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スポンサー

この世の中には冒険者と呼ばれる小汚い連中がいる。

一攫千金を夢見て洞窟や廃墟、果ては墓などを漁るネズミのような…いや、まさしくネズミ人間どもだ。

そんな社会のダニどもに仕事を斡旋してやるのがアドベンチャーギルドの役割だ。

依頼は大別してギルドからの依頼、スポンサーからの依頼、王国からの依頼、民間業者からの依頼だ。

ギルドの依頼とは言うまでもなくアドベンチャーギルドが独自に収集した情報を元に宝が眠るとされる場所にダニどもを向かわせ取って来させる。

スポンサーからの依頼とはギルドに資金提供してくれている様々なスポンサーからの依頼。

金を出す方が何を依頼するのかって?。

それは冒険者達に賭けられた金だ。

スポンサーサイドは冒険者達を使って遊びをする。

危険な仕事に向かわせ誰が生きて帰ってくるかの賭け。

または誰が死ぬかを賭ける。

そういうギャンブルもあればお気に入りの冒険者に金を出して冒険させて楽しむソフトな楽しみ方もある。

スポンサーそれぞれだ。


俺は正装で迎える。

来たのは貴族のお嬢様だ。

年齢は17歳。

とある上級貴族の令嬢だ。


「相変わらず薄汚れた場所ですね」

「申し訳ありません、何せ底辺な場所なもので」

「入浴もしていない下賤なる者達の臭いが酷いですね」


お嬢様は口元にハンカチを当てて抑えながら嫌そうな顔をした。

ダニ共は口も洗っていないので口臭もまた酷い。

ゲロが出そうな臭さだ。

実際に吐きそうになる程の悪臭を放つゴミ共も存在している。

体も臭ければ口も臭い。

髪も洗っておらず切ってもおらず、ボサボサの頭から漂う臭い。

服もヨレヨレ、ボロボロに穴もあちこち開いている。

その服も洗っておらず汚い。

ギルドから支給された剣も手入れしておらず、鎧も泥や埃だらけ。

まさに見れたもんじゃないほど酷い


「ガルチェンは?」

「死にました」

「死体は?」

「こちらです」


魔獣との死闘。

まだ若い14歳の冒険者ガルチェンの死。

お嬢様が推していた若者。

お嬢様の配慮で武具等の装備一式は小汚い冒険者ではそうそう身につけられないほど結構高額の立派なものだ。

お嬢様のお気に入りなので当然だが身なりもそれなりに小綺麗に仕上がっている。

そのガルチェンが死んだ。

魔獣にズタズタに体を引き裂かれて死んだ。

ちなみにガルチェンには他に三人の仲間がいた。

お嬢様の配慮でそのくっ付いているダニ共にも同じく配慮がなされた。

ただしお嬢様の目的はガルチェンだけだ。

そいつらも魔獣に殺されたが現地に放置してある。

ギルドスタッフがガルチェンだけをここに運んできた。

その目的は…


「ああ、ガルチェン…」


柩に納められたズタズタにされたガルチェンの死体を見ながらお嬢様は愛おしそうに隅々まで眺める。

推しの血まみれの死体を愛でる事。

お嬢様の趣味だ。

ゴミの最後にしては贅沢だろう。

何せカスの冒険者無勢では普通なら着られない服も手に入らない武具も装備品も身につけられて食事もネズミが食うような物ではなくマトモな人間が食う物を与えられたのだがら。

お嬢様の趣味のために死ねたのだ。

本望だろう。

三匹のダニの一人は少女だったが比較的顔は良かったのでギルドとしては娼館に売っぱらわれなかったのがもったいないトコロだが、それはそれである。

お嬢様から入ってくる金額に比べればネズミの糞ほどの価値もない。

ネズミの糞以下がお嬢様の遊びに加われたのだ。

光栄に思うべきだろう。


ひとしきり死体を愛でたお嬢様は満足した顔を見せた。

ギルド側の仕事はこれで終わりだ。

そしてまた始まるだろう。


「うふふ、次は誰にしようかしら♡」

「リストをご覧下さいませ」


若い男の冒険者の顔絵が描かれた紙の束を差し出す。

この中から選ばれた若い男が実際に実物を見てお嬢様のお気に召せば次なる犠牲者はソイツである。




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