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スマイル独占禁止法なんてクソ喰らえ!  作者: 高朋(こうほう)
第三章『シブヤ事変・混沌』
9/32

08 4人で笑おうぜ!

ソラの仕事と言えば…

その頃、ソラとキラリンの家では、こんな言い争いが勃発していた。


「ねぇソラ。最近、残業増えてない?大丈夫?」


「あぁ、ここのところ立て続けに退職希望者が出て、

人手不足なんだよ。

忙しくて、家の事はキララに任せっきりだよな。

ごめんな。まだキティも小さいのに。」


「まぁ、家の方は何とかなってるけど…

あのね?怒らないで聞いて欲しいんだけど…

ソラも転職したらどうかな?まだ若いし、仕事は他にも

たくさんあるでしょ?」


「え?今、人手不足って言ったの、聞こえてなかった?

これ以上人が減ったら、出動に支障をきたすレベルなんだよ。

それがどういうことか…人の命に関わるかも?って知ってるよね?

それに、消防士は俺の天職なんだ。」


「でも!人手不足で残業って…!それこそ消防士は命懸けの仕事なんでしょ?

ソラに何かあったら、どうするのよ?


それに…世の中もっと楽して稼いでいる人もいるんだよ?」


「なぁ…楽してって…それ、もしかして“ニコ活”ってこと?俺の仕事だと、加点がないから転職をすすめてんの???」


「…ウチはっ!今仕事に行けないし…

だから“ニコ活”を頑張ってる。色々工夫して、加点を増やして、貰った“マイカポイント”を生活費に充ててるんだよ。

ウチらのマイホームの夢のために、そうしてんの。

コスモと二人分でもそれなりに収入になって…」


「コスモ?まさかコスモにも“ニコ活”させてるの?まだ子供なのに?」


「だって!子供の方が周りの反応がいいって、テレビの特集でやってたし。

実際ウチとコスモだと、コスモの方が加点ポイントが全然高いのよ?」


「キララ!!!

“ニコ活”のためにコスモに笑顔を作らせるって…

それは自然な感情をねじ曲げてるのと変わらないよ?

まだ分別のつかない子供に、周りの空気を読め!感情に蓋をしろ!って言ってるようなものだ。


キララはコスモが大人の顔色をうかがう子供にしたいの?そうじゃないだろう?」


「ウチはただ…コスモは体がそんなに丈夫じゃなかったから、保育園に預けて働くとかもできなかったし…

頼れる人、ソラしかいないし。

コスモと2人、家にばっかり居て…それは嫌ではないけど、キティも生まれて…


ウチでも出来ることなんかないかなって…

ソラは忙しいし、心配だし、だから、だから…」


「キララ…」


カラランコロロン…


「あぶぶぶぅ〜」


「ん?あぁ、キティ、おっきしたのか。ご機嫌だな。」


「あ…そろそろミルクの時間だわ…

準備しないと…」


「あ、いや…ちょっと待って!

キララ、こっちきて。静かに、そーっと。」


「え…?なに…??」


見るとキティは、ベビージムに付いている人形を短いあんよで蹴飛ばして、音を出していた。

そして音がでると満足そうにバタバタして…

「あぶぶぅ〜」って声を出して……笑った。


「「なにこれ!超エモい…!!!」」


「ソラ…ごめん…。

コスモにも、こーゆう時があったよね。

嬉しくて尊くて…毎日めっちゃ幸せで!」


「そうだな。ほんの2年前なのに、毎日の生活に追われてて、忘れてたな。

キララ!俺の方こそごめん!!!

でも“ニコ活”はもう…」


「しないよ。約束する!ウチらの可愛いコスモとキティの笑顔は、むやみに見せびらかさない!

まぁ、見せても減らないけどさ?もったいないもん!

それに、2人には、いつも笑ってて欲しいよ。」


「ん?2人だけか??

どうせならさ、家族4人で笑おうぜ!」


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