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部長とは、部活動の『長』である。  作者: 銀煤竹
02 はじまりの旅・Ⅱ番目の世界
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02-14 鍵

「では、今日からよろしくね」

「はい。えっと…メイド様」

「様はいらないよ。私もメイドだしね」


眼鏡のメイドさんの言葉に思わず頷いた後の部署移動は早かった。

彼女は上のメイド長に臨時バイトから1人補佐をつけて欲しいとお願いして、獅戸を彼女とペアにしてしまった。これにはカリャッカも驚いたようだが、カリャッカは男性という事もあり、臨時のバイトの男性陣を主に見ていたために対応が出来なかったようだ。

獅戸も彼女は別に悪い奴じゃないと思っているので、受け入れた。…この勘が外れたら困るけど。


「それで…何をなさっていたんですか?」

「…」

「何を、するつもりなんですか?」

「…あの…。まずは自己紹介をさせてもらうわ。私の名前はノフィー。この屋敷には1年程前から仕えているの」

「1年…思ったほど古株って訳じゃ無かったのね。…ってそうか。ノフィーさん、お若いですもんね。私はアンナです。宜しくお願いします」

「よろしく、アンナちゃん。それで本題なんだけど…」


此処まで来て、やはり言っても良いものかどうか迷っているようだ。視線を伏せて暫く考え込んでしまったので、獅戸が先に口を開く。


「あの。別に良いですよ?言えない事なら言わなくても」

「…え?」

「私も目的があってこの屋敷に入りましたが、別に必ず達成させなくてはいけない任務でもありませんので、ある程度のお手伝いはできます。…まぁ、完遂出来たら嬉しいですけど…。でもやっぱり初対面だし、信用できないのも分かります。心配があるなら、私を信用しないでください」


スターニャの兄、ジノヴィを探す事。

これはスターニャとカリャッカの願いで、獅戸はその思いに同情した。なので出来る限りのことをしてあげたいが、必ず成功させなくてはいけない訳ではない。もし今この状況になっているのが自分以外の…例えば鷹司だったら、自分たちには関係ないから捨て置くだろうし、きっとスターニャ達当人の前でも明確な理由と共に「手伝えない」と言える人なのだ。

今まで散々勝手な行動をとってしまった。多少良心は痛むが、大切な仲間と不憫な他人では、到底比べられない。

獅戸の言葉を聞いてからたっぷり数分間考えてから、ノフィーはフッと肩の力を抜いて微笑を浮かべた。


「決めた。…話すわ。今はまだ貴方を信じた訳じゃないし、私を信じて欲しいわけでもない。でも…私もスターニャの事知ってるの。彼女の為に怒れるあなたを、悪い人だとは思えないわ」

「え、お友達?」

「いいえ、スターニャは私の事を知らないと思う。…私は、その…兄の…」

「彼女!?」


ノフィーが獅戸を引き留めたのは、共通の知人がいたからだったようだ。ノフィーが口ごもると、最後まで聞かずに問い返した。そういえばお年頃だったはず…?何歳かイマイチわからないが、スターニャの兄のジノヴィに彼女が居たっておかしくない。…と言う事は、ノフィーもスターニャの身内って訳で、獅戸的にだいぶ信頼度UPだ。

眼を輝かせて問いかける獅戸に若干引き気味の笑顔を見せながらカクカクと頷いた。


「う、うん…まぁ、そんな所…かしら」

「じゃあなおさら、私は貴方の手伝いをするわ。だってノフィーさんもお兄さんの…えっと、ジノヴィさんを探しに来たんでしょ?私の目的と同じだもの」

「…それなんだけどね…とりあえず移動しましょう。これから行う仕事も掃除がメインよ。私達はメイドだから、突っ立って話しこんでると逆に目立つの」


スッと声量を落とす。そして辺りをさりげない動作で見渡してから、掃除道具を持って歩き出した。バイトは1階オンリーだが、ノフィーに付いたおかげで上の階へと上がれるのはラッキーだ。この建物は3階建で、1階は使用人や商人等の下位の来客用、2階がVIP専用ルームがある仕事エリア、3階がサーロヴィっチ家のプライベートエリアだ。一番上の此処は入れる人が限られている。

とりあえず2人が出会った第3応接室までやってくると、出入り口のドアを開けっ放しにしてから窓も開けた。これが掃除をしているという合図らしい。


「いい?手を動かしながら、小声で対応してね。…実は私、今この屋敷の中で鍵を探しているの」

「鍵…ですか?」


まずは高い所の埃を落とす為に2人してハタキでパタパタと家具の埃を払い始めた。慣れた手つきで掃除をしながら、立ち位置も変えるが、はたから見て不自然じゃ無い動き、しかし相手との距離が一定以上離れない、小声でギリギリ会話が出来る距離を保っている。

この人、出来る!


