スマイル独占禁止法なんてクソ喰らえ!・特別編 1年後のシブヤより愛を込めて
ケンゴの肝入りの政策、『首相に一言!』へは、日々国民からの色々な声が届くようになったのだが……
中には、
【首相!うちの娘とお見合いしませんか?】
【あなたの真摯な姿に心を打たれました、私と結婚を前提にお付き合いしてもらえませんか?】
などという、#首相に婚活!みたいな写真付きの投書や投稿が多数あって、ケンゴは人生初のモテ期?を迎えているのだった。
「一体私のどこがいいのかね〜?
あれからずっとスキンヘッドだし、もう、アラフィフだよ?私。一生独身でも良くない??」
そう言いつつも、届いた声には全てちゃんと自ら目を通すケンゴの机の上には、本日分の投書と投稿、電話の内容などをまとめた書類が山になっている。
その傍らでは、エージェント・シンノスケが、投稿の内容を見て、必要に応じて、返信をする準備を進めていた。
【我が家に家族が増えました。名前を付けて下さい。】
この投書には、可愛い子猫が5匹の写真付き。
「ねぇ……コレは私の仕事なの???」
「猫ちゃんの人気の名前ランキングから、幾つかこちらで抜粋しておきますね。そこからお選びになったらいかがですか?」
「うん。なるべく可愛いのでお願い……」
はぁ〜いいんだけどね?もう、人だけじゃなく、ワンちゃん、ネコちゃん、小鳥ちゃんの名付け親にもなっちゃってるんだよね、私。
名前って初めてのプレゼントだから、ちゃんと考えてつけてあげたいし、悩むんだよねぇ……
まあ、流石に戒名を頼まれた時は、丁重にお断りしたけど。
私の時間も1日24時間なんですよ。皆さんご存知ないのかな?
いや、いっそ、名付けアプリとか開発してもらおうかーー
なんてね。
さて、お次はっと……
【シンママです。“スマ活”がなくなって生活の先行きが不安でしたが、新しい助成金のお陰で親子二人、笑顔で暮らせています。首相、ありがとうございました。】
この投稿には、幼い少女と女性が、笑顔でピースする写真が貼付されていた。
「おぉ〜!いいねぇ!
こーゆーのだよ!私が欲しかったのは!!
見てよ!この2人の弾ける笑顔!!!
めっちゃ癒されるわぁ〜
ん……?
この顔……どこかで見たことが……???
あああああああああああああああああ!!!!」
「ケ、ケンゴ???どうした??
おい!!!しっかりしろ!!!
その写真がどうかしたのか???」
「この2人……あの日のテレビの親子だわ……
間違いない!!!
この女性のインタビューをみて、笑顔がチカラになるって知ったんだわ、私。
マジか……」
「返事は……どうする?定型文で返すか??」
「いや、私が書く!」
【お二人の笑顔の写真とメッセージをありがとう。
本当の、本物の、心からの笑顔に、私もパワーをもらいました。
他にも何か、お困りごとがありましたら、遠慮なくご連絡下さい。
ケンゴ】
「ほぉ〜なるほど……ふぅ〜ん……」
「ちょ!なんだよっ?!この文じゃおかしいって言うのかよっ?!」
「いや〜そうじゃなくってさ〜
なぁ、ケンゴ。お前さ……この彼女に惚れただろ???
相変わらず、わっかりやすいなぁ〜ホレホレ!!」
「はっ???いやいやいや、何言っちゃってんの??
ちげーし!!!!」
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スマイル騒動から一年後
シブヤ駅前の巨大ビジョンでは……こんなニュースが流れた。
【速報です。日ノ本の国の首相・ケンゴ氏が、先程、御家族三人お揃いで、婚姻届を提出・受理されました……】
そして画面には、デレデレの笑顔の首相ケンゴと美しく輝く新妻の笑顔。そして、二人に手を繋がれた可愛らしい少女の、幸せそうな笑顔の姿が映し出された。
「うわっ!マジか!!!首相やったな!!」
「あはは!まさか、ウチらとケンゴの入籍日が一緒とか!
マジウケるぅ〜!!
そういえばさっき、区役所前がやたら物々しい感じだったけど、コレだったんだね〜」
「テレビとかも来てたもんなー」
「ウチらもケンゴ一家も、みんなハッピーで……
今日もいい日だねっ!」
信号が青にかわって、ウチら二人は一緒に歩き出す。
手を繋ぎ、笑顔を浮かべて。
おしまい♡
『スマイル独占禁止法なんてクソ喰らえ!』の後日談となります。
最終章でエンドマークをつけたのに、ケンゴが「放置プレイすんなー!」ってうるさくて……
これで本当に終了です。
お付き合いありがとうございました。
皆さまの毎日に、たくさんの笑顔が溢れますように!




