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スマイル独占禁止法なんてクソ喰らえ!  作者: 高朋(こうほう)
第五章『シブヤ事変・脱出』

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16 これは愛の逃避行……なのか?

彼ピから水のペットボトルを渡され、座って待つように言われた。部屋を出て行った彼ピは、しばらくしてウチの息がようやく整った頃に、ある人と共に戻ってきた。


「よぉ〜アユちゃん、おひさ〜!今聞いたけど、監視対象になっちゃったって?」


「あ、ども。お久しぶりです。あの時はありがとうございました。

監視対象……なっちゃったみたいです。」


この人はここのカフェに勤める彼ピの先輩で、ビックスクーターを貸してくれたリョウさん。

前はよく一緒にご飯とかしてたけど、“ニコ法”騒ぎ以降、会っていなかった。


「バイクは自由に使っていいよ。

ただ、今ここにないんだ。週末に弟が乗って、そのまま実家に置きっぱだから。

どうやって取りに行く?俺はちょっと抜けらんないからさ。」


「リョウさん、面倒に巻き込んじゃって…ごめんなさい。」


「いーの、いーの!コイツさ、有給余ってるから、消化させるってことにしとくし。

ここのことは心配しなくて大丈夫。


アユちゃん…このまま逃げるだけじゃなくて、何かするつもりなんだろ?コイツと。

俺は二人の味方だかんな?俺に出来ることは、何でも言ってこいよ?

俺もいいかげん、あのキモい“スマイルゾンビ”には辟易してるし!


それにさ〜“愛の逃避行”って、なんかこう、ドキドキするっーか、カッコイイじゃん?

…頑張れよ!」


「ありがとうございます。リョウさん!」


「おぅよ!じゃ、俺は店に居るから、何かあったら声掛けてー」


「リョウさん!色々お手数をお掛けして申し訳ありません!店の事も…忙しい時なのに…

ありがとうございます!感謝してますっ!!」


「おぉ〜戻ったらまた、こき使ってやっから、気にすんなー

アユちゃんを守るんだぞ。期待してっからな!」


そう言って彼ピの肩を叩くと、リョウさんは二カーッと笑って出て行った。


「リョウさんってさ……

めっちゃいい人〜!神〜!惚れそう!!」


「惚れんな!許さん!」


「はははっ!でも本当にいい人だよね。

はぁ〜何かさ、ほっとしたよ。

わかってくれる人、いたんだね。」


「うん。懐が深くてさ、俺もリョウさんは憧れる。

アユの事情も、俺らの気持ちもすぐに理解してくれて、ホント頭が上がらないわ。

マジかっこいいよな。」


「惚れんなよ〜??」


「惚れるか!!!」


「そういえばさ〜さっきはホントにびっくりしたよ?感動の再会〜!と思いきや、いきなり猛ダッシュなんだもん。へっ??ってなったわ。」


「だな!俺もあのドローンを見るまでは、交差点のど真ん中でうっかりアユにハグとかしちゃいそうだったわ!」


「してよかったのに…」


「はっ!ねぇわ!文句はドローンに言えよ??

あ、そうだ。今のうちにアユも店に連絡しとき?

しばらく戻れないと思うよ?」


「あ、うん。そうだね。そうする。」


「俺も心当たりに連絡してみるわ。バイク取りに行かないと!」


そう言いながら、彼ピは外に出て行った。もしかしたら、ウチに気を使ってくれたのかもしれないな。


ウチは勤めている店に電話して、警告書とドローンの話をし、休みをもらえるか聞いてみた。

シフトに穴をあけるのは、本当に申しわけないし、クビになっても仕方ない理由だから、それも覚悟をしていた。

それなのに店長は…

「いつかそうなると思ったわ〜」って笑いながら言ってくれた。それから「アユミを信じてるし応援してるから。」って。

あぁ、ウチは周りの人に恵まれてるな。

本当にありがたい。


そうこうしているうちに、彼ピが戻ってきた。


「今から迎えがくるよ。だいたい1時間後に出発だ。アユ、店の方は大丈夫だった?」


「うん!クビにならずに済んだよ。応援してるって言われたわ。」


「そか、良かったな。そうそう、迎えに来るのはソラ達だ。リョウさんの実家まで送ってくれるってさ。」


「えっ?キラリンも…?」


「ん。でももう、大丈夫だよ。

2、3日前かな?ソラから電話が掛かってきたんだよ。“ニコ活”の件でキラリンと言い争いになったって。」


「そうなの?その話、初耳なんだけど…?」


「おいおい…

俺ら、さっきまで冷戦中だっただろ?

言うヒマなかったわ!」


「あ…そか。ごめん…」


「でね、お互いの考えをぶつけ合って、でも、ちゃんと解決したみたいだよ?

アユがこの前急に帰ったのも、このせいだったんじゃないか?って気にしてた。」


「あ、うん…まぁそうだったね。で、ソラは何て?」


「うん。キラリンはもう“ニコ活”はやめたって。可愛いコスモとキティの笑顔は家族の宝物ですから…だってさ。」


「あぁ…そうなんだ!よかったぁ〜!!!」


「そうだな。さっき連絡したらさ、アユの為ならすっ飛んでくるってさ。

持つべきものは信頼出来る仲間だな。」


「うん。もう、感謝しかないよね…

で、ウチらはこれからどうしよう?

国会にでも乗り込んじゃう??

今なら何でも出来そうな気がするんだけど?!」


「あはは。それ、アユならマジやりそうだな!

でもそれじゃ、俺ら一発アウトだわ!」


…こんな風にふざけあって笑いあって。うん!

これがウチららしい!

…だけど、今ウチは確実に監視対象で、これからやろうとしていることは、いわゆる法に触れるという行為になると思う。

これに協力してくれたみんなは、なんちゃらほう助罪?とかになっちゃうんじゃない?

リョウさん、店長、ソラとキラリン、そして彼ピ。もしかしたら、家族にも迷惑をかけちゃうかも知れない。

突っ走っていいのかな?失敗したら、確実に犯罪者だ、ウチ。

覚悟は決めたはずなのに、まだ迷う。まだ悩む。


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