう、今お前ってどんな感じ?」
ユウに何気なく聞いてみた。
「俺は今は【両手剣】【物理強化】【火属性魔法】【鎧】だな」
「へぇ、槍と相性いいのってなんかあるか?」
「まあ【物理強化】とかじゃないか? ほかは魔法とか使うかだな」
「魔法まで頭周るような熟練度じゃない」
「そんじゃまあ【物理強化】とかその他はサブ武器とか防具系に振ればいいだろ。もしくはフレーバーとか」
「やっぱそうなるよな」
なんとなく予想はついていたがやはりフレーバー系が候補に上がってくるんだな。
その後も色々話たりしてたが教室に戻ろうとして立ち上がった時にユウが言った。
「そおいえば、詳しい内容はまだ見てないけど秋にアップデートあるらしいからそれまで待つのも手かもな」
「アップデートあるのか……そうか」
午後の授業を受けて家に帰ったら夕飯の準備をしてfowにログインする。
『新着情報デス! 今秋に大型アップデートが行わレまース! 詳しくはホームページをみてくださイ! それでは今日も リー……ッンクオン!』
もう何も突っ込まないぞ。
俺は王都に足をつけた。
「ん? メッセージ……マスターからか」
この前の喫茶店のマスターからメッセージが飛んできていた。
開くと重大な発表があった。
『アップデートにて空腹システムが実装。さらに調教技能のアップデートで料理による動物取得のために需要アップ可能性あり。料理技能アイルビーバック』
俺はこれを読んで叫び声を上げた。
「料理の時代きたー!!」
俺はフライパンを片手にいつもの森へと突貫した。
そして死亡回数50を超えたことにより称号『特攻見習い』を取得した。
「どうした、特攻見習い料理人」
「マスター! ちゃかさないでくださいよ! まさか俺が第一取得者になると思ってなかったんですから!」
称号を手に入れた時にハイテンション音声案内からハイテンションでお祝いを言われた。
『ごしゅジーン! おめでとうございます『特攻見習い』の称号を取得デース! 更にこの称号の初取得者となりマース!』
さすがにここまでハイテンションだと怒る気も起きなかった。
「料理スキルは手に入れられたか?」
「まだなんですよね…結構回数はこなしたんですけど」
「……包丁を手に入れるのが近道だ」
「了解です」
包丁を求めて俺は旅に出る。
俺の旅はこれからだ!
……と思っていたんだけどアイさんに頼んでみたら軽く作っていただけました。
「料理技能かー。アップデートで結構需要でそうだしいいんじゃない? 報酬はあとでお姉さんに食べさせてくれればいいよ!」
本当に良い人なんだけどな。
もう少し服装というかアバターに気を使えば絶対かわいくも綺麗にもなるのに。
まあ人にどうこう言っちゃいけないな。
「ありがとうございます! 任せて下さい、料理スキルをレベルあげてリアル同等の味を再現してみせます」
「楽しみにしてるね」
アイさんから包丁を受け取って俺はマスターのバーへと向かった。
そしてマスターからの直接指導により【料理 Lv1】がスキル欄に刻まれた。