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一本の輪ゴム

作者: 梅子

初投稿作品になります。稚拙な文章ではありますが、短くなっておりますので最後までお読み頂ければ幸いです。

電車に乗っているとき、ふと前に立つ男性が輪ゴムを落とした。落ちた瞬間は見ていないが手元には名刺の束のようなもの。恐らく彼が落としたものだろう。

距離にして一歩半。届かない距離ではない。でも二人の間には一人の男性が立っている。


どうしよう…


良いことをするのは気持ちがいい。でもだからといってゴミかもしれない輪ゴムを拾うのか?

拾って渡したら「私のじゃない」と言われるかもしれない。輪ゴムじゃ個人の所有物かただのゴミなのか判別もつきづらい。

それに彼の手には既に一本の輪ゴムがあるではないか。ここはもう少し様子をみるべきか。でもゆくゆくは拾うか渡すかしなければ列車内にゴミを残すことになる。


ううん…


この間約1分。


そしてさらに悩むこと10分。

私の優柔不断には定評がある。


小さな英雄になるのか傍観者に留まるか、同じことをぐるぐると考えていた私の前で自体は動いた。

なんと彼が輪ゴムを拾ったのだ。まるで悩む私を嘲笑うかのように鮮やかな手つきであった。


あぁ…よかった。


でもあの葛藤は何だったのだろう。情けない、ちょっとの勇気がこんなに難しいものだったなんて。そこでふと気づく。




あぁそうか、だから今私は無職なんだ。



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