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隠された秘密

ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記ファンタジー

図書館を出た所でサーシャの侍女のクラリスに再会する。

「皆さん、ご無事で!その節はありがとうございました。」

「クラリス様もお元気そうで。」

「私の事は是非クラリスとお呼びください。お嬢様、アデル殿下がお呼びです。皆さんもご一緒に。」

「分かったわ。」

またアデル殿下の私室へと向かう。

「お兄様、サーシャが参りました。」

「入りなさい」

「失礼致します…」

「お兄様、お話しは終わりましたの?」

「あぁ。その事でお前に話しがあるんだ。」

「何でしょうか?」

「お前さえ良ければなんだが、暫くゼニス殿の所で勉強しないか?」

「え!!良いのですか?!」

「嬉しそうだな笑」

「アーサーと話して、お前にとってはアルテナに留めて置くより外の世界の方が成長するんじゃないかと思ってな。」

「ゼニス殿には了承済みだよ。」

「嬉しい!!ありがとうございますお兄様!」

サーシャはイリスやアナスタシアと喜んでいる。

「皆さん、改めて妹をよろしくお願いします。」

「あと、この度の報酬についてなのだが、金貨10,000枚を用意させてもらった。」

「そんなに頂けません。」

「いや、王族の命を救ったんだ。これでも足りないくらいかと思う。私達の気持ちだ。受け取ってくれ。」

「恐れいります…」

「他に望みはあるか?」

「あの…魔力測定をお願い出来ますか?」

「それは構わないが、どうかしたのか?」

「私は魔力がほとんど無いと思ってました。しかし、最近は魔法剣のような剣術が突然使えるようになったのです。」

「きっかけはあったのか?」

「分からないんです…。突然頭の中に声が聞こえて、意識がどこかに引っ張られて…」

「どういう事だ?」

「力を求めよと。水の神殿ではセレーネ様、先のメリル鉱山ではヘリオス様の名を…」

「聞いた事が無いな…」

「分かった。調べてみよう。今からでもやるか?」

「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

「場所を変えよう。皆はここで待っててくれ。」

「承知致しました。」

「アーサーも来てくれ。」

「はい。」


俺はアデル殿下とアーサー殿下に連れられて、王宮の別室に連れていかれた。

王宮内の研究棟にあたる場所らしく、様々な道具が置いてある。

「ではまずその水晶に手を。」

「はい。」

洗礼の儀式の時と要領は同じかな?

水晶の中で赤と青の光が動いている。

「ムルトス【複属性】か?」

「前の洗礼の時は何も光らなかったのですが…。」

「なんだ?この感じは。光が動くなんて事は見た事が無い。」

「声がしたと言ったな。それは確かに神の名前を名乗ったのか?」

「はい。我を求めよ…と。」

「兄様…ゼニス自体が器という可能性はありませんか?」

「器?」

「はい。何者かの力を吸収したと考えるとですけど。」

「その理論だと我々の魔力も得られるという事か?」

「それは試してみない事には分からないですね。」

「アーサー、試しにゼニスに魔力を流してみてはどうだ?」

「分かりました。ゼニス、良いか?」

「はい。大丈夫です。」

俺はアーサー殿下と手を繋ぎ、アーサー殿下が魔力を流す。

「これくらいか?もう一度、水晶を触ってみてくれ。」

言われるがまま、水晶に手をかける。

しかし先程と変わらず、赤と青の光が水晶の中で動いているだけだ。

「魔法回路を使ってる訳じゃなさそうですね。」

「魔力では無くてマナ…」

「人間の体にマナが宿るなんて前代未聞ですよ!」

「それ以外で説明が付かない。現にゼニスは氷の刃や炎の刃を発現したのだろう?」

「はい…」

「私もこの目で見ました。」

「魔力は体内で生成される。マナは自力では生成する事は不可能だ。だとしたら何らかの経路で外部からマナをゼニスとゆう器に取り込まれたと考えられる。あくまで仮説だが…」

「兄様…これは…」

「かつて神話の時代、女神の寵愛を受けた騎士がいた。その騎士は女神から授かったマナを操り、魔神を倒したとされる。それから暁の勇者と呼ばれるようになったという。」

「ゼニスが暁の勇者の再来の可能性があると…」

「あぁ。あくまで可能性の話だが。はっきりするまでは身内以外にはあまり外部には漏らさない方が良いだろう。まして神々が干渉してるとなるとな。」

「分かりました。」

俺が…暁の勇者の再来?そんな馬鹿な。

俺はいたって普通の領主の生まれだし、そんな家系の繋がりがあるなんて話しも聞いた事も無い。

どうなってるんだよ…


それから俺達はアデル殿下の私室に戻り、みんなに測定の結果とアデル殿下の仮説を話した。

「ゼニス様が暁の…」

「ちょっと!声がでかいわよ!!」

マルスはサーシャにどつかれる。

「これはあくまで仮定の話しだ。ただし魔力では無くマナの力を行使しているというのは間違い無いと思う。」

「だからこの話しは我々だけに留めておいた方が良いと思う。もし知れれば最悪命を狙われる事態もありえる。」

「ゼニス様…」

「この話は父様や母様には知らせるべきかと思います。」

「そうだな。レオンハート侯爵には伝えても良かろう。」

「正直、まだ混乱してるんだ…」

「ゼニス様が何者であってもゼニス様には変わりありません。私はずっと一緒にいます。」

「そうよ!ゼニスはゼニスよ!」

「私にとってはただの兄ですから。」

みんなの優しい言葉が嬉しい。

「ありがとう。」

「今ここで議論しても答えは出ないだろうし、ひとまずこの話は置いておこう。」

「そうですね。魔石の分析結果が出るまではアルテナ観光でもしてみたら良いさ。」

「私に任せて!!」

「今日は王宮でゆっくり過ごして、明日にでも市街に出てみると良い。」

「ありがとうございます。」

「まずは風呂だな!戻ってから休み無しだったからな…」

アーサー殿下はこれは譲れない!とばかりに意気込む。

「そうだな。アルテナは火口地帯の影響で温泉が湧いているんだ。ここだけの話、王宮内の風呂は別格だ。ゆっくりして行ってくれ。」

なんか期待値半端無いんだが…!

「じゃあ私達も行きましょうか♪」

「温泉楽しみー!」

女子達は先に出ていった。

「アデル兄様も行かれますか?」

「いや、私はまだ書類仕事があるし汚れて無いから大丈夫だ笑」

「分かりました。よし!俺らも風呂へ行こう!いざ、心の洗濯へ!!」

アーサー殿下って以外にノリが良い人なんだな…笑


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