裸の付き合い
ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記。
大浴場に着き、中に入るとこれはもう別世界だった。
広い浴槽?に天井からは温泉の滝が降っている。
ヘリオス様の銅像なんかもある。
こんなすごい広い風呂は初めてだ。
身体を洗い、3人で湯船に浸かる。
源泉掛け流し。お湯自体に色々な効果があるらしい。すごい気持ち良い…
こう見るとアルテナ1の魔導士で色男と言われるアーサー、オルフェリア屈指の騎士であるゼニスと年下仔犬枠のマルス。
どれも甲乙つけがたい美男子で鍛えた筋肉は見事。その辺の婦女子が見たら鼻血で卒倒コースだろう。
「ここは天国ですか?」
俺は率直な意見を言った。
「だろー?戦いのあとはこの風呂に浸かって疲れを取るんだよ!」
「最高ですね!!」
「何から何までありがとうございます。」
「おい、敬語はやめようぜ!俺とゼニスは同じ歳だろ?」
「しかし、アーサー殿下は王族の方ですので…」
「関係ない。俺は王位は破棄している。サーシャが友達なら俺も友達で良いだろ!」
「それでも…」
「ゼニス様!本人が良いって言ってるんだから良いじゃないですか!裸の付き合いをしたんだから友達って事です!」
「マルス、良い事言うな!」
なんだ、この2人は?なんでマルスは誰とでも意気投合するんだ?
そしてサーシャの押しの強さはアーサー殿下譲りか…。
「分かりました…」
「よし!友よ!で、君達はどっちがタイプなんだ?」
「は⁈」
「イリスにアナスタシア良くあんな美女見つけて来たよな!」
「イリスはたまたま出逢っただけだし、アナスタシアは妹です!!」
「まぁゼニス様はイリスとそーゆー関係ですから。」
「そうなのか⁈」
「おい!マルス!余計な事を言うなよ!!」
「えー?隠す事でも無いじゃないですかー。お似合いですよ!幼馴染として鼻が高いです。」
「やるなー!ゼニス!」
「そうゆうお前はどうなんだよ!」
「え!俺は別に…」
「イリス、アナスタシア、ついでにサーシャ。どうよ?」
「いや…イリスは幼馴染だし。サーシャはタイプじゃないし…」
「アナスタシア推しか?」
「いや…そんな推しとか…」
「なんだ?マルスは俺の妹は消去法で選んだ余り者かー?」
「そうゆう訳じゃないです!」
「俺はアナスタシアちゃんに1票だな!」
「え!!アーサー殿下がアナスタシア⁈」
「マルスが立候補しないなら俺が立候補しよっかな…」
「ダメです!!」
「素直になれよー!浮か浮かしてたら誰かに取られるぞー?笑」
「アーサー殿下は意地悪ですね!」
「マルスがはっきりしないからだろ?」
「ゼニス様まで!」
「仕返しだ。」
「くそーー!!」
「マルスはアナスタシアに何か贈り物はした事あるのか?」
「いえ…まだ…」
「じゃあアルテナの記念に何かプレゼントしたらどうだ?」
「プレゼント…」
「俺が良い店、紹介してやるよ!」
「ありがとうございます…。」
「アーサーって以外にノリ良いんだな。」
「俺だってまだ18だぜ?」
「でもその歳で魔導士師団長で軍のトップって凄いよ。」
「負けず嫌いだからね笑 魔法では誰にも負けたくなくて気付いたらだよ。兄様には敵わないしな。」
「アデル殿下とアーサーだったらどっちが強いんだ?」
「どうだろうな…。兄さんは高位の魔法を使えるんだよ。反面俺は魔法の速度が早いのと多重展開が強みでさ。」
「アーサーの方がより実戦向きって事か。」
「ただやっぱり兄さんには敵わないよ。兄さんは王になるべく器なんだ。だから俺もサーシャも好き勝手やってられるんだよ。兄さんには感謝してる。」
「アデル殿下が王になればアルテナも安泰だな。」
「だからこそ俺は兄さんの負担を少しでも軽くしたくて軍部を選んだんだよ。」
「そう言い切れるアーサーもやっぱり国を背負うべき器なんだと思う。」
「ゼニス…」
「俺にとっては2人ともかっこいいっす!」
「笑。俺もゼニスやマルスと旅してみたかったなー!」
「俺もだよ!」
「いつか出来ますよ!」
「その時はどっちが強いか勝負だな!」
「望む所だ!」
こうして俺達は文字通り裸の付き合いで友情を深めた。
その日はその後、王宮を出て手配してもらった宿に泊まって皆んな泥のように寝た…。
あの激闘の後だからな…。




