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小さな恋のうた

ごく普通の領主の家系に生まれた魔力0の騎士ゼニス。魔力が使えない分、剣術に全振りした剣術馬鹿の普通?の騎士がひょんな事から助けた少女との運命の出逢いから様々な仲間と出逢い、世界を救うまでの幻想記ファンタジー

翌日、俺はイリスを誘って街を散策する事にした。

マルスは爆睡。アナスタシアは本屋に行くと行って宿を出ていった。


アナスタシアは船旅の時間潰しにアルテナの地理や邪教に纏わる文献を探しに本屋へ赴いた。

アナスタシアは読書家でもあるのだ。

何冊か見繕ってカウンターに向かうと、アナスタシアの目に押し花の栞が目に入った。

「すいません、この栞はこちらで作っているのですか?」

「あぁ、それは近所の魔導具屋の店主が趣味で作った物をここで売ってるんだよ。なんか特殊な材料を魔法でコーティングしてるだかなんだかで長持ちするよ」

確かに薄いガラスのような透明な膜のようなものでコーティングされていて破れたりはしなそうな代物だ。

「そうなんですか…とりあえずこの本をください」

「毎度!」


アナスタシアは一度宿に戻り本を置いたあと、昨日もらったデイジーを取って魔導具屋へ向かった。


「いらっしゃい」

THE・魔法使い!とゆう見た目の老婆の店主が声を掛けて出迎えてくれる。

「すいません、そこの本屋で押し花の栞をこちらで作っていると伺ったのですが、注文は出来るのでしょうか?」

「あぁ、あれかい?金貨5枚で受けるよ。」

「この花で作って頂きたいのですが…」

「デイジーかい?2〜30分で出来上がるからそれまで店内でも見てちょっと待っていておくれ」

「はい。よろしくお願いします。」

店主は早速作業台で栞の制作に取り掛かる。

その間、店内を見て回ると真っ白な手袋を見つけた。

手首の部分が翠に金の刺繍が施された純白の手袋。

(マルス様の手…傷だらけだったわ…)

手袋を手に取りながら昨夜エスコートしてくれた時のマルスの手を思い出す。

すると店主が声を掛けてくる。

「それはユニコーンの皮で作られた手袋じゃよ。ユニコーンは水を浄化し、毒を無効化する力があると言われておるのじゃ。耐久性抜群で何と言っても洗濯いらずじゃ!」

「洗濯いらず…?」

「水を浄化する作用が付与されているからどんな汚れも魔物の血でもさっと水洗いするだけで元通りの優れものじゃよ」

「それは便利ですね…これ、おいくらですか?」

「それは200Gじゃな」

「これもお願いします」

「じゃあ栞の代金はサービスじゃよ」

「ありがとうございます!」

出来上がったデイジーの栞と手袋を受け取り宿へと向かうアナスタシア。

時間はもう正午を過ぎていた。

(まだ兄様達は帰ってきていない。マルス様はお部屋にいらっしゃるかしら?)

コンコン

「マルス様、いらっしゃいますか?」

返答が無い。

コンコン

再びノックをしてみるがやはり返答が無い。

「マルス様…入ります」

ドアを開けるとまたもやパンツ姿で爆睡しているマルスがいた。

(デジャヴ…?)

