新たな影
ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記。
翌朝、準備を整えてオルフェリアに向けて出発をする。
ひとまずレガリアの街へ向けて進む。
レガリアで一晩泊まって補給をしてからヴェルドラへ入るというルートで進む。
レガリアまでは順調。冒険者ギルドに顔を出して周辺で変わりは無いか確認をする。
レガリアは特に変わった事は無いらしい。
アレスやマルスは顔馴染みの冒険者と挨拶を交わしたり情報を得たりしている。
俺達はギルドでヴェルドラで埋葬する予定のドーラの骨を受け取りレガリアで一晩を過ごした後、またヴェルドラに向かって進んで行く。
国境沿いの街道に差し掛かる。
「あそこの橋を渡れば先が旧シレジア領だな。」
「子供達、元気かしら⁇」
「私の事、覚えてるかなー?」
「アナスタシアは人気者だったじゃない!」
「えー、嬉しいです…」
そんな話をしていた時だった。
「助けて!!」
どこからか悲鳴が聞こえてくる。
国境沿いまで急いで行ってみると、巨大なデスワームに襲われている男性がいた。
「行くぞ!」
俺達は助けに入った。
「大丈夫か?」
「あ…あ…はい。」
「イリス、怪我の手当てを頼む。」
「はい。」
「さくっと倒そうぜ〜♪」
「油断するなよ。」
「行くぜ!ドラゴンハウリング!!」
マルスがドーラより与えられた新たな力。
放たれた矢が竜の咆哮のように碧の風を纏った強力な一撃がデスワームに直撃する。
「ほとんど終わりじゃね?」
アレスはそう言いながら駆け出し雷槍で切り裂いていく。
「イクシオンブラスト!」
デスワームをさくっと粉砕してみせる。
「お見事です♪」
どこからか手を叩く音がした。
「!!!」
「お前…カエサル!」
「トラキアを出る前にサヨナラの挨拶を忘れていましてね。」
「ふざけやがって…」
「そうそう。これ見てください!私の杖につけてみたんですよ!」
「それは…」
「ご名答♪ケラウノスの根源です。私も雷魔法を使うのでとっても便利です。」
「返しなさいよ!」
「んー。嫌です。サヨナラのご挨拶とジュリアス殿下の仕返しついでに味見してみませんか?」
「なんだと?!」
「いきますよ?イビルサンダー。」
黒い稲妻がこちらに向かって来る。
「マジックガード」
咄嗟にイリスがマジックガードを展開する。
あと少し間に合わなかったら丸焦げだっただろう。
辺りの森は焼失している。
「ほぉ…これを防ぎますか。あの神聖魔法はやはり厄介ですね…。」
カエサルは詠唱を始める。
「させるか!」
カエサルの詠唱と同時にマルスが矢を放つ。
「イーグルワインダー」
「バロールの魔眼」
イリスを狙ったと思われるカエサルの魔法はマルスの攻撃を咄嗟に避けると同時に軌道を変えられ、マルスに命中してしまった。
「あ…!ぐっは…」
「おやおや。そちらに当たってしまいましたか。まぁ良いでしょう。これで1人死んだも同然。これでジュリアス殿下とおあいことしましょう。」
「マルス様!!」
「マルスに何をした!!」
「解けない呪いですよ。1週間もすれば死に至ります。ではご機嫌よう…」
そう言い残してカエサルは消えた。
「マルス!大丈夫か⁉︎」
苦悶の表情を浮かべるマルス。
「今、解呪します!ディスペル!!」
イリスは解呪の呪いをかける。
「なぜ…?解呪出来ない…」
「なんだって?」
「とりあえず急いでヴェルドラに運ぼう!」
「私も手伝います!私のせいで…」
「謝るのは後だ!早く運ぼう!!」
アレスがマルスを担いで走る。
「クロード様なら方法を知っているかも知れないです!急ぎましょう!」
俺達は街道を急ぎ、ヴェルドラの森へ急いだ。




