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プレゼント大作戦

ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記ファンタジー

翌朝、宿にアーサーとサーシャが迎えに来てくれた。

俺とアナスタシアはアデル殿下との今後についての会議、サーシャとイリスはアルテナ観光。

そしてアーサーとマルスは例のプレゼント選びだ。笑


「じゃあ各自、用が済んだら王宮で落ち合おう。」

アーサーの一声で各々の目的地へと別れる。


「マルス、買う物は決めたか?」

「いえ…結論出ず…」

「まぁやっぱりプレゼントと言えばアクセサリーじゃないか?」

「そうっすかね…」

「とりあえず何件か見て回ろう!」

「はい!」

アーサー殿下に連れられて、何件か店をはしごして見て回る。高級店から学院の生徒に人気の店まで色々だ。

「お!ここは一点物が多くて個人的におすすめな店だぞ!」

「アーサー殿下は良く女性にプレゼントするんですか?」

「まぁ、気に入った子がいれば?」

これは遊び慣れてる人の発言だな…。

「いらっしゃいませ。アーサー殿下!いつもありがとうございます」

やっぱり常連だ。

「メアリー、久しぶりだな。今日は私じゃなくて彼の恋人に渡すプレゼントを見に来たよ。」

「まだ恋人じゃないです!!」

「細かい事は気にするな!何か良い物はあるか?」

「はい。何点か持って参ります。」

店主は奥から何点か見繕って運んでくる。

その間、マルスは店頭を眺めて待っているが、どれも細工が細かくデザインも上品な物が多い。

「お待たせ致しました。」

店主は指輪や腕輪、ネックレスにブローチと様々なアクセサリーを持って来た。

「アーサー殿下…俺、そんなに高価な物は買えないです…」

「ん?いくらなら出せる?」

「相場はどれくらいですか?」

「そうですね…1番高い物は金貨5,000枚くらいでしょうか?安い物で200〜300枚くらいかと思います。」

「5,000!!」

マルスは血の気が引いてきた。

「マルス、まずは値段は気にするな!気に入った物を選べよ。」

アーサーは意味深にウィンクをしてくる。

「アナスタシアは剣士だから身につけても邪魔にならない物が良いんじゃないか?」

「でしたら指輪、ピアスなんかはいかがでしょう?」

店主は更に指輪とピアスを追加で持ってきた。

その中で青いバラの形をしたピアスに目が吸い込まれた。

見る角度によってキラキラしていて雪の結晶みたいにも見える。

アナスタシアが舞踏会で着ていたドレスも青いバラのドレスだったな。

「こちらは先日入荷したばかりの一点物です。

人魚の涙を加工した物で青いバラの形にカットされたピアスですね。ここまで美しい青はなかなかお目にかかれないと思います。こちらには魔力を増強する効果もあります。」

「これはいくらなんだ?」

「こちら金貨500枚になります。」

「お!そんなものか?」

「はい。石自体は大変貴重な物ですが、ピアスという事でサイズが小さめなので。」

「そうか。じゃあ300くらいで売ってくれないか?」

「殿下…いくら殿下の頼みでもそれは…」

「来月に母上の誕生日を祝う式典がある。その際にメアリーの店を推薦しておくよ。どうかな?」

店主は少し考え込みながら、

「…承知致しました。殿下、お約束ですよ?」

「あぁ。ヘリオス神に誓うよ!それに元々この店は私のお気に入りだ。じゃないと私の大事な友人を連れてこないさ。」

「身に余る光栄です。では300枚でお出し致しましょう。いかがでしょう?」

アーサーはマルスの方に振り返ってウィンクしてくる。

アーサー殿下にここまでさせて買わないのは不義理というか男が廃る!