2度目の光景に流石のアナスタシアも昨日ほどの動揺はしなかった。

「マルス様!」

「んあ?」

「マルス様!もうお昼過ぎていますよ」

「ん?何時?」

「12時です。」

「んー。いっぱい寝た気がするしまだ寝れる気もする…」

「もし起きられるならお昼ご一緒にいかがですか?」

「うん。行く。ちょっと待ってて」

寝ぼけ眼のマルスがのそのそ動き出す。

「はい。私は自分の部屋にいますので準備出来たら呼んでください」

「りょうかいしました」

まだ半分寝ぼけてるのかはっきり喋れていない。

ほどなくしてマルスがアナスタシアを呼びにきた。

「アナスタシア、お待たせしました!」

「いえ。私が急に誘ったので…」

「いや、起こしてくれて助かったよ!あのまま放置されてたら夜まで寝てたかもしれない…」

「それは流石に寝過ぎでは…?」

「寝る子は育つって言うだろ?」

「子供枠で良いんですか?」

「それは言わないお約束だよ…泣」

「ふふ…どこか行きたい所はありますか?」

「んー。アナスタシアのおすすめは?」

「鳴銘亭も美味しいですけど、ランチだったらドワーフの手作りハンバーグなんかもおすすめですよ。」

「ハンバーグ!そこにしよう!」

「分かりました。少し歩きますがよろしいですか?」

「問題無し!善は急げだな!」

2人はドワーフの店に向かって歩く。


ドワーフの酒場とゆう店名の通り、ドワーフ達

が働いている店だ。

名物のドワーフの手ごねハンバーグは売り切れ次第終了の人気メニュー。

2人は席につくとマルスはハンバーグセット、アナスタシアは白身魚のムニエルを頼んだ。

食事を終えて食後のコーヒーを待つ間、アナスタシアは手袋を取り出してマルスに渡す。

「あの…これ…昨日助けて頂いたお礼に…」

「ん?もらって良いのか?」

「はい」

「ここで開けても?」

「はい」

「すげー!カッコイイ!」

「弓を射る時に怪我をするんじゃないかと思って…」

「痛いなーとは思っていたけど、いつも素手だったからそういうもんだと思ってた笑」

「もし良かったら使ってください」

「ありがとう!これで痛いの我慢しなくて済むな笑」

「ユニコーンの革で出来ているので洗濯いらずらしいです」

魔導具屋の店主の説明をそのまま教える。

「へー!それは有り難い!水洗いくらいなら俺でも出来る!」

「何となく想像が出来ます」

「あ、それは良くない意味で言ってるな?」

「ご想像にお任せします。」

「へ!でも俺のために選んでくれたなんて嬉しいよ。本当ありがとう。大切に使わせてもらうよ!」

「い…いえ…こちらこそ…」

うーん。マルスの笑顔は反則な気がする。

「コーヒーお待ち!」

ドワーフの女店主からコーヒーが運ばれる。

「美味しい…!」

「お嬢ちゃん、コーヒーの味が分かるのかい?」

「詳しくは無いですが、コーヒーは好きです。」

「そうかい!このコーヒーはここらじゃ手に入らない豆でね。私らドワーフの故郷でしか取れない豆なんだよ!」

「へぇ!ドワーフの故郷ってどこにあるんだ?」

「アルテナ鉱山の麓の村さ!」

「火山口の近くですね」

「よく知ってるね!あの辺は鉄鉱とコーヒーの産地でね。いつもは故郷にいる兄に送ってもらってたんだけど入荷が止まってしまってて…」

「何かあったのでしょうか?」

「それが手紙を送っても音沙汰無しで心配さ…」

「俺達で良かったら様子見に行ってあげようか?」

「本当かい⁈」

「約束は出来ないけど、用があって明後日からアルテナに行くんだよ。」

「マルス様!ドワーフの村に寄れるかは約束出来ないですよ!」

「あぁ。だから約束は出来ないけどもし近くに行く事があればさ!」

「それで構わないさ!恩に着るよ!」

「なんか伝える事はあるか?」

「この手紙を渡して欲しいんだ。」

「なんて名前の人?」

「ガンツだよ。ドワーフの村で1番の鍛治師だから行けば分かると思うさ!」

「わかった!あまり期待しないで待っててくれ!笑」

「それじゃあ今日の飯代は私の奢りだよ!」

「そんな!もしお約束を守れなかったら…」

「その時はまた代金払って食べにきておくれ!」

「申し訳ありません…」

「おばさん、ありがとう!」

「グレタだよ!」

そう言って2人は店を出た。

「マルス様、あんな約束して大丈夫ですか?」

「まぁ、なんとかなるさ!もし行けなかったらグレタさんに謝りに行こう!」

「仕方ないですね…。とりあえず兄様達にも共有しておきましょう」

「おう!」


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