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HELIOSはおひとり様  作者: HELIOS
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第十七話 隠れクラフトビール

 本日は仕事を二件終え、新しい仕事の打ち合わせを済ませた。時刻は十七時半。外も明るい。一杯ひっかけていこう。

 クラフトビールブーム中。

 この近くには目をつけていたクラフトビールが飲める店があるという。数駅先に醸造所があり、その直営レストランなのだ。調べると一人でも新規でも入りやすそうなスタイリッシュな店。行ってみようではないか!

 現在地から徒歩七分。よしよし近いな。さっさと飲んで帰るのだ。打ち合わせした人帰宅時間が被って、両が少ない電車で鉢合わせたくはないからな!

 順調に建物についた。ここの三階ね。

 建物に入ると地元では見かけない個性的な雰囲気。ちょっとゾクッとする。何かいるのではないだろうか。霊感は地味にある。

 お店は百円ショップ、クリーニング屋さんと普通の店達。買い物に来ている人達も日常を過ごしている。

 でも怖いよぉ。何故にぃ〜。全然知らない土地というのは怖いもの。

 レトロなエレベーターを見つけた。これで三階にいける。

 ……ここ一階だよな?

 上を見ると吹き抜けになっている。二階は見える。三階無くないか? 実はここが二階なのかもしれない。もしくは屋上が三階扱い。

 とりあえず乗る。ボタンを見るとここは一階だったらしい。問題は三階がないこと。

 二階に行ってみよう。そこから別の手段で上がれるのかもしれない。

 二階に降りると人気がない。だから怖いって。

 館内の地図を見つけ、三階へのルートを見る。

「????」

 この建物であることは間違いない。地図のグルメ欄にも三階にビアバーがあると写真がある。吹き抜けなので上を見る。天井だ。だから三階どこ?

 地図を詳しく見ると、三階行きのエレベーターがあった。ここに行けばいいのか。

「ッ、分からん」

 書いているのに分からない。建物の外にポツンとあるようだ。そんなのあっただろうか。だって地上のときも通ったはずだぜ?

 右折ということだけ分かった。見ると外へ出られるらしい。そうか! 別館みたいなものだな? 飲食店の雰囲気もある。希望が見え別館らしい方へ移動した。

「あれは」

 ネオンの看板が見える。お酒の予感! 絶対お酒扱っている店だろう!? 看板にもBeerって書いている。真っ暗な店内を見ると外国人女性組がいた。でも、下調べとは違うような?

 スマホで地図を見ると別のBARらしい。もうここでいい気もするが……。いや、近いと信じよう。今日はビールを飲むのだ。


 その後、同じ建物を二周して三階へ続くエレベーターを見つけた。

 分かるか!! ふざけんな! マンション用としか思えないエレベーターを見つけた。乗り込むと、壁にビアバーの案内。よしよし間違いねぇ。急に緊張してきた。こんなに分かりにくい店だ。コアな客しかいなさそう。


 ビクビクしながら三階についた。

「エッ」

 驚いたとも。地図を見た際、三階には他にどんな店があるか目を通していたので、エレベーターが開いた先を予想していた。なのに、全く違ったのだから。

 営業を終えた図書館である。半分照明が落ちている。

 だから怖いんだって! でも、この階で間違いないはず! でも、おかしい! 何かがおかしいぞ!


 誰もいない図書館を進む。

「やった、地図がある……」

 避難経路じゃん。ビール無いな?

 ここまで迷うと帰れと促されているようだ。イーヤーダーー! イーヤーヤダヤダ!

 とりあえず奥に進んでいると、幼児とお母さんがいた。いたことに驚く。静かすぎて幽霊かと思った。図書館の営業終わったみたいですけど?


 奥まで進んだがビアバーがない。こんなに見つからないことある!? つか、あれから人見かけない! あー、面白い。逆に。あはは……。

「どうすっかな」

 いや、手がかりはある!

 エレベーターに戻り、ビアバーの案内を見た。

(二階で降りてください)

「ファーッ!?」

 【2】のボタンを押した。行き方が書いていたのでビアバーの案内の写真を撮る。

 二階で降り……右へ……。ハーーーッ!!

 あった。階段。三階へ続く階段。絶対間違いない。

 階段の前には店名が書かれたドラム缶。その上にメニュー表。

「良かったァァ」

 実はメニュー調べていなかった。全部クラフトビールなのか。すごい。十種類以上ある。ワクワクするな。ああ、疲労感が。

「これ何?」

 気になる名前のクラフトビール。紹介文を見る。飲みたい。味の予想がたたない。

 仕事の荷物は重たいが、ここで引き返すわけがない。階段を駆け上がった。

 上がると、デートスポットのような場所に出た。すっかり日は落ちて、ライトアップされた木々。その先にガラス張りの店。下調べで見たやつ。ここだ。

 誰もいないのが分かる。ピャーッ。

 ビクビクしながら、段差に気をつけながら扉を開けた。絶対あってますよね!?


「いらっしゃいませ」

 ビールを飲んでいた、お客さんかと思ったお姉さん。

「一人です」

 マスターらしき男性は頷いてくれた。

 良かった! 良かった! 感じ良い!

「お好きな席にどうぞ」

 つってもな……。誰もいない。

 一人で座っても迷惑にならなそうな端っこに座った。

 お姉さんが黒板を目の絵に持ってきてくれた。

「おつまみと、ビール一番から五番で選べるお得なセットがあります」

「あ、はい」

 黒板を見る。ヴルスト、里芋と人参のアンチョビマヨ、唐揚げ。

 疲れた。晩御飯食べないつもりだし、唐揚げ食べようかな。

 ビールはペールエールを選ぶ。疲れた体にスイスイ入るだろう。

 マスターが注文をとりにきてくれた。

「唐揚げと三番ください。レギュラーで」

 サイズはレギュラーかラージか。レギュラーで頼んで二杯目は気になった変わり種が飲みたい。

「唐揚げ」

 マスターの声。

「それは、おつまみ三種セットで……」

 マスターに投げられたお姉さんの声が飛んでくる。んんんん!?

