昭和世代が、令和の若者を「かわいそう」に感じること
「昭和に戻りたいか?」と聞かれたら、私の答えは迷わず「No」です。それだけ令和の若者たちは、素晴らしい文明の恩恵を受けているからです。
しかし、そんな恵まれた環境にいる若者たちに対して、ひとつだけ「かわいそうだな」と感じることがあります。
【「がむしゃらに働けない」現実】
それは、「若いうちにがむしゃらに働くことができない」という現実です。
労働基準法の規制により、体力も気力も充実している若い時期に、思い切り稼ぐことがほぼ不可能になっています。
残業での収入アップが制限されているだけでなく、「アルバイトの掛け持ち」も企業の副業禁止規定や労働時間管理の複雑さから難しくなっています。
・住宅購入:奨学金返済も残っているのに、家を持つなんて無理
・結婚・子育て:子どもができても養えると思える収入が得られない
・起業資金:若いころに資金を貯めて起業するなんて夢のまた夢
昭和の時代は残業代でしっかり稼げて、さらにアルバイトを掛け持ちして収入を増やすことも当たり前でした。しかし今はそれらの選択肢が大幅に制限されています。
【 政策の矛盾】
ここに大きな矛盾があります。
政府は「副業・兼業の推進」を掲げ、働き方改革の一環として副業を推奨しています。しかし実際には、労働基準法や企業の就業規則という足かせが存在し、若者が自由に働くことを阻んでいるのです。
「副業をやりなさい」と言いながら、「でも法的制約があるからできません」という状況は、あまりにも理不尽ではないでしょうか。
【規制強化の背景も理解はできるが】
もちろん、これらの規制が生まれた背景には、昭和時代の過酷な労働環境で心身を壊し、中には自ら命を絶つ人々が出てしまったという深刻な問題がありました。労働者を守るという観点から、規制強化は必要だったのも事実です。
しかし、「自分の意志で頑張りたい若者まで一律に制限する」必要があるのでしょうか。
【 企業側も苦しい現実】
企業側も同様に厳しい状況です。
仕事量の波を残業で調整できないため、ピーク時に合わせて人員を配置せざるを得ません。結果として無駄なコストを許容せざるを得ず、それが賃金アップの足かせになっているのが現実です。
【 今こそ見直しが必要】
このような状況を見ていると、労働基準法の見直しが早急に必要だと感じています。
若者が自分の意志で、自分の未来のために頑張れる環境を作ることが、本当の意味での「働き方改革」なのではないでしょうか。