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大切な思い出

ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記ファンタジー

サーシャとアレスと一匹は妖精の森を散歩している。

リーヴェの機嫌はすっかり直って森の果実や蝶々と戯れている。

「サーシャはいつから俺の事好きだったんだ?」

「な…!何よいきなり!!」

「さっきアナスタシアが俺がタイプだって…」

「あーあーあーあー」

「なんだよ!言えよ!」

「言わない!」

「はぁ?俺は最初からタイプだったぞ?」

「な!!」

「お前は?」

「………でした。」

「は?」

「見た目は一目惚れだったって言ったの!!」

「ほぉ…」

「でも性格最悪!って思ってプラマイ=マイナス」

「はぁ⁈」

「でもアレスはアレスで色々抱えてて、なんか放っておけないって思って…なんかいつも真っ直ぐで…カエサルに見つかった時に庇ってくれたでしょ?その時から…」

「その時から?」

「好きになっちゃったの!!馬鹿!!アレスの意地悪!」

「言葉にしねーと分かんねーだろ?」

「あんたはどうなのよ⁈」

「もうサーシャのメイド姿でやられた。」

「はぁ⁈変態!!」

「男はみんな変態だろ」

「なんでこんな奴を好きになったんだか…」

「でも俺はお前を絶対傷つけねーし傷つけさせねー。その自信はある。」

「アレス…」

「ピィ!!」

「あはは、リーヴェごめんね!」

リーヴェは今度はサーシャの頭に乗ってサーシャのツインテールで遊び始める。

「お!今度はついにサーシャに行ったか!笑」

「嬉しいような悲しいような…複雑な気分。」

「そろそろ戻ろうぜ!」


その頃、イリスはリシュエルの猛攻にあっていた。

「イリス様!ちょっと一回りしてみてください!」

「あ…はい。こうですか?」

「うーん。ちょっとこの辺の生地は要らないか…」

何やら神経なリシュエルさん。

「胸当て部分の素材をどうしようか…」

「イリス…大丈夫か?笑」

「はい…笑」

「ゼニス殿!」

「は、はい!」

「ゼニス殿はドワーフの村に行かれるんですよね?」 

「はい…」

「設計図をお渡しするのでドワーフの方に一部製作依頼出来ませんか?」

「え!多分…大丈夫だと思いますけど…」

「この金属は我々エルフでは作れないんですよ!是非お願いします!」

「はい…一応お願いしてみます笑 他の物ではダメなんですね…?」

「何を言っているのですか?最高の素材で最高のローブをお仕立てするんですよ?妥協なんて致しません!!」

「わ、わかりました!」

すごい熱量だ…

「族長はここの工房の責任者でもあるんです。今は族長になってからはあまり製作には関わって無かったのですが、元々凄腕なんです。族長の全開モード、久々に見ました笑」

「そうなんですね…。ちなみにエルフの言う久々って…」

「リシュエル様が族長になったのは300年くらい前ですかねー?それくらいぶりです!」

「300年…それは応援してあげよう…笑」

「イリス様、そちらのビオラの髪飾りを拝見してもよろしいでしょうか?」

「あ…はい…」

「ん、やはり加護の効果が薄れて来ていますね。これだと劣化してしまう恐れもあるので浄化させて頂いても構いませんか?」

「はい!これはゼニス様から頂いた大切な物で…」

「承知致しました。この手の製作は私達エルフの最も得意とする領域です。お任せください。」

「ありがとうございます!」

「あとここの髪に挿す金具が曲がっていますね…。いつ折れてもおかしくない状態ではあります。」

「どうしましょう…」

「これは私の提案なのですが、ヘッドドレスに変えるのはどうでしょう?」

「ヘッドドレスですか?」

「こういうのですね。」

既存のヘッドドレスを何点か見せてくれた。

「こういうカチューシャタイプだと戦闘中でも外れる可能性は減ると思います。」

「ゼニス様…」

「良いんじゃないかな?エルフに作ってもらう機会もなかなか無いしな!」

「ゼニス様がよろしければ、私は問題ありません。」

リシュエルさんの目が輝く。

「では!デザインはこのまま踏襲しましょう。これほどまでの紫水晶はエルフの里でもなかなかお目にかかれません。それにビオラはイリス様にぴったりのデザインです!少しデザインが粗いので、こんな感じにいじらせてもらっても良いですか?」

リシュエルは似たようなデザインの花の作品を見せる。

「綺麗…。」

「イリスが気に入れば俺はオッケー!」

「でも全くの別物になってしまったらゼニス様との思い出が…」

「そこら辺はご配慮致しますのでご心配なさらずに。」

「わかりました。」

「あとは紫のビオラを中心に周りの意匠デザインなのですが、こちらをご覧ください。」

リシュエルが取り出したのは淡い乳白色のパールだった。

「こちらはこの辺りにしか咲かない鈴蘭の希少種から採れる石です。清浄なマナの中でしか生きられず、夜に咲く事からスターリリーとも呼ばれています。この花が枯れる時に稀に作られるのがこの石ですね。その夜行性の特徴から月の雫とも言われています。ちなみに鈴蘭は白いビオラの別名もあるのでまさに打ってつけかと!」

やはり段々鼻息が荒くなってくるな…。

「これをヘッドドレスに散りばめて…所々に月虹石のルースも取り入れて…」

何やらさらさらっとデザイン画を描いていく。

「こんな感じでいかがでしょう?」

「わぁ…すごい…」

「イリスに似合いそうだな!」

「ふふふ…。ありがとうございます。」

「これだったら問題無さそうです!」

「はい。過度な変更やデザインの追加は極力抑えてあります。素材の良さを活かす形のデザインかと思います。」

「よろしくお願いします。」

「今日中には完成すると思いますので、夜の歓迎式典までにはお持ち出来ると思います」

「ありがとうございます。」


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