「えぇ。そうよ」

「それがジノヴィさんの手掛かり?」

「違うわ。…私はジノヴィを探している訳じゃないの」

「えぇ!?そうなの!?ハッ!…な、何でですか?」


思わず大きな声をあげてしまって、パッと手で口を抑える。周りを見て人が居ない事を確認してから再び会話は最再開された。


「探して無いの?心配じゃないんですか?」

「し、心配してないわ」

「でも2年も行方が分からないってカリャッカさん言ってましたよ?町の人の噂では記憶が飛んでる…とか結構大事になってたし…」

「そうね、その噂は私も聞いた」

「じゃあ何で探さないの?…生きているんでしょ?」

「あの…。…この事は家族には黙っていてほしいんだけど…」

「はい。私、口堅いんで大丈夫です」

「…私、ジノヴィが何処に居るか知っているの」

「なんですとぉ!!?」


あ。

いけないいけない。

声を抑えないとって思い直したばかりだと言うのにまたやってしまった。今度は丁度廊下を歩いていた別のメイドさんが「何やってんのよ?」って顔でこっちを見てきたので、慌てて誤魔化した。


「居場所知ってるって、いつから!?」

「いつ…って…さ、最初から…?」

「最初…なんでスターニャたちに教えてあげないんですか!?」

「家族の安全のために言わない方が…良いかと…」

「む…」


なるほどな。

自分の眼で見たわけじゃないが、ジノヴィが生きている事が確認できた。とりあえずこれでグッと希望が見えてきた気がする。


「ジノヴィさんの場所は知ってるんですね。彼のお兄さん…ジューンさんについては?」

「…そっちは…」


獅戸の言葉に首を横に振ったノフィー。

そりゃそうか。ジューンはとにかく後回し、最悪放置でジノヴィ優先にしよう。


「分かりました。では話を戻しますけど、鍵、を探しているんでしたよね?」

「そう。これくらいの、恐らく金色をしているはずなの。旦那さまの私室を含め、あらかた探したはずなのだけど見つからなくて」


そういって片手の人差し指と親指で大体の大きさをあらわした。5センチ位だろう。

…って、鍵!?


「ん?…あれ?え、鍵?」

「えぇ。鍵だけど…」

「どこをロックしてる鍵ですか?」

「何処って…」


今まで鍵が掛かっている場所なんて無かった。ドアも窓も誰でも開けられるオープンな世界だったのだ。だから、鍵なんてもの無いものだと思っていた。そんなときにその世界の住人から「鍵」というワードが出れば、きっと誰だって驚くだろう。

だが、ノフィーは聞き返している獅戸に対して、僅かに眉を寄せて目を細め、軽く首をかしげた。


「あなた、もしかして…流浪の民?」

「ふぇ!?ち、違いますけど!な、何でですか!?」

「“じょう”といえば、罪人にかける記憶操作の魔法の刑の事、そして当然“鍵”はその魔法を解くためのものよ?これは一般常識で、それを知らないっていうと…」

「…いっぱんじょうしき…」


鷹司に続いて獅戸までも流浪の民に勘違いされた。それにしても、記憶操作の魔法解除に必要な“錠”を探してるっていうと…


「そ、その話は置いておいて。鍵が必要ってことは、誰か記憶操作されている人が居るってことですよね」

「え、えぇ。でも相手が誰かは…」

「言えませんか?大体想像つきますけど」

「…そうね。此処まで言ってしまったら隠す意味も無いみたい。それに…もしあなたが流浪の民ならば、この場所で誰よりも信頼できるし」


なんだろう?街中だとちょっと物騒なイメージだった流浪の民が、個人の話だと結構信頼できる奴らッポイんだけど。

そんなことを考えている獅戸には気づかず、ノフィーは話を始めた。もちろん小声で、埃を払い終わって今は棚をぬれたタオルで拭いている。


記憶操作された相手、その人物はサーロヴィッチ・スパルタク。…やっぱりな。

彼に術をかけたのは、奥さんのイーヴァらしい。これは確認したわけではないが、旦那の様子がおかしくなったのに気にもかけない事から怪しい、と思っているらしい。

2年前ジノヴィが失踪し、1年が経過した辺りで事件の事が薄れ始め、それを見計らってノフィーはジノヴィに協力敵だった者の力を借りて、この屋敷に入った。

使用人もスパルタクが健在だった頃に働いていた有能で“使える人材”を切って、イーヴァの身内や権力に媚びる奴等に入れ替えたりしていたので、その入れ替わりに混じる事が出来たのだ。


