帰省のひと時
ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記。
「父さん、只今帰りました。」
「怪我はないか?」
「はい。大丈夫です!」
「アナスタシアは大事ないか?」
「はい。お父様もお元気でしたか?」
「皆もご苦労だった!まずは座って話そう。」
俺達はトラキアでの事、シレジアでの事を父さんに説明した。
母さんからは今後の4カ国同盟…オーロラ同盟についての進捗が報告された。
「なるほどな。これからはこちらが先に動くか、帝国側が先に動くか…」
「そうね。戦局は動き始めたら恐らく決着までもつれる…。その為には出来る限りの準備を整えておく必要があるわ。だから私はアナスタシアとイリスとセレーネ神殿に行こうと思っているの。その間にあなたはゼニス達を連れて王宮に行って同盟の約束を取り付けて欲しいのだけど…」
「分かった。恐らくそれが最適解だろう。陛下には私から奏上しよう。」
「助かるわ。」
「帝国もカエサルがトラキアから追放された時点で次の策は練ってあるはず。北で戦闘をしている間に帝国側からシャインナイトでも投入されれば我々は挟み撃ちにされてしまう。そこを逆手に取れれば勝機は見える。」
「帝国側にはオルフェリアのロイヤルナイトを、シレジアにはトラキアのランスライトを援軍に出せれば戦局はこちらに傾く可能性があるわね。」
「ただシャインナイトはただの騎士団では無いからな…底が知れない。それに邪教の勢力も出てくれば戦力は強大。」
「もう少し帝国側の情報も欲しいわね…」
両親の会話の内容がハイレベル…。この人達の現役ってどんな生活送ってきたんだろ…?
「俺達はとりあえずアルテナに向かいます。」
「私がアデル兄様に同盟を取り付けるよう進言して参ります。」
「俺達はその後、ドワーフの村で装備を整えて来ようと思う。」
「あの大荷物はそういう事か…笑」
父さんはリシュエルさんからもらった大荷物を見て苦笑いしている。
「領主様!」
「ん?どうしたマルス?」
「俺、勢いのまま、シレジアの王になってしまいました。せっかくレオンハート家の騎士団にしてもらったのに…なんてお詫びすれば良いか…」
「マルス、謝る事なんて何もないさ。むしろ誇らしい事だ!君を騎士団に入れたのは弓の腕が一流だったから。それだけだ。まぁ、ゼニスの友人ってのもあるがな笑」
「はい…なんて御礼を伝えれば良いのか…」
「マルス。人は誰もが見返りを求めて生きてる訳じゃない。私は自分が若い時に与えられて来た恩を次の世代に還元してるに過ぎないんだよ。いつか君達が大人になった時に、君達も次の世代に繋げてあげれば良いと思うぞ。」
「はい…ありがとうございます!」
マルスは父さんと握手をして固い絆を結んだ。
「では準備が出来次第、出発しよう。それまでの間、ゼニスとアナスタシアはアンジェロと遊んでやってくれないか?だいぶ寂しがってたからな笑」
「分かりました笑」
「私も混ぜてくれる?」
「イリス様!」
「ピィ!」
「わっ!!」
「これはブラックドラゴンのリーヴェって言うの!よろしくね。」
「リーヴェ…噛まない?」
「噛まないわよ笑」
気づけば俺達全員でアンジェロと遊んでいた。
アナスタシアとサーシャは勉強、俺とアレスは武芸の特訓、マルスはサボり方を教えている笑
息抜きにイリスとリーヴェとアンジェロは散歩に行ったり…
最近あまり構ってあげれなかったからな。
アンジェロは俺とは歳も少し離れているからとにかく可愛い。賢いし魔法も使える。あとは剣術を叩き込んで…
「アンジェロ、ちゃんと勉強もしないと兄様みたいな剣術馬鹿になっちゃうわよ?」
アナスタシアめ…
「剣も勉強も頑張って、レオンハートの家を守ります!」
「アンジェロ〜。そうだぞ!剣術もしっかりな!」
「はい!兄様!」
なんて可愛い弟なんだ!
俺達は準備が出来る数日間の間、アンジェロとの時間を楽しんだ。
「では、オルフェリアに向けて出発しよう。カロル村まで全員一緒だな。」
「そうね。カロル村から私達は神殿へ、あなた達は王宮へ。」
「アンジェロ、また少し出かけるから皆んなをよろしくな!」
「はい!僕が領地を守ります!」
「ありがとう!」
こうして俺達の長い戦いが始まった。




