レポート14
アイさんと第3のダンジョンに辿り着いた。
第3のダンジョンは植物系の敵がでるダンジョンだ。
ここで取れる素材というと木などが多く、鍛冶に使うものなんてあった覚えが俺はない。
まあ、アイさんが嬉しそうなので聞かないでおくが、ここで聞いてしまうのは野暮ってものだ。
「それで、アイさん。どこにその隠しルートはあるんですか?」
「えっとねー。とりあえず中間のエリアまでは普通の道だから行こうか」
そういって俺達は進んでいく。
アイさんの装備は比較的動きやすそうな鎧と両手持ちで槌部分は小さめの明らかに鍛冶用のハンマーだ。
途中戦闘を見ててもスキルを使う様子が見えないけどどういうことだろう。
そう思いながら攻撃してくる弦を切り倒して中間エリアまで進んだ。
「それで、確かこっちに……」
アイさんが中間エリアの道が見た目からしてなさそうな場所を探りだす。
「あった! ユミちゃんこっちこっち!」
「へ!? そんなところに道あったんですか」
近づいてみてみると獣道のようなものがあった。
そして道を見つけたことで俺のマップが更新される。
このゲームでのマップは自分が行ったことがある場所や見聞きすることで自動で更新されていく。
今回の場合、本来見えない道が見つけたことで道の入口がマップに記された。
「ちょっと休んだら行こう!」
「おー!」
少し休憩した後、獣道を進む。
進んでいくと崖に到達し、そこに洞窟があった。
「あった! ここの中の採掘ポイントで欲しい素材が取れるらしいのよ!」
「俺、採掘技能ないので周り見張ってますよ」
洞窟の中に進んでいく。
ランタンをアイさんが持ちつつ俺が敵を対処する。
この洞窟は石でできたミニゴーレムしか今のところ出てきていないが。
正直俺との相性は悪い。
「ぬぅっ! ぐっ!」
長槍の大きさ的にいつものように振り回し気味の動きができずさらについても石という材質のため硬い。
「もう少し頑張って!」
「へぃぁっ!!」
どうにか槍でミニゴーレムを突き崩す。
「よし! 十分取れた。撤収」
「うおぉっ!?」
ミニゴーレムの右ストレートが顔の真横に飛んできて驚きながら撤収した。
アイさんの店に戻ってきて、成果を聞いた。
「欲しかった鉱石が12個取れて、その他にも汎用性高い鉱石が結構とれたよ! ありがとう」
「お力になれたのなら良かったです」
俺も植物系のドロップがある程度とれたからよしとしよう。
使い道が売るだけだけど。
「ところでさ。ユミちゃん」
「はい?」
「槍いがいの技能って何持ってるの?」
「え゛っ」
実は未だに決められてなかったりする。
「いえ、槍だけです……」
「えぇっ!? もったいないなぁ、SPは使わなきゃそんだよ。そんそん」
「特にやりたいことが思いつかないんですよね」
「うーん…………ユミちゃんってゲームは楽しむ人? 効率重視な人?」
不思議なことを聞いてくる。
思い返してみると俺は昔からゲームは楽しむ人間で、いわゆるガチなプレイは目指していなかった。
「俺は楽しむ派ですね。やってるゲームも牧場経営とかのゲームとかそういうのが多めなきがしますし」
「それなら自分が現実でも普段やってることとか、やってみたいこととかでいいんじゃないかな? 私は武器を作ってみたいって思って鍛冶の武器制作をとったし」
「やりたいことかー」
俺がやりたいこと、普段やっていることってなんだろう。
その後も世間話をしたりして、解散となった。