「買います!!」

「ありがとうございます。只今お包み致しますのでお待ちください。」

「アーサー殿下、良いのですか?」

「良いも何も俺が提案した事だし、2人が喜んでくれるなら朝飯前だよ。」

「アーサー殿下…ありがとうございます…」

「おいおい、泣くなよ!笑」

「いや、孤児院育ちの俺なんかにこんなに良くしてもらって…俺、何で返せば良いか…」

「俺はマルスもゼニスも気に入ってる。俺と友人でいてくれる事がお返しだよ。アナスタシアに振られたら2人共俺がもらってやろうか?笑」

「嬉しいような悲しいような複雑ですけど、ありがとうございます!」

「お待たせ致しました。こちらが商品になります。」

「ありがとう、メアリー。では来月王宮で。」

「今後共、御贔屓に…」

アーサーはマルスを連れて店を後にした。

「買っちゃった…」

マルスは一世一代の買い物をした気分だった。


一方、イリスとサーシャはアルテナの街を散策していた。

オルフェリアとはまた違う色彩と建築の雰囲気にイリスは感嘆していた。

「アルテナは街並みが可愛いですねー!」

「そうね!アルテナはカラフルで可愛い感じでオルフェリアは洗練されてるって感じ?」

「あ、なんか分かります。その感じ!」

「イリスは行ってみたい所とかあるー?」

「うーん…」

「もし思いつかなったら私の買い物に付き合ってもらっても良いー?」

「もちろん!何を買いに行くの??」

「ほら、これから旅に出るじゃない?冒険者用の装備を買いに行きたいの!」

「なるほど…。私で良ければ付き合うわ!」

「ありがとー!ローブ屋さんに行きたいの!」

「へー!ローブ屋さんなんてあるのね。」

「うん!アルテナって魔導士が多いから。鎧とか扱ってるの武器屋とか防具屋よりも数は多いの。」

「へぇー!なんかお国柄が出てるのね…」

「ここよ!」

サーシャが入った店はこれまた王室御用達の店らしい。

「これはこれはサーシャ様。ようこそお越しくださいました。」

「お久しぶりね。今日はローブを買いに来たの。」

「私の方で何着かおすすめさせて頂いても?」

「お願いするわ。」

店主が何着か見繕って持ってくる。

「うーん。迷うわね…」

「サーシャの候補はどれなの?」

「この3つで悩んでるの…」

「こちらの3つはあまり効果に差は無いので、デザインで選ばれても良いかと思います。全て炎魔法との相性が良いものを選んでおります。」

「イリス〜!どれが似合うと思う⁈本当は赤が良いんだけど、ぱっとしなくて…」

「私もサーシャは赤が似合うと思うんだけど…この3つの中だったら紫のがサーシャに似合うと思うなぁ…」

「こちらは陽炎のローブになります。炎魔法の効果アップに加え、回避率の上昇効果もあります。」

「イリスもそう思う⁈これにしようかしら。」

「ありがとうございます。お支払いはフリージア家にご請求でよろしいですか?」

「えぇ。」

さすが第一王女!!

「気に入ったのがあって良かったね!」

「うん!次はどこ行こっか?」

「私、ゼニス様に何か贈り物をしたいと思っているんだけど…」

「いいじゃん!魔導具工房とか行ってみる?」

「うん!」

少し歩いて魔導具工房に着いた。

「いらっしゃいませ。」

中に入ると見た事の無いような魔導具がいっぱい陳列されている。

「すごい!これって全部魔導具なの?」

「そうよ!たまに掘り出し物があって面白いの!」

「見てるだけでワクワクしますね。」

「どんなのにするの?」

「何が良いかしら…?」

「女の子とか魔導士だったらアクセサリー類も沢山あるけど、戦士系の男性って難しいわね…」

「特にゼニス様ってあんまり普段も身につけるタイプじゃないから…」

「実用的な物…よね?時計とかどう?アルテナの代表的な名産の1つだし。」

「確かに…時計っだったら邪魔にならないかも!」

「アルテナの魔導時計は自動式で性能が良いのが売りだしね!」

「時計にします!」

「じゃあ時計の専門店に行きましょ!」

イリス達は魔導具工房を出て、時計専門店に向かった。

時計専門店には掛け時計から腕時計まで様々なタイプの時計が所狭しと陳列されている。

「こんにちは!何かお探しですか?」

「男性の騎士の方への贈り物を探しているのですが…」

「騎士様…でしたら懐中時計なんていかがでしょう?腕時計等は手首の動きの邪魔になると嫌がられる方もいらっしゃいます。そういった面では騎士の方々には懐中時計タイプは人気のタイプです。」

「懐中時計…」

「何かおすすめはあるかしら?」

「はい。何点かお持ち致しますね。」

店主は数点見繕ってくれる。

その中でイリスは太陽のデザインがされた丸型の時計を手にする。

(ゼニス様って太陽みたいに笑う方だから…)

「そちらは文字通り、太陽の時計と言います。自動式でどこにいても正解に時を刻めます。また、一度だけ致命症のダメージから身を守る効果もあります。」

「素敵…おいくらですか?」

「こちらは200Gになります。」

「これにします。」

「ありがとうございます。他に御利用はございますか?」

「大丈夫です。」

「良かったわね!良いのがあって!」

「サーシャがいてくれて良かったわ。私1人だったら時計なんて思い付かなかったもの。」

「えへへ。イリスの役に立てたの嬉しい♪」

「ありがとね!」

イリス達は店を後にした。

「イリスはいつ渡すのー?」

「そうね…」

「今日渡しちゃいなよ!」

「え!!」

「善は急げって言うでしょ?」

「うん…。」

「私がそれとなく段取りするわ♪」

「なんか緊張する…」

「とりあえずお茶でもしながら作戦会議しましょ♪」

サーシャに促されて2人は作戦会議という名のティータイムをするのであった。

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