ドワーフの村
ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記。
魔導船と呼ばれる乗り物に乗り込んだ俺達。
巨大な馬車?空飛ぶ船?って感じの建造物が魔力で空を飛んでいる。
「アーサー兄様…どうかご無事で…」
「サーシャ、アーサー殿下はアルテナの紅の魔導騎士と呼ばれてる方ですもの。きっと大丈夫。」
「イリス…」
「こんな形でまた一緒にパーティを組むとはな…。ところでメリル鉱山にはどのくらいで着くんだ?」
「この魔導船なら半日で着くわ。ただ魔導船が降りられる場所が無いから麓のドワーフの村に着陸する予定よ」
「通常であればどのくらいかかるのだろうか?」
「陸路で向かえば4〜5日って所ね。」
「ほぇ〜そんな速い乗り物なんだな…船も初めて乗ったけど空飛ぶ船も初めて乗ったよ!」
「魔導船も国王の許可が無いと使用出来ないの。これに乗れるのは王族と魔法師団の一部のみね。」
「アーサー殿下はいつ頃出発したんだ?」
「5日前と聞いているわ。」
「なんとか間に合うか…」
数時間が経ち、船長から間もなく着陸するという連絡が伝えられる。
「今回の目的はアーサー殿下はじめ魔法師団の安否の確認と安全確保。極力無駄な戦闘は避ける事。」
「了解です!」
「避けられない戦闘は隊形を組んで効率重視で進もう!」
「分かりました。」
「行くぞ!」
俺達は麓の村へと足を踏み入れた。
ここはドワーフ達の村で古くから鍛治産業が盛んな場所だ。
優れた武器や魔導具がこの場所から産まれていると言っても過言ではない。
しかし今はどの工場も店も開いてる気配が無い…。
村人もまばらで活気があるとは言えない。
「やっぱり崩落の影響かしら?人があまりいませんね…」
「いつもはもっと賑やかなんだけど…」
道端に座り込んでいるドワーフに聞き込みをしてみる。
「今はどんな状況になっていますか?」
「ご覧の通りだよ。鉱山が崩落して大半の村人は避難してるよ。ここに残っているのはこれから避難する奴か動けない奴だけさ。」
「何があったのですか?」
「魔物だよ。鉱山の中から突然魔物が現れたんだよ!だいたいのやつは魔法師団の兄ちゃん達が片付けてくれたんだけどよ、鉱山に行ったっきり戻って来やしねー。」
「中で何が起こってるんだ…?」
「逃げて来た工場の仲間がでかい犬っコロの魔物がいるって大騒ぎしてたみてーだよ」
「でかい犬…」
セレーネ神殿でのミズガルドを思い出す。
「これはまずいかも知れないな…」
「あ!あとおっちゃん!鍛冶屋のガンツって人知らない?」
「あぁ、ガンツか。ガンツはそこの角の工房にいるよ。あいつも崩落に巻き込まれて動けねーんだよ」
「マルス様…」
「ゼニス様!例の鍛治師の様子だけ見て来ても良いですか?すぐに戻りますんで!」
「サーシャすまない、少しだけ良いか?」
「あまり時間の余裕は無いわよ…」
「ごめんなさい!私達の知り合いがいるの。」
「分かったわ。行ってきて!」
「イリスも来てくれ!」
「うん!」
工房のドアを開けるとベッドに1人、横になってる男がいた。
「あんたがガンツさんか?」
「誰だ?お迎えが来たのか?」
「オルフェリアにいる妹さんのグレタさんから様子を見に行って欲しいと頼まれて来ました。まさかこんな事態になってるとは…」
「俺は足がもう動かねー。腕もやっちまった。武器も打てない鍛治師なんて生きてても仕方ねぇ。どのみち次魔物が来たらおしまいさ。」
「何言ってんだよ!あんたがいないとグレタさんの美味しいコーヒーが飲めなくなるだろ!」
「イリス様、お願い出来ますか?」
「はい!」
イリスはヒールを唱えた。
するとガンツの傷がみるみる治っていく。
「ふぁ!?歩ける!腕も痛くねー!奇跡か!?」
「奇跡なんかじゃないよ!これ、グレタさんからの手紙!心配してたから返事書いてまたコーヒー送ってやりなよ!」
「私達もガンツさんは元気になったと伝えておきますね!」
「ありがとう…ありがとよ!坊主達、名前を教えてくれ!」
「俺はマルス」
「アナスタシアよ」
「イリスです」
「じゃあ俺らは急いでるんで!」
「まさか鉱山に入るのか?」
「はい。そちらが目的です。」
「じゃあこれ持っていけ!松明より便利じゃよ!」
「ありがとうございます!」
「生きて戻って来たらまた寄っていきなさい!坊主達だったらいつでも最高の道具を儂が作ってやるぞ!」
「ありがとう!ひとまずガンツさんも安全な所に避難しといてよ!」
「うむ!」
そしてゼニス達の元へ急ぐ。
「すいません、お待たせしました!」
「大丈夫だったか?」
「はい。大きな怪我は治して来たので大丈夫だと思います。」
「そうか。それは良かった!じゃあ先を急ごう!」
「えぇ!」
そしてメリル鉱山に到着し、中へと足を踏み入れて行く…




