魔法Lesson
ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記。
翌日、クロード神父に別れの挨拶をした。
「イリス、くれぐれも気をつけて。お前にはただ1人の女の子として幸せになって欲しい。」
「お養父様…イリスはまたお養父様の元に戻ってきます。どうかお元気で…」
「クロード神父、イリスは俺が守ります。」
「ゼニス殿、イリスをよろしくお願いします。」
クロード神父との別れを終えて、俺達はトラキア王国へ向けてレガリアの街に向かった。
道中数回魔物との戦闘はあったものの、特に問題無く進んだ。
さながらサーシャの『実戦訓練』。
「サーシャ、魔法の発現に掛かるまでの時間はファイアーボール→イグニートランス→ヘルフレイムの順番に遅くなる。じゃあイグニートランスが良いかと言うと、MPの消費量を考えると連発は出来ない。ここぞで使った方が良いな。」
「はい!」
「あとはヘルフレイムの使い所。これが魔導士がパーティにいる利点の一つ。複数の敵を殲滅するためには俺ら戦士よりも効果的だ。ただヘルフレイムが発現するまでに攻撃されたらピンチになる。じゃあどうする?」
「うーん。隠れる?」
「間違えてはいないな笑 他のメンバーに時間を稼いでもらうんだ。うちのパーティだったら敵が届くにいる場合はマルスの攻撃は牽制になるし、近くに出現した場合は俺やアナスタシアが時間を作る。またアナスタシアの魔法で時間を稼ぐという事も出来るな。」
「なるほどね…」
「そのために時間を逆算して周りにどうして欲しいかを指示出来れば上出来だ!基本魔導士は単独で任務をこなす事は少ないからな。ただしソロで戦う時は全て自分で組み立てなければならない。だからこそ、時間と消費MPと状況判断が常に必要なんだ。」
「ゼニスって色んな事考えながら戦ってるのね…。すごいわ!」
「みんなの命を預かってるからな!」
それから何度か戦闘を重ねていく。
レガリアの街に着いた頃にはB級冒険者くらいにはなったかな?
俺達はレガリアについてまず宿の手配と情報収集のために冒険者ギルドに向かった。
「なんか懐かしい感じがするなー!」
「マルスはここのギルドを拠点にしてたのよね?」
「そうそう!ヴェルドラからはここが1番近い冒険者ギルドだからな!」
「よぉマルス!久しぶりだな!」
「おぉ〜!久しぶり!」
「お前も今度の合同討伐【レイド】に参加するのか?」
「へ?何かあるのか?」
「見てないのか?明日、レガリア遺跡のレイドがあるんだよ。何でもキメラが出現したらしくてな。討伐報酬もなかなか美味しいぞ!」
「キメラ?あの遺跡って今はそんなに危険な所じゃなかったよな?」
「ここ1か月くらいキメラが棲みついて、観光の邪魔になるからってギルドから募集がかかったんだよ。」
(ゼニス様、魔石絡みですかね?)
(可能性はあるな。)
「ちょっと詳細聞いてみるわ。情報ありがとう!」
「またな!」
「ゼニス様、まずギルドで詳細聞いてみましょう。」
「そうだな。」
「あら。マルス。お久しぶりね!あなたもレイド?」
「ちょっとそのレイドについて詳細聞きたいんだけど。」
「あれ?知らなかった?1か月前くらいにキメラが棲みついたらしくて、ギルドとしても様子見てたの。そしたらどんどん魔物が増えてくから王国から討伐依頼の指示が下りてきたのよ。まぁギルドとしても流石に看過出来なくなってきたし…って事でレイドの募集を掛けたって訳。」
「なるほど…。キメラが棲みついた理由とか魔物が増えた理由とかは分かってるのか?」
「うーん。特に何も報告は上がってないけど…。キメラがいる事で魔物にとっては安心?って事?」
「分かった。ありがとう!」
「で、レガリアに参加はするの?」
「んー。俺らトラキアに用事があるんだよ。」
「あら。でもトラキアは国境封鎖中よ?キメラの討伐が終わるまでは制限掛けるみたい。」
「兄様、どうしますか?」
「先を急ぎたい所だけどもし魔石絡みだったら捨て置けないとは思う。それにどっちみちこの問題が解決しないと俺らはトラキアに入れないしな。」
「とりあえず参加してみます?レイドは途中離脱も可能ですし!」
「そうだな。とりあえず手続きしよう。」
「じゃあレイドの参加手続き頼む。」
「じゃあ参加者の冒険者カード出してねー。」
俺らは冒険者カードを提出した。
「あら。皆さん更新全然してないわねー。ちょっと更新かけるわね。ゼニスさんB、アナスタシアさんB、イリスさんもB、マルスもBね!サーシャさんがCね。今回のレイドはCランク以上の制限があるけど皆さん問題無しですね。出発は明日。遺跡の情報等はこちらの冊子で確認してください。」
「オッケー!ありがとうー!」
「ギルド参加者には宿泊先の斡旋もあるから、合わせて確認してね!」
ギルドへの手続きを終えて俺らは宿を手配してチェックインを済ます。
「レイドか…。初めてだな。マルスは経験あるか?」
「はい!複数パーティでの攻略なんで割と安心!ってイメージです。」
「なるほど。いつもはどんな感じなんだ?」
「基本的には通常の探索と変わりません。ただ報酬は早いもの勝ちですね。」
「と、言うと?」
「ダンジョン攻略にしろ、標的討伐にしろ、1番先に達成したパーティが達成報酬を貰えます。あとは大規模レイドになるとその時の最高ランク冒険者が指揮官となって指揮する事もあります。その際は指揮官との分配になりますね。」
「へー。今回はどうなるの?」
「今回は指揮官指定は無いみたいなんで、早いもの勝ちだな。」
「俺らは討伐報酬よりも魔石の調査の方が優先だな。」
「そうですね。」
「状況によって討伐は考えよう。」
「じゃあ明日に備えて準備しよう!」
俺らは早めに就寝して明日のレイドに備える事にした。




