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HELIOSはおひとり様  作者: HELIOS
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第三十四話 大晦日モーニング

 飲み会あけ、目覚めてホテルを飛び出した。

 二度寝により予定より遅い出発となったが、気を取り直してモーニング行くぞ!

 本日、大晦日。そんな本日は──?

 姫路名物、アーモンドトーストを食べに行くぞ!!

 アーモンドトーストは経験済だが、現地で食べたことはない。美味しさが格別、なんてこともあるかも!

 大晦日だから行く店は、ちゃんと目をつけておきましたとも。評価も高く、雰囲気も良いところ。

 まずは、ホテルで預け忘れたスーツケースを駅のロッカーに預けまして……。

 駅から見える姫路城。日に照らされて良い感じですわい。モーニング後には参る予定である。大晦日だというのに外国人もチラホラ。

 地図アプリ起動! 徒歩五分。もうすぐ本場アーモンドトースト。美味しい珈琲も待っている。

 ウキウキで歩いていた。


「オッッ……」

 シャッターが無慈悲にも降りていた。

 大晦日マジック。地図アプリでは営業日でもお休み。SNSも探しておくんだった。

 これは仕方ねぇ。別の店を探すまでだよ。別候補も用意しておりましたとも! 地図アプリ検索!

「アッオ……無理だ」

 場所を見ると新幹線改札内。入場券買う? いや……。下調べが甘かった。

 んや! まだまだ! もう一件用意してるし!

 ポチッ。

 ふむ、徒歩十一分か。遠い気がしたが、モーニング前の運動とは健康的ではないか。

 気を取り直して!! ゴーッ。


 はい。三軒目もお休みですねー。

 予測していた分、衝撃は少なめである。

 キュルル。昨夜の飲み会で大きくなった胃に空腹は辛いものだ。

 次だ。なんとしてでも美味しいモーニングを!

 煙草は吸わないので分煙されており、現地民でなくとも入りやすいお店を探す。店内の雰囲気とクチコミを確認。

 店はあるものの、入りにくいな……。

 好みからズレるが、ここはどうだ?

 徒歩六分、歩いていく。

「また閉まっていたら、泣きっ面に蜂ってやつかー?」

 呟いた。朝御飯に辿り着けないからではない。昨夜の飲み会で子供時代の知人達に会った。皆成長しており、自分の人生と比べてしまったのだ。

 ユルユル生きるのが好きでマイペースに生きているが、皆は【生きている】【生きてきた】感があり、ションボリなのである。

 酔っていたとはいえ失言もあり、一人反省会が続く。

 切り替えるためにも美味しいモーニングが食べたいわけだ!! 


 四軒目!

「まさかまさか」

 手元の地図アプリを見て、前を見直す。

 並んでいる……。同じように皆が行きつく店。

 ようやく開いている店だ。並ぶ? いやでも……グゥゥ。行列は次に行けってことだと思うから!

 近くに五軒目!

 し、閉まってるぅぅぅ。

 ホテルを出たのが十時。もう四十分近くうろちょろしている。十一時になれば多くの店が開くが……負けた感がすごい。だって、もうそれはランチじゃないか?

 ぐぬぬ。これは滑り止めだったが……チェーン店の力を借りる!


 六軒目。チェーン店の有難み。大晦日でも歓迎の門構え。

 もう、ここにします。

 店の前でメニューを見る。アーモンドトースト……アーモンドトースト……。無くないか?

 アーモンドトーストが食べられる店で検索して行き着いたのに? そんなことある?

 七軒目? え? え?

 も、もういい! 本日のメイン、姫路城に行けなくなるぞ。ゴーゴー。

 店内に入ると居心地のいい店舗であった。太陽光が差し込んでいる。影になる席と半分なのがいい。気分で使い分けられる。

 注文すべく、カウンターに行く。

 あ!

 アーモンドトーストのポップ。

 ああ! やったァァ。

 カウンターに立つと、店員のお姉さんは食器を洗っていた。

 お、おねぇさあん。飢えた旅人めに飯を。

「……すみません」

 声を張らずとも気がついていただけた。最近、入店音したはずなのに三人に気がついてもらえず、声をかけたら驚かれたことがあったので嬉しい。


 アーモンドトーストとブレンド珈琲のセットを注文した。五百六十円。

 先にブレンド珈琲を受け取り席に座る。

 ピピッ。

 自分より先に来たであろう女性がフードの受け取りに来た。アーモンドトーストだ。現地民かな。頼んでいるのを見るの何故だか嬉しい。

「年始は?」

「営業していますよ」

 上品な笑い声が聞こえた。あの店員さん笑うと可愛いな。平和を感じる。


 ピピッ。

 おお、自分の番だ。アーモンドトーストを受け取り珈琲と並べる。サラダもゆで卵もないが、なんて美味しそうなんだろう。

 珈琲を一口。傾けると、黒の水面から店名が見える。

 こういう商品良いよな。どこラインまで珈琲入れるか分かるし、店名も覚えてもらえる。オリジナル商品としても、と仕事脳に切り替わりそうになって笑う。


 お待ちかね。アーモンドトースト。

 六枚切りかな? 真っ二つだ。手でいっていいのかい?

 持ち上げる。表面に色付いたアーモンドバター。意外とアーモンドは少ない。

 サクッ。耳がいい食感。甘すぎないアーモンドバターが溶けて美味しい。

 調べているとキャラメリゼのようなアーモンドトースト。甘さ控えめのアーモンドトーストなど、味が違うようだった。

 チェーン店は万人向け。いいぞ、いいぞ。

 モグモグ……クイッ。珈琲に合う!

 このブレンド珈琲も飲みやすい。行こうとしていた純喫茶は豆にこだわりがあり、苦味寄り、酸味寄りと種類があった。そこで楽しめるのが理想ではあったが、飲みやすさを追求した珈琲。これも良いものだ。

 昨日の奴に言ってやりたい。大人数の飲み会なのだから、入られる店は限られる。二次会の店が見つかるも口コミを気にしていた。こういう出会いも良いのだよ。企業努力も感じられて。

 トーストの中心はバターが染みて、パンのモチモチ感を引き立てている。

 店内は静か。ゆっくりと時間が流れる。

 新たに店員さんが出勤。その辺から来店客が増え始めた。年末お休みであろう男性客。カップル。女子高生組。憩いの場って感じ。


 ゆっくり過ごさせていただき、店を出る。

 さあ、本日のメイン。姫路城。

 その前に、和菓子屋さんに立ち寄る。姫路城を眺めながら広場で和菓子を楽しむのだ。

 和菓子さんでは正月らしい【獅子舞】【梅】の形の最中が販売していた。家用に買うか。

「一つづつください」

「申し訳ありません」

 ギリギリ売り切れていたようだ。さては今日運勢悪いな?

 いいや、年末年始を舐めすぎたか。

 家用に通常最中と、広場用に小豆の和菓子を買った。


 大晦日なら空いていると思っていた。

 姫路城へと向かう道には、多くの人々。

 続く年末年始を舐めすぎた結果。

 まあ、大晦日だし賑やかさもありだろう。正月の雰囲気も楽しもうではないか。

 姫路城が見えるベンチに座り、和菓子を齧った。小豆を砂糖で固めたような和菓子。美味しい豆だ。

 上体を後ろに傾け、空を見上げる。広々とした空に龍のような雲が伸びていた。

 なんだ、いい日じゃないか。

 お読みいただきありがとうございました。

 今回辿り着いたのは「ホリーズカフェ」さんでした。近畿圏のお店らしいですね。ゆっくりできました。


 姫路城はご縁がありまして、値上がり前にどうしても行きたかったのです。

 マラソン大会に出させてもらったり。

 改修工事に携わった方がお客様にいたり。

 近くの動物園にて研修経験があったり。

 前世で姫路城存続に僅かに関わっていたり。


 姫路城の近く、知る人ぞ知る、太陽公園にも一度だけ行きました。なかなか楽しめます。


 次話もモーニング。

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