表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私と公園の怪異  作者: 七瀬
6/7

ろく

あれから、色々あった。


階段でぶつかられて落ちそうになる…

手すりに捕まって無事だった。


近くに人がいないのに、押されて、ホームから落ちそうになる…

持ってた荷物が重かったので落ちずにすんだ。


もうこれ、アレよね?


せっかく残業なしだったのに、休まらないわ。


家でゆっくりしたかったけど、家で何かあったら嫌だし、着替えて、財布と携帯だけ持って、ファミレスに行く。


まぁ、ファミレスで何かあっても、熱いやつとか落とされるとか、そのくらいだろーし。


今の気分は季節パフェ食べたいから、そーゆー心配もないし。



パフェ食べながら、ボンヤリ。

レジあたりが騒がしいけど、わざわざ席を奥の方にしたから気にしない。


パフェ、美味しい。


ん?パトカー来たな?


レジの方をチラッとみたら、刃物持ったオッサンがいた。


…ファミレスで強盗?

なんて迷惑な…。


おっと、オッサンと目があった。

こっちに向かって来るな…。


ファミレスの店員さんが、顔面蒼白で逃げてくださいって叫んでるけど、ここ、逃げ場ないのよ。


オッサン、走ってきたわ。


椅子をガッと蹴飛ばして、オッサンを転ばせる。

ぶつかった拍子にポーンと刃物が飛んできてる。


どう避けても当たるだろうから、メニューを盾がわりに両手を伸ばした状態で持つ。


キレイに刺さったわ。

そのままオッサンの上に座って、パフェを食べながら、店員さんに手を振ると、慌てて走ってくる。


「お怪我は!?」


「ないですよー」


「今、警察が来るので…」


「このまま座ってるんで大丈夫です」


そして、警察登場。


「犯人確保、ご協力ありがとうございます」


「いえいえ、なんとかなりそうだったので」


「お怪我は?」


「ないです」


「事情聴取かあるんですが…

今からでも平気ですか?」


「いいですよ?

ただ、この人が向かってきたところからしか説明できないですけど」


「とりあえず、犯人は連れていきますので、他のものが事情を伺います」


「はい、あ、コレ」


メニューに刺さったままの刃物を渡す。


「メニューダメにしちゃってすみません」


「いえ!お客様が無事ならメニューくらい!」


パフェ代も無料にしてくれたわ。


なんやかんや事情聴取