「旦那様は自室に篭っていらっしゃいますが様子が変というか…幼児化といいますか…言動がちょっと危なくなられて…」

「おぅふ。おじさんが幼児化…危ないね。危ないプレイみたいだね」

「様子が変わる前にちょっと風邪をひかれていたので、高熱による障害なども怪しんだのですが、最近になってやっと“錠”による影響だと判断できました」

「最近…結構時間掛かったわね」

「スパルタク様の部屋に行ける機会がなかなか無くて。それに行けても私は魔力が無いので、調べようもなく、外部に頼むにも信頼できる人が居なくて…」

「なるほど」


やはり、スパルタクは我侭な妻に抑えられていたようだ。鍵、とやらが何処にあるのか分からないが、それを見つけられてスパルタクが解放されれば、この問題を一気に解決に導けるだろう。


「ノフィーさんは奥さんが怪しいって思っているのよね?」

「えぇ。勘で怪しいと思っているだけだけど。確認するにも方法が無くて…」

「部屋を探してたの?」

「部屋?」

「そうよ。部屋に鍵があるか、奥さんが鍵を持っているか、探してみるのよ。鍵があれば証拠になるわ」

「…そ、そうか。今まで旦那様関係の場所しか見てこなかったわ」


この子アホの子!?

被害者の周り調べたって無駄じゃね?怪しい奴が自分の周りに隠してる可能性が高いって…思わないのかな?まぁ、鍵の無い生活してると、犯人の心理は読みにくいんだろうな。

とりあえず、目的地は決まった。後はいつ、どうやって行くかだ。


「探すのは良いのですけど…イーヴァ様の部屋には魔方結界がしかれているの」

「結界?…あぁ、これが防犯になるのか。どんな効果か分かるの?」

「詳しくは分からないけど、1つは中の物を持って外に出ようとすると警告音が鳴るみたい」

「それは厄介ね。鍵を見つけても持ち出せない…って事は、スパルタクさんを連れて行くしかないのか」


作戦の話が纏まりかけてきた。棚を拭き終わって床掃除をしながらも会話は続く。


「それで、鍵ってどんな形か…」


とりあえず探すには外観的特徴が分からないと困る。そう思ってノフィーに尋ねたときだった。


“コンコン”

「もしもし。此処は第3応接室であっているよね?」

「「!?」」


掃除中という意思表示のため扉は開け放っていたまま。声量は気をつけていたが、此処まで近づかれるまで分からなかった。開け放たれたドアの前に立ち、軽くノックをしてから声を掛けた人は従者と思われる人物を2人引き連れ、此方が何も答える前に室内に入ってきた。


「あ、いま掃除中なんだけど…」

「そのようだね、私の家でもこうやって掃除中は戸を開けて…」

「シル様、今はイベント前日で使用人は特に忙しいんですよ。だから明日まで待とうと申し上げましたのに」

「ラプシン、事は私達が思っていた以上に重大なようだ。もたもたしていたら、恩人の彼も帰らぬかもしれん」


思わず獅戸がタメ語で不服っぽい声を上げれば、ノフィーがぎょっとしてこちらを見た。恐らく、此処まで上がってこれる客は相当VIPらしい。だが、そんな事を気にした様子は無く、シルと話をしているラプシンを一瞥してから男性騎士のエフレムが1歩近づいた。


「掃除の途中でスイマセン、メイドの方々。下の人に声を掛けたのですが、少々忙しそうだったので此処まで入ってきてしまいました。急用がありまして、サーロヴィッチ・スパルタク様にお会いしたいのですが…」

「旦那様は幼児に…」

「用事?忙しいのは分かっています。それでも時間を作っていただきたいのです。取り次ぎをお願いします」


彼は今幼児中。

正直に言えないじゃないか。どうしよう?と獅戸が困った顔をしてノフィーを見る。彼女もどう対応するべきかと悩んでいた様子だったが、ハッとした顔をしてから掃除道具を置いて丁寧に頭を下げた。


