初夏の夜空に…
ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記。
教会もギルド同様に大きい。教会の建物自体が建築物として歴史もあり、国の文化遺産にも登録されている。観光客にも人気のスポットだ。
「イリスは何の魔法を習得するんだ?」
神官魔法や属性魔法は一度習得した同じ系統魔法は自然と覚えていくのだが、新しく別系統の魔法の習得には洗礼か魔導書の力が必要となる。
「正直、何が頂けるかは分からないのですが…。この1カ月で回復魔法の幅も広がってきたので、防御系の補助魔法の習得が出来れば私ももっと皆さんのお役に立てるのではと…」
「イリスが戦わなくて良いようにするのが俺ら前衛の仕事なんだが…笑 確かに補助魔法があれば戦略の幅も広がるな。」
「私も守られているばかりではなく、皆さんを守りたいです!」
「ありがとう。でも無理はダメだぞ!」
「はい!」
教会の中に入り、神官に声を掛ける。
「本日はどのような御用件でしょうか?」
「新しい魔法の習得に伺いました」
「神官証明の御提示をお願いします。」
「こちらお願いします」
「確認出来ました。神官の方は奥へ。お連れ様はこちらでお待ちください。」
「はい。ではゼニス様、いってきます」
「あぁ。俺はここで待ってるよ」
イリスは奥の部屋と通されていった。
「シスターイリス。洗礼の儀式を行う。水晶に手を」
「はい。」
沐浴のお清めは初回の洗礼のみらしい。
「ほぉ…現在はヒール、キュアヒール、パラヒール…なんとエリアヒールまで使えるとは…」
「はい。村ではヒールばかり使っていたので…」
「それにしてもエリアヒールの習得は簡単では無いのじゃが…」
「そうなのですか…?」
「うむ。新たに習得出来るのは…身体強化とマジックガードですな。」
「はい。よろしくお願いします。」
水晶が光り、イリスの手に暖かい感触が伝わっていく。
「これで使えるようになってるはずです」
「ありがとうございます。」
「シスターイリスに女神の御加護を…」
イリスは洗礼を終えてゼニスの元に戻る。
「ゼニス様、お待たせ致しました。」
「早かったな!なんの魔法を習得出来たんだ?」
「身体強化とマジックガードです。」
「おぉ!それは有り難い!俺達前衛は魔法耐性が高くないから助かるよ。」
「はい!これで私も少しは皆さんのお役に立てそうです!」
「よし!用事も終わった事だし、王都の散策に行こうか!」
「はい!」
そして俺達は教会を後にする。
王都を散策しながら露店で食べ物を買ったり雑貨屋を回ったり、いわゆるデートとゆうやつを俺はしてる。
何度も来ているはずのこの街もなぜか新鮮でイリスがいればどこでも楽しく思える。
イリスも楽しそうにしているのが俺も嬉しい。
「イリスを連れて行きたい所があるんだ」
「はい。どこですか?」
俺はイリスの手を引いて街の高台の方へ向かう。
ここからは王都が一望出来て奥には海が広がっている絶景スポットだ。
夜には夜景スポットになって恋人達の定番デートスポットになる。
「わぁ…綺麗ですね…」
「夜は夜景も綺麗なんだ」
「ゼニス様もどなたかと夜景を見にこられた事が…?」
「ない!ないない!断じてない!!」
「ふふふ…冗談です笑」
イリスに揶揄われた…。まさかアナスタシアの影響か…
「おい!揶揄うんじゃない!」
「ごめんなさい。ちょっと意地悪しちゃいました」
悪戯っぽく笑うイリス。
…可愛い。…可愛い過ぎる!!
「でもここにはこんなに沢山の人達が暮らしているのですね…」
「そうだな…」
「色んな人がいて、色んな生き方があって…ヴェルドラにいては分からない事もいっぱい…。」
「これから知っていけば良いさ!イリスらしく、イリスのペースでさ。」
「はい。私らしく…私のペースで…」
「あぁ」
「ゼニス様の事ももっと知っていきたいです。」
「俺ももっとイリスの事を知りたい。」
「ゆっくり…ですね!2人のペースで…」
「そうだな!」
初夏の爽やかな風が2人の間を通り抜けていった。




