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23 カウントダウン
全ての準備は整った。
今は11時55分。
決行の正午まであと5分。
PCの前に座るアユの髪が、ふんわりと窓からの風に靡いている。
スマホにはXXのアプリが表示され、もう、ポストするだけの状態にしてある。
あと3分。
アユの指が、マウスに触れそうで触れないところで泳いでいる。
緊張しているのか、時々手を握ったり開いたりを繰り返している。
あと1分。
アユの背中が、マウスを掴む手が、小刻みに震えているのが、後ろから見ていてもわかる。
この震えはたぶん、アユの覚悟の現れ。
いわゆる武者震いってやつだろう。
朝から心ここに在らずのアユの様子に、動画の投稿は俺がやろうか?と聞いたら、アユは「ウチがする。」とハッキリ言った。
そんなアユに俺に出来ることは……
あと30秒。
アユの震える背中をそっと抱きしめて、マウスに乗せたアユの手に自分の手を重ねる。
「アユ、カウントダウンすっか?
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0!!」
カチリ
先ずはYouTru、次にTikToxicとInstaGloom
にそれぞれ準備にしておいた動画を上げていく。
XXのポストも完了。
賽は投げられた。




