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fow -Fantasy Online World-  作者: ゆっき/Yuyu*
第2章 成長過程は趣味の夢
12/93

レポート12

 王都にたどり着いてから約1ヶ月が過ぎた。

 夏休みも残り僅かになった。

 fowでは第二のボスを倒し、プレイヤーレベルは50ちょいと言ったところか。

 ユウについてはすでに4体目のボスあたりまでパーティーで挑んだというが、その代償に今日は課題消化してるらしい。

 そして俺は3日ぶりにfowへとログインする。

 なぜ3日ぶりかというと、昨日まで2泊3日で家族旅行にいってたからだ。

 久しぶりに両親の休みがかさなったのだ。

 内容は割愛するがとても楽しかった。


 『おえりなさいデース! 今日もはりきってリンクオン!』


 どうでもいいかもしれないが俺はこの音声案内がもはやNPCか何かではないかと思ったりしてる。

 後でモデリングを別販売でいいからお願いしますとか要望を送ってみよう。


 

 俺は王都シュルガンツに降り立った。

 

 「今日は何するかな」


 実は第2のボスを倒して以降、毎日一回受けることが可能なクエストを受けて終わったら雑魚を倒してレベルを上げるということしかしていない。

 フレンドについてもまだ増えてなかったりする。

 俺ってこんなに人付き合いヘタだったっけかな。

 正式稼働から1ヶ月が過ぎ、王都にもかなりのプレイヤーがきている。

 それに加えギルドなども多くできてきて、有名ギルドの名前がゲーム内で流れる程度に盛り上がっていた。


 「はぁ……」


 そして一番目先の問題はスキルの選択だったりする。

 プレイヤーレベル的にはすでに第3のダンジョンへ挑戦していいレベルなのだが。

 SPを使っての技能習得がどうにも決まらない。

 その結果現在俺の技能は【槍】のレベルが30をこして派生された【長槍】のみとなっている。

 一応他にも持ってはいるがそれは全プレイヤーが自動で取得しさらに普通にプレイすれば技能レベルが上がるようなものだ。

 

 「鍛冶を取るか決めきれない!」


 このゲーム内で取るとなると生産職もしくは魔法技能がセオリーなのだが、どちらを取るか決めきれなかったりする。

 なにせ俺は槍を動かすだけに集中して戦闘中に魔法は使える気がしないからだ。

 だからといって鍛冶技能をとって俺が生産職をやるかと聞かれると不明なのだ。


 「しょうがねえ、今日もやるか」


 そういって第2のダンジョンへと特攻する。

 俺のレベル上げ方法として半分死にゲーに近い方法だが、ソロで敵を倒しまくって倒れたらその日は終了という方法だ。

 この方法をとっていった結果、死に回数により開放される称号が3つほど手に入ってたりする。

 そしてこの日も死んで街へ戻ってきた。


 「よし、今日のレベル上げ終わり!」


 そして俺は王都の散策に出かける。

 意外とこれが楽しいものだったりするのだ。


 「そういえば、こいつもそろそろ変えないとな」


 俺は未だに初期のスピアを耐久回復などさせて使っていた。

 技能が派生で強化された時にスピアにも部類ができたが、こいつは長槍だった。

 俺は散歩ついでに大通りへとでた。

 NPC店舗でも初期以上の武器は買えるが、折角プレイヤーが増えて大通りに露点が広がってきた。

 掘り出し物を探すついでに見て歩こうという考えだ。

 

 「嬢ちゃん、何をお探し? うちの店見てかない?」

 「ん? …………いや、今は槍を探してるんだ、ごめんね」

 「あらま。振られちゃったよ、まあ騙されないようにな。たまに定価以上で売ってる奴いるから」

 「忠告ありがとう」


 声をかけられたが装飾品を売ってる人だったので断った。

 あと俺は嬢ちゃんじゃない……が説明するのがめんどくさいから省いた。

 頻繁に会うこともないだろう。

 さらに大通りを歩いていると何やらもめているような状態の場所に出くわした。

 どうやら露点の主と客なのかわからない女性のようだ。


 「これ素材とかレベル考えたら値段おかしいでしょ!」

 「そうは言われてもねえ、こっちは鍛冶伸ばしプレイヤーでこの素材とるのも一苦労なわけだよ」

 「それにしてもさすがに高いって言ってるの」

 「そんじゃあ、次からは気をつけるよ。とりあえず今回は見逃してくれや」

 「む……まぁいいでしょ。次見かけたら今日よりうるさいからね」


 どうやら介入する必要もなく終わったらしい。

 周りに集まっていた人達も散っていった。

 俺もそのまま進んでいくとさっきの女性が露点を開いていた。

 他と比べると少し大きい、レベルの高いプレイヤーだったのか。


 「いらっしゃい。何をお求めかな?」

 「長槍ってありますかね」

 「また珍しいチョイスする人が来たもんだ」

 「ん? そうなのか?」

 「あなたみたいな女の子が槍を使うこともだけど。槍は長槍よりも短槍で投擲とか手数勝負が主流だからね」

 「へぇ〜」


 話しながら彼女は槍を持ってくる。


 「あんまり作ってないんだよね、そういう需要不足もあって。今あるのはこれくらいかな」

 

 武器のステータスを見せてもらう。

 攻撃力が高く耐久力もそこそこあるが少し重めの槍のようだ。


 「いくらくらいで?」

 「まあ3000Gくらいかな。比較的取りやすい素材で作ったものだし」

 「じゃあ買います」

 「まいどあり」


 そういって購入というなのトレードをする。

 トレードの最中にさっきのことを聞いてみた。

 

 「そういえば、さっき大通りの中間辺りで何やってたんですか」

 「あぁ、あれかい。あの店がね素材とか考えた場合の定価の値段の2倍前後で売ってたからさすがに言わずにいれなかったんだよ」

 「初心者騙しみたいなものですか」

 「そういうこと」


 購入を済ませて、槍をだし背中に背負ってみる。

 今までよりかはたしかに重量感がました。


 「ありがとうございました。それでは」

 「あぁ、ちょっとまって。折角だしフレンド登録しない? 実は鍛冶レベル上げてたらあんまり知り合いがいなくて……っていうのと純粋に店立ってるから宣伝も兼ねて」

 「いいですよ。あ、なら言っておきますけど俺、男ですから」

 「えぇっ!? いや、冗談だよね。お姉さんのこと騙しても何も出ないぞ」

 「本当なんですけど……」

 「まぁまぁ、それじゃあ何かあったら連絡していいんだぞ。というか私がするかもなんて」

 「構いませんよ、時間さえ合えば」 


 フレンド登録を済ませて、俺は大通りを抜けた。

 他にも色々見て回ったが、特に欲しいものはなかった。

 その日はそれでログアウトした。

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