「分かりました。旦那様を呼んでまいりますので、暫く此方でお待ちください」

「すまないね」

「いいえ、これが私の仕事ですので。…アンナ、道具を片付けてくれる?」

「え、あ、はい」


いきなり呼び捨て。ちょっとびっくり。

獅戸が掃除道具を持って準備して居る間に、掃除中で開けていた窓を閉め、邪魔なカーテンを縛っていた紐をほどいて形を整えたりしてから、一度応接室を退室した。お辞儀をしてからドアを閉めると、サッと身を翻す。


「これはチャンスだわ」

「え。チャンス?」


足早にノフィーは移動し、掃除道具を片付ける。途中で見かけたメイド仲間に、第3応接室に来客が居ることを告げて、お茶の用意をお願いすると、階段に足を向けた。


「私が呼んで来ます、とお客様に言ったわ」

「言いましたね」

「ちょっとこじ付けの部分もあるけれど、これで3階へ行く理由が出来た」

「あぁ、なるほど。…でもスパルタクさんは呼べないんじゃ…」

「あの人が誰か分からないけれど、此処まで誰の案内も無しに来たって事は…来た事があるはずよ。あそこは相当なVIPルームなの。ならば、奥様もないがしろには出来ないはず」

「奥様…奥さん呼ぶの?あ、誘い出す感じ!?」

「えぇ。私が呼んで、イーヴァ様を連れ出す。そして、あなたに部屋を探って欲しいの」

「私が!?」

「あなたは今日付けで私のペアになった。イーヴァ様もご存じないから、私が一人で部屋に伺っても何も思わないはず。私が奥様を部屋から連れ出した後、出来る限り見張りをするわ」

「で、でも鍵の形とか良く分からないけど…」

「サイズはさっき教えたわね?形は1本の棒の先端に丸い飾り、逆の端に垂直に棒が突き出ている感じで…」


口頭だけだと良く分からないが、獅戸の脳内では西洋風でレトロ鍵が思い出された。…って言うか、鍵って言うとこんなイメージなんだよ。これで良いのか?先入観って奴じゃないだろうか?


「分かった。でもノフィーさんが探した方が効率よくない?」

「主が部屋を空ける時、付き人が1人部屋の前に立つの。これが主が帰るまで誰も侵入してませんという証拠になる」

「へぇ…門番ってわけね。人件費がかかりまくりだわ」

「じ?…とにかく、イ―ヴァ様が出たら誰かが部屋の前に立たなくてはいけない。それを私がやるわ」

「そうですね、新入りの私よりはノフィーさんの方がいいかも。…自信無いけど…探してみるわ」

「あまり気負わないで。鍵そのモノが無くても良いわ。怪しい隠し場所を絞るだけでも十分よ。だから…焦らないでね?何も結果が出なくても、見つかって失敗するよりは良いのだから」

「うん。期待しないで待ってて」


そう言って2人はお互いに顔を見合わせ、頷きあった。

そして…


“コンコン”


「イーヴァ様、失礼します。お客様が第3応接室においでです」

「第3応接室に…誰?」

「申し訳ありません、存じ上げない方です」

「使えないわね!報告に来る前に聞いておきなさいよ!」


そう言いながらイーヴァ付きのメイドがガチャリと戸を開けると、1歩踏み出して廊下に出てきた。結婚前は美人って聞いてたけど、今は厚化粧の気の強そうなおばさんだ。…時の流れって怖い。その様子を離れたところの柱の陰から獅戸はこっそり見守る。

…私、無理だ。ああいうおばさん、苦手。


「スイマセン。ですが、お付きの方に「シル様」と…」

「シル?…スパルタクの知人で、シルですって?…まさか…」


正式な名ではないだろうが、客人の愛称だけで顔色が変わった。

一人でつかつかと歩き出したイーヴァ、それを見送ろうとしたお付きのメイドにそっと声を掛ける。


「ご主人様がお出かけですよ。ついていかなくてよろしいの?」

「あ、そうでしたわ。でも…いけない、謝肉祭でのお召し物が散らかって…」

「私がここで立っておきます。どうぞ、着いていって差し上げて?」

「あらホント?…そうね、分かったわ」


そういって簡単に片付けてからイーヴァの後を追いかけていくメイド。3人。

3人居て、全員が出るのか。どうやら、扉の前に立つ仕事は、いつ主が帰ってくるか分からないから、退屈で大変な仕事で人気無いんだとか。

やっぱ誰か鍵開発しろよ…なんて考えるが、今回ばかりは好都合。

ノフィーが室内を確認して人が居ない事を確認すると、その視線が此方に向けられた。それを確認して、獅戸は小さく頷くとサッと部屋に飛び込んだ。

年末年始は忙しいので、次の更新は年明けを予定。

多分6日とかそこら。

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