歓迎の宴
ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記。
夜になり、同盟発足を祝って宴が開かれた。
マルスはシレジアの人々に質問攻めにあって大人気。みんなマルスを受け入れようとしてくれてるみたいだ。
イリスとアナスタシアは母さんと団欒の時間を過ごしている。
なんか本当の家族みたいだ。
アナスタシアは相変わらずイリスにべったり。
その横ではサーシャとアレスがじゃれてる?喧嘩してる?のか分からないが、いつものやり取りをしてる笑
「サーシャ様、ゼニス様、少しよろしいでしょうか?」
リシュエルさんに呼ばれる。
「なんとか間に合いました!こちらが完成したヘッドドレスです!」
リシュエルさんから箱を受け取り、開けると中から生まれ変わったあの髪飾りが入っていた。
月虹石の紫色の花の部分はより精巧になっていて煌めきも倍増した感じに。そこから星が零れたようにスターリリーのパールが天の川のように尾を引いている。合間に紫の花弁が舞っているようなデザイン。これはすごい…。
「いかがでしょう…?」
ちょっと不安気なリシュエルさん。
「すごい…感激してます!」
「良かった…ちょっとやり過ぎてはいないか不安でした笑」
「リシュエルさんって本当に凄腕なんですね…。感動してます。」
「是非、つけてみてください!カチューシャタイプなので着脱も簡単です!」
「ゼニス様…またあの時のようにつけてもらえますか…?」
「あ…あぁ。なんか恥ずかしいな笑」
俺はイリスの頭にヘッドドレスをつけてあげる。
「どう…でしょうか?」
「すごく似合ってるよ。」
「…ありがとうございます//」
「リシュエルさんにお願いして良かったです。ありがとうございます。」
「こちらこそ、このような作品に出会えて嬉しいです。」
「リシュエル様、ありがとうございます」
「ついでに魔力付与の加護も強化してありますので。では私達も宴に参加しましょう!楽しんでくださいね。」
「はい。ありがとうございました!」
宴の席に戻ると早速アナスタシアが反応する。
「イリス様、髪飾りが変わってる!」
「リシュエル様が手直ししてくれたの。」
「すごい素敵になりました!こんなのどこにも売ってないですよ!」
「嬉しい♪」
「ゼニスが女の子に贈り物するようになったなんてね…笑」
「やめてください、母様…」
「イリス様と出逢うまで溜めに溜めてたんですよ笑」
「おい!アナスタシア!」
「恥ずかしいです//」
「アナスタシア、今後の事なんだけど、まず一度領地に寄ってお父様に報告をします。同盟発足の書状はお父様に届けてもらいましょう。その間に私達はセレーネ神殿の試練を受けに行きましょう。」
「承知致しました。」
「あの!私も御一緒してもよろしいですか?」
「イリス様も?」
「私もマイア神官長の元で修行をしたいと思って…」
「良いわね!ではイリスも一緒に行きましょう。」
「イリス様と一緒は心強いです!」
「ゼニスはその間にアルテナに向かいなさい。試練が終わり次第、アナスタシアとイリスはアルテナに向かわせます。」
「アルテナで合流ですね。」
「ドワーフの村で落ち合おう。」
「分かりました。」
「私も杖の件があるからドワーフの村に一度行くわ!その前にアルテナで会談の報告をして、魔導船でドワーフの村に行きましょ!」
「俺もそれに便乗するわ!」
「アレスも魔導船でトラキアに行けば良いわ!」
「お!それは助かる!」
「じゃあ俺達の流れも決まったな!」
「皆さんは明日、旅立たれますか?」
エルバートさんがやってきた。
「はい。恐らくカエサルがトラキアを追放された事は帝国側も既に知っている事かと思います。邪教側も何か仕掛けてくるでしょう。しかし、カエサルも追放されてすぐに仕掛けてくるとは考えにくい。この機に我々も出来る限りの準備をして、あとはどっちが先に仕掛けるか…」
「わかりました。我々シレジアの民も協力は惜しみません。何なりとお申し付けください。」
「シレジアの人々にとっては一日も早く取り戻したいという気持ちかもしれませんが、あと少しだけ待っていてください!」
「はい。私達もこの機会を無駄にはしたくありません。お帰りをお待ちしております。」
「ありがとうございます!」
「では宴もまだ続きますので、今は楽しんでください。」
こうしてエルフの里の夜は更けていった。




