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アナスタシアの試練②

ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記ファンタジー

「母様!もう一度行きましょう!魔法がダメでも私達には剣があります!」

「…行くしかないわね。」

「イリス様、もう一度身体強化お願いします!」

「分かったわ!リフレクション!」

再びアナスタシアとベルナデッタはリヴァイアサンへ向かっていく。

2人はリヴァイアサンの攻撃を掻い潜り、攻撃のチャンスを狙う。

「セレナーデ」

ベルナデッタは至近距離からの無数の氷の花を爆発させる。

その隙にアナスタシアはリヴァイアサンに向けて剣を走らせる。

「氷葬剣プレリュード」

最も基本の技だったが、氷を纏った剣は確かにリヴァイアサンにダメージを与えた。

「やっぱり!」

アナスタシアは確信をした。先程の攻撃でダメージを与えられたのはセレナーデでは無く、プレリュードだった。

(氷魔法じゃ歯が立たない。剣術だけでは鱗を切り裂けない。だとしたら…もうこれしか無い!)

アナスタシアとベルナデッタは顔見合わせてプレリュードに切り替えて攻撃を重ねる。

「プレリュード…百花繚乱」

ベルナデッタは氷を纏った剣の連撃を浴びせ、リヴァイアサンを削っていく。

しかしリヴァイアサンもベルナデッタに反撃し、ベルナデッタは弾き飛ばされ壁に激突する。

「が…は…」

「母様!!」

(プレリュードじゃやっぱり決定打にはならない。また私は何も出来ないの?誰も守れないの?もっと強く!もっと早く!)

「母様!私にコンチェルトを打ってください!」

「何を…」

「私を信じて!」

「わかったわ…」

「イリス様!私にウォータープルーフをお願いします!」

「うん!」

イリスはウォータープルーフをアナスタシアにかける。

「この一撃に賭けます!」

「イリス、私達はリヴァイアサンの動きをなるべく止めましょう。いけるかしら?」

マイア神官長も呼応する。

「やってみます!」

「では、母様!私にコンチェルトを!」

「…氷葬剣コンチェルト!」

ベルナデッタはアナスタシアに向けて氷の剣撃を放つ。

(私1人の力が無理でも…!)

アナスタシアはベルナデッタのコンチェルトを自らの剣で受ける。

「くっ…」

「アナスタシア!!」

「負け…ない…!!」

「イリス!今よ!!」

「バインドチェーン!!」

イリスとマイアが2人掛かりでバインドチェーンでリヴァイアサンの動きを止める。

「これが私の答え…氷葬剣奥義レクイエム!!」

アナスタシア自身のプレリュードにベルナデッタのコンチェルトを乗せた氷の剣を無数の斬撃に変え、走り抜ける。

その斬撃の速さゆえの無音の氷の剣撃。そしてその斬撃の跡に一輪の氷の花が舞い、一瞬で凍りつく。

あの大きなリヴァイアサンが氷漬けになって動かなくなった。

『見事だ。仲間を信じ、自分を信じる。これが汝の意志の強さか。』

「強くなりたい。それは私の傲慢だったのかもしれません。1人で強くなろうとするのでは無く、仲間を信じる強さ。そしてその力こそが私を強くするんだと気づきました。」

『その答えがレクイエム…か』

「はい。」

『良かろう。汝にセレーネの祝福を。』

リヴァイアサンは光と共に姿を消した。

すると祭壇の裏にある滝が割れて奧へと続く扉が現れた。

「アナスタシア、行きなさい。」

ベルナデッタがアナスタシアの背中を押す。

アナスタシアが頷き、扉を開くと蒼く輝きを放つ剣を手にしたセレーネの女神像が姿を現した。

アナスタシアはそっとその剣に触れる。

『汝、フリューゼルを手にする乙女よ…』

「え…」

『我の名はセレーネ。汝の覚悟に答え、この天翼の蒼剣フリューゼルを与えよう。』

「ありがとう…ございます」

『清らかな意志…それは誰かを守りたいと思う純粋な意志。それを忘れないように…』

「はい。心に刻みます。」

『暁の巫女と世界を守るの…。我はいつでも水の乙女を見守ると約束しましょう。』

「ありがとうございます。」

水の加護を持つ天翼の蒼剣フリューゼル。深い海のように蒼く輝く刀身に幾重にも重なる白銀の美しい翼の装飾。

「軽い…」

アナスタシアは愛おしげにフリューゼルを見つめる。

「ついに手にしたのね。」

ベルナデッタが声を掛ける。

「はい。皆んなのお陰です。」

「そして私も会得出来なかった氷葬剣の終末まで辿り着くとはね…。よくやったわ!私も誇らしいわ!」

「母様…」

「アナスタシア、おめでとう。」

「イリス様もありがとうございました。」

「イリスもイリスで急成長だったわね!」

「ありがとうございます、ベルナデッタ様。」

「まさか教えてすぐ使いこなすとはね…神官としては私を越えたと思うわよ。」

「マイア神官長のご教示のお陰です。」

「これで貴女達のパワーアップミッションは完了ね!ひとまず戻りましょうか。」

ベルナデッタはアナスタシアとイリスの頭を撫でながら笑う。

そして4人は神殿へと戻っていった。


神殿に戻り、ベルナデッタが今後について話す。

「ひとまず母さんもお父さんと合流しなきゃいけないからオルフェリア王宮まで一緒に行くわ。マイアは?」

「私は引き続きここに残ります。邪教の襲撃に備えないと。」

「マイア叔母様、お付き合い頂いてありがとうございました。」

「いいのよ!ベルの娘は私の娘も同然よ!いつでも頼ってね。」

「ありがとうございます。」

「イリスもまた顔見せに来てちょうだい。暁の巫女になっても貴女は貴女。私の弟子よ。」

「ありがとうございます。」

「流石に戦闘して疲労もあるから一晩ここに泊まって、明日王宮に向かいましょう。」

こうして無事にアナスタシアの試練を終え、マイア神官長を残してイリス達はオルフェリアに向かったのだった。

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