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私と公園の怪異  作者: 七瀬
7/7

なな

「あ、あいつ捕まってる…」


なんか、朝のニュースで報道されとる…。


うわ、ストーカーだけじゃなかったんか、余罪…。


いや、見えないからって影の子があいつのこと蹴ってるよ…。


あいつの横にいる、動物みたいな子が…


なんていうか、もっとやれ!みたいにはしゃぎまわってる…。


なんだろ…、犬?猫?

まぁ、なんでもいーか。


朝ごはんを食べ終えると、出勤する時間になった。


「んー、なんか体が軽い気がする」


清々しい気分になりながら、私は仕事へと向かう。


公園を通りがかると、滑り台をズザーっと滑り降りて来る影の子とさっきテレビでみた動物の子…。


「ア!オネエサン!

コノコガネ、ゴメンナサイッテ!」


お、おぅ…そうだった、影の子は元々ここの子じゃないからいつもいるんだった。


「ナンカネ、ムリヤリノロイノドウグニサレタンダッテ」


「は?あいつ最低ね…」


「カイホウサレタケド、イクトコナイッテイウカラ、ツレテキタノ」


「あー、人に迷惑かけなきゃいーんじゃない?」


「チャントヒトキタラカクレルヨ!」


エヘンと胸を張る、影の子。

尻尾をバッサバッサ振る動物。


「とりあえず、私は仕事行ってくるから、他の人にバレないよーにねー」


「イッテラッシャイ!」


公園の怪異、増えたなぁ…

いや、私のせいじゃないぞ?と思いつつ、私は仕事へと向かった。



勤務先につくと、あいつの話題で盛り上がってた。


心底どーでもいい。


インタビューされた!とか、テレビに映った!とか…学生じゃあるまいし…。


白けた視線を送りつつ、今日の業務を片付ける。


「あ…黒いのなくなってる…」


隣の席の呟きが聞こえた。


「あー、あいつがくっつけてきたみたいで、昨日解決しました」


「あ、そうなん…えっ!?」


「え?」


「あ、いえ…」


「見える人です?」


「はい、見えちゃう人です…」


「なるほど。今、困ってたりします?」


「え…」


「なんていうか…、後ろでモニョモニョしてるのが」


「モニョモニョ…」


「なんかこう、ザリガニみたいな威嚇してます」


「ザリガニ…っ!!」


爆笑する隣の席の人。


「こ、怖かったのが一瞬で…っ!!」


あ、モニョモニョしてるのが怯んだわ。


「あー、深夜2時の公園の怪異って知ってます?」


「聞いたことあります。

近所なので…」


「解決するかもしれないので、今日行きませんか?

あの怪異達、すごい親身になってくれるので」


「えっ…?」


あいつの今日のニュースを見せると、隣の席の人は吹き出した。


「え、なにこれ…

絶対、もっとやれって言ってる…!」


「私もそう思った」


「あれ?あの公園の怪異って、人形だけじゃ…」


「つい最近、滑り台をズザーってする黒い影と、もっとやれな動物が本日追加されました」


「追加…」


「それはともかく、お仕事しましょう」


「あ、はい」


サクサク仕事を片付けながら、取引先へのアポ確認をしつつ、社用携帯を手に取ると、たどたどしいコンビニスイーツありがとうございましたのメールが来ていた。


わぁ、ほっこりする。

社用やぞ?ってツッコミは今は要らんわ。


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