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ブラックアドベンチャーギルド

この世の中には冒険者と呼ばれる小汚い連中がいる。

一攫千金を夢見て洞窟や廃墟、果ては墓などを漁るネズミのような…いや、まさしくネズミ人間どもだ。

そんな社会のダニどもに仕事を斡旋してやるのがアドベンチャーギルドの役割だ。

依頼は大別してギルドからの依頼、スポンサーからの依頼、王国からの依頼、民間業者からの依頼だ。

ギルドの依頼とは言うまでもなくアドベンチャーギルドが独自に収集した情報を元に宝が眠るとされる場所にダニどもを向かわせ取って来させる。

王国からの依頼は主に魔獣退治が含まれる。

遥か昔魔王と呼ばれる魔獣の王がいた時代に溢れたモンスターども。

野生化して土着し森林や山岳地帯にいるが度々人間を襲ったりする。

世代交代により魔獣も昔に比べれば弱くなった。

しかしダニどもが勝てるかと言われれば死ぬ事が多い。

死んだトコロでアドベンチャーギルドは関与しない。

あくまで依頼を渡し仕事を成功させれば金を払う。

極めて低い報酬だ。

しかし頭の弱いダニどもはその報酬のために命を賭ける。

世の中には頭が足らず体力だけで生きている馬鹿が実に多い。

そういう馬鹿を使って利益を上げるのかアドベンチャーギルドだ。


「魔獣退治だ、どうする?」


アドベンチャーギルドのスタッフ、つまり俺は椅子に座りアホ冒険者達を見上げる。

アホ面を下げた四人の冒険者達。

チーム名はエッデイ

名前にどういう意味があるかなんて知らないが。

俺の名前はバール。

四人のグループリーダーの男、そして男、男、女だ。

四人とも疲れた顔をしている。

借金漬けにして休みなくこき使っているからだ。

衣食住、人間に必要なのはこれだ。

食わなければ餓死するし住む所がなければ路頭に迷う、武具一式もアドベンチャーに必要な道具類も全てギルドが高額で貸し付けているものだ。

高額で食わせる、高額で豚小屋に住まわせる、高額で貸し付ける。

食う食糧も食える場所も小汚い連中に提供する店はない。

住む場所も毎月の金がキチンと払えない連中に貸す奴はいない。

武具も備品もギルドが提供しなければ手に入らない。

そうやってがんじがらめにしてこき使う。

使い物にならなくなったダニどもがどうなるか?。

それは様々だ。

男は更に過酷な労働場所に売り飛ばし、女は売春宿行きが定番だが。


「行きます…」


疲れきったダニが言う。

当然借金漬けで断る事はできない。

俺はタバコを取り出して今回の魔獣退治をダニどもに説明した。

紙に書く?。

このダニどもには必要ない。

何せ文字を読めないし書けないのだから。

文字の読み書きは中級より上の民や貴族や王族に限られる。

俺?。

俺は管理職として必死に勉強した。

そのお陰で今はダニどもの上に立っている。

何度か同じ事を話して仕事を頭に入れさせる業務。

馬鹿に間違いなく覚えさせるのは骨が折れる。

風呂にも満足に入っていない小汚いゴミ共と同じ部屋の空気を吸うのはそれだけで吐き気がしてくるが仕事なので仕方ない。


「分かったな?」

「はい、分かりました」

「よし、本当に分かったかもう一度教えた事を言ってみろ」


再度の確認。

実はこのダニ共にはギルドスタッフの付き添い人が一人つく。

当然だ。

ダニだけで現地に送れない。

指揮はこのギルドスタッフが行うが事前にこのクソ共にも魔獣退治の詳細は頭に入れさせないとならない。

というかあくまで見届け人であり魔獣退治には加わらない。

ここでコイツらが死ねばスタッフが報告して新たなグループを魔獣退治に向かわせるだけだ。


「ふー」


俺はタバコを吐き出す。

むさ苦しい男三人と貧相なナリの女。

この女を売春宿に売り飛ばしても二束三文レベルだろう。

ならばできるだけこき使って消耗させる。

消耗品でしかないのだから。

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