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マルスの過去

ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記ファンタジー

「ただいま戻った!マルスは⁈」

「まだ大丈夫だ。世界樹の雫は手に入ったか?」

「はい!ここに。」

「マルスに飲ませよう」

アナスタシアはマルスに世界樹の雫を飲ませる。

するとバロールの刻印は完全に消失した。

「は…は…俺は…助かったのか…?」

「マルス様…良かった…」

アナスタシアはマルスに抱きついて泣いている。

「心配掛けてごめんな…」

マルスはアナスタシアの髪を撫でる。

「マルス、身体はどうだ?」

「ちょっと…まだ上手く動かないけど、なんとか…」

「少し休め。もう2、3日は回復に専念させよう。」

「すいません、俺が旅を止めちゃって。」

「マルス!あなたが庇ってくれなかったら私はいなかったかもしれない。謝るのは私の方。」

「誰かを助けるのに理由なんていらないだろ?みんな無事で良かった。」

「アナスタシアなんてずっと泣いてたんだから…。世界樹の雫を探しに行くのも飛び出しちゃって…」

「サーシャ!」

「そっか。アナスタシア、ありがとな!」

「ピィ!」

「お前もありがとな!」

「ところでこいつは…もしかして例の…?」

「うん!リーヴェって言うの。3日前に産まれたての!この子がマルスの呪いを食べてくれて進行を遅らせてくれたの。」

「ありがとな!」

「ピィ!」

「で、なんでリーヴェはアレスの頭の上にいるんだ?」

「それは私達も分からないの。産まれてすぐにあの状態よ笑」

「ははは!似合ってるよアレス!笑」

「何とでも言え!」

「ゼニス殿、この方は?」

「レジスタンスの代表のエルバード様です。」

「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。御紹介に預かりました、シレジアレジスタンスのエルバードと申します。」

「私はこの村の神父をしています、クロードです。レジスタンスの方が何用で?」

「はい。そちらのマルス様が我々の探していたシレジア王家直系の可能性があると聞き、参上致しました。」

「俺ががシレジアの王族?」

「はい。失礼ですがら背中の紋章を確認させて頂けますか?」

「あ?これか?」

「…間違いありません。これはシレジア王家の紋章。そしてこの紋章をつけたのは私です。あの日の事は今も覚えています。よくぞ御無事で…」

「え?急に言われても…」

「17年前、我々は国王陛下を失い、王宮を追われながらもジェノバ家とトラキアとの戦いは続いておりました。マルス様がお産まれになってからも戦いは続き、我々シレジアの民も散り散りなり、いつか再会を夢見て姿を消したのです。マルス様の母君…シルヴィア王妃様も弓騎士として戦っておられました。その際に深出を負ったマルス様の母君はいつか会える時の目印になるようにと幼いマルス様の背中に刻印を押しました。その時に刻印したのが私でございます。その後、追手から守るために私は囮になりシルヴィア様と別れました。」

エルバードは無念を噛み締めながら語る。

「恐らく私がこの子を見つけたのはその後でしょう。教会の入り口にマントに包まれて弓と共にこの子が置き去りにされていたのです。」

クロード神父は語り、奥からその時のマントと弓を持ってきた。

「シルヴィア様…これはまさしくシルヴィア様の外套と弓…。私なんかが生き延びてしまって…申し訳ありません…」

エルバードは涙を流す。

「あなたが生き延びた意味は必ずありますよ。」

クロード神父は語りかける。

「マルス様、私達と共に来ては頂けますか?私達はエルフの民と協力し、シレジアと風の神殿のの奪還と再興を志しております。」

「その話はマルスが回復してからにしてくれないか?」

「あなたは…?」

「俺はトラキアの第二皇子、アレス・ローランドだ。」

「何?」

エルバードは懐から短剣を出し、アレスへ向ける。

「シレジアの仇…ここで果たす」

「やめなさい。ここは教会ですよ。それにマルスの状態を考えなさい。」

「…」

「あなたは何をしに来たのですか?それがシレジアの誇りですか?」

「そこのお前…アレスに手出したら許さねーぞ…アレスは俺の友達だ」

「マルス…」

「剣を納めろ。それが出来ないなら今すぐ立ち去れ」

「すまない…。頭を冷やしてくる。」

エルバードは外へ出て行く。

「エルバード様が申し訳ありませんでした。」

「いや、良いんだ。トラキアの犯した罪が消える訳じゃねー。俺はそれを受け止める義務があるんだ。」

「あなたは私を救ってくれました。私はあなたを憎んでいません。」

「ひとまずマルスの身体が最優先だわ。いっぱい栄養摂ってゆっくり休んで!」

「ピィ〜」

「ほら!リーヴェも言ってるよ!」

リーヴェがマルスの顔をペロっと舐める。

「こいつ可愛い過ぎる…」

マルスはリーヴェを撫でて遊んでる。

「じゃあ私はみんなのご飯作ってくるわね。サーシャも行く?」

「あ、行く!」

「アレス、ちょっと気晴らしに出ようぜ!」

「おう。」

「私はエルバード殿と話をしてきます。」

「アナスタシアは残ってマルスの側にいてくれ。」

「分かりました。」

俺達は2人を残して外に出た。

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