 目の前の黒板を見る。本当だ! 【SET】って書いてある!

 お姉さん説明してくださっていたのに、ボケっとしていた! 恥ずかしい! すみません、すみません!

 マスターとお姉さんに「今の聞こえていました。三種セットでお願いしますと」言う代わりにブンブン頷いた。

 ……しかも、このおつまみセット。レギュラーしか選べないやつだと思う。わざわざレギュラー言っちゃった!

 慣れていない店だ。仕方あるまい。疲労もあったんだよ。ここまで辿り着くのどれだけ大変だったか聞きます?


 早速ペールエールが運ばれてきた。

 店名が書かれたオシャレなコップ。美味しい黄金色。

 わーい。ようやく!

 飲むと香りがいい。飲みやすい。一杯目に最適だ。ゴクゴク。キッチンで唐揚げを揚げているパチパチ。

 貸切は緊張するけれど、自分の唐揚げが揚げられている音でビール飲むのいい。クゥッ。

 おつまみを待っている間、ビアバーのクチコミを見てみる。皆も迷ったらしい。って、店側が詳しい行き方書いてくれてる。優しいじゃーん!?

 いらぬ苦労だったらしいが、この苦労も思い出かと、今はどうでもいい。ビールが美味い。

 ランチはハンバーガーも食べられるらしい。ハンバーガーと黒ビールもありだな。普段はコーラ一択だけど。


 ビールを半分飲んだところ、おつまみが運ばれてきた。想像より美味しそうである。

 唐揚げが大きいの一つ。里芋コロコロしていて美味しそう。そして、ヴルスト! ドイツぅ。浪川さんボイスで再生。

 どれもビールにあいそう。

 猫舌なので唐揚げは後回し。里芋からいただく。一口サイズのお芋。

 あ、うめぇわ。

 細切り人参に絡んだアンチョビマヨが濃い。ビール欲しくなる濃さ。良き。うんめ、うんめ。

 お次はヴルスト。食べやすい一口サイズ。カレー味でこれまた良い。

 ビール好きが作ったおつまみ。最高じゃないか!

 普通にランチも気になってきた。このヴルスト肉の味濃いし、ハンバーガーのパテも期待できるぞ。

 適度に覚めたであろう唐揚げにレモンをかける。唐揚げ一個にレモン一切れは贅沢では!? 薄切りでも十分だろうに。店の経営が気になるのはいつものこと。

 ありがたく多めのレモンをかけ食べてみる。硬い衣だ。口の中を怪我しないようにっと。おおっ。意外にも唐揚げは優しい味。ペールエールと手を組んでくれる。

 いい店だな。また夏前に来るし、その時も来よう。

 ペールエールを飲み干した。


 さてさて。二杯目いきますぞ。階段前で気になっていたクラフトビール。キャロットセゾンを。

 人参使用ビールってだけで気になるのに、葉も使っているらしい。気になります!

 おつまみにも人参使われているし、あうんじゃないか?

 頼むと、ペールエールより少しだけ濁ったビールがやってきた。

 泡がシュワシュワしているな。激しく弾けている。

 記念に写真を撮っていると、もうほとんど泡は無くなってしまった。泡と一緒に飲めないのは残念だったが、激しく弾けて消える様は美しかった。

 僅かに残った泡と一緒に飲んでみる。

 フハッ!?

 感じる。人参。そして葉! 葉の存在感!

 これ、苦手な人多いんじゃ……グビグビ。

 おつまみをパクリ。爽やかな人参ビール。葉のおかげだろう。

 これ……あれだ。別の似た味がある……。私は好きで、苦手な人が多いアレ……。

 ゴクゴク。ハッ!

 パセリだ。えー。気がついて、より好きかも。

 作者、生パセリ食べれちゃう人。揚げると苦味が消えて、塩かけると美味いぞ。

 このビール面白い。こういう出会いがあるからクラフトビールブームは終わらない。

 濃い味のおつまみを食べてキャロットセゾンを飲むと、一気に爽やかにしてくれる。ペールエールの調和とはまた違った美味しさ。


 一人でキャッキャしていると、常連さんらしき男性がやってきた。マスター、お姉さんと談笑している。

 いい店だな。美味しいビールを片手に楽しく話せる。

 作者はひよって端に座ったが、カウンターで飲んでいれば会話を楽しめたかもしれない。

 このビールの熱を感じれた?

 んー、でも飲むだけでも十分伝わるか。

 隠れ家のようなビアバーだが、この美味いビールをもっと知りたいし知ってもらいたいと思った。


  お会計を済ませて帰り道。

「ここ何度も通ったじゃん!」

 ニアミスしていたことを知る。もう次回は迷わない。

 お読みいただき、ありがとうございました!

 今回お邪魔させていただいたのは「IN THA DOOR BREWING」さんです。

 (追記、こちらの店舗は閉店されました。)

 実は、初来店から半年。二回ハンバーガーを狙って行きましたが営業時間外、臨時休業により撃沈しております。

 再び行ける日は来るのか!?

 また近くで仕事ください。

 

 次話、大劇場近くのティーハウス

 え? 大劇場行けって? 行きたいけどね!

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― 新着の感想 ―
イーヤーヤダヤダ笑。 わかりづらいお店、到着するまでに心折れそうになりますよね……!(´・ω・`) 耐え切って無事に到着されてなによりです。 おつまみもおいしそうですし、にんじんビールは珍しいですよね…
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