アルテナ会議
ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記。
同時刻。俺とアナスタシアはアデル殿下の私室で今後の話し合いをしていた。
「まずは魔石の分析結果が出た。これは人為的に作られた物で魔物を引き寄せる効果が見られた。すなわち、何者かが魔石を使ってスタンピードを起こそうとしていると考えられる。」
「誰の仕業なのでしょうか?」
「それなのだが、術式を解析したところ、魔族のルーン文字が使われているのだ。」
「では魔族の仕業でしょうか?」
「魔族なのか、そこに汲みする邪教の仕業か。しかしこれ以上の手掛かりが掴めていない。まず何が目的か…。」
「水の神殿が狙われ、今度はアルテナ。狙いが神殿やマナが目的だとしたら…」
「それについて、私も気になる点がございます。」
「なんだ?」
「20年前のシレジアの侵略戦争について調べてみた所、120年前のクーデターの際にトラキア王国が絡んでいた事が分かりました。その時は失敗していましたが、20年前もトラキア王国が事を起こしました。しかし、トラキアの目的がどちらもはっきりしません。単に領土を拡げる以外に何か別の目的があるのでは無いか…と。」
「風の神殿か…。確かに私も20年前の戦争の目的には腑に落ちない所があった。それが風のマナを落とす事だったとしたら…。」
「嫌な予感がします…」
「オルフェリア王と会談をする必要がある。その上で今後の方針を決めようと思う。」
「承知致しました。」
「殿下、もう一つ。兄様が暁の騎士、イリス様は暁の巫女の可能性があるという事が分かりました。」
「イリスが暁の巫女?」
「はい。もしかしたらの可能性ではありますが。イリス様の件につきましてはまずはヴェルドラのクロード神父のお話しを聞く必要があるかと思います。」
「ヴェルドラか…。ヴェルドラにシレジア…北に何かあるのか…」
「いずれにせよまずはオルフェリアでの会談次第だな。」
「会談はいつになりそうでしょうか?」
「先程連絡があって3日後だ。魔導船を使えば2日でオルフェリアまでは行ける。急だが明日の朝の出発になるな。」
「承知致しました。」
「すまない…ろくにアルテナを案内もしてやれず…」
「いえ、一刻も争う事態です。」
「そう言ってくれると有難い。せめてもの罪滅ぼしに今晩王宮でのディナーに招待したいと思っている。私も最後くらいは皆と一緒に食事くらいはしたいしな。」
「ありがとうございます。」
「宿に迎えを寄越すから待っててくれ。」
俺達はアデル殿下に一礼をして王宮を後にした。
「なんか大事になりそうだな…」
「そうですね…」
「とりあえず宿で皆んなと合流しよう。」
俺とアナスタシアは宿でくつろぐ事にした。
ほどなくしてイリスとサーシャ、マルスとアーサー王子が戻ってきた。
「皆んな、明日の朝にオルフェリアに向かう事になった。」
「アデル殿下が早急にオルフェリア国王と会談する必要があるとご判断されました。」
「急だな…」
アーサー殿下の顔が曇る。
「今日はアデル殿下が夕食を招待してくれるとの事だ。ここに迎えが来るとの事だから時間まで宿にいてくれ。」
「分かりました。」
「荷物でもまとめるかー!」
「じゃあ我々は王宮に戻るか。」
「そうですね。みんな、またあとでねー!」
アーサー王子とサーシャは王宮に戻って行った。
各々、荷物をまとめたり休んだりして時間を過ごしている。
宿の主人からお迎えの知らせを聞いて、俺達は
馬車に乗り込み王宮へ向かう。
俺達はアデル殿下が用意してくれた食事会場に案内される。
ほどなくしてフリージア三兄弟がやってきて料理が運ばれてくる。
どれも手の込んだ王宮フルコース料理。
こんなの生きてる内に何回お目に掛かれるか分からないぞ…
「あらためて、アーサーとサーシャの救出とドワーフの村を救ってくれてありがとう。ささやかなお礼だが、楽しんでくれ。乾杯!」
アデル殿下の音頭で料理を頂く。
「君達が危険を省みずにアルテナの為に尽くしてくれた事は生涯忘れないだろう。私もまた、君達と友情を育みたいと思っているよ。」
「兄様、それは残念です。なぜなら私の方が彼等とは先に友人なのです。なんてったって裸の付き合いをした仲ですから。」
「まぁ、それなら私だってパジャマパーティをした仲ですわ?それに彼らをアルテナに連れてきたのは私です。」
「なんのマウントの取り合いだ?」
「…。私だって公務が無ければ裸の付き合いだってパジャマパーティだって出来たさ!」
「流石にそれは厳しいのでは…」
「アデル殿下のパジャマパーティ…」
想像してしまって皆んなで笑ってしまった。
アデル殿下は以外に抜けてるのか…?
「何にせよ、困った事があればいつでも頼って欲しい。そしてまたゆっくり酒でも飲もう!」
「はい!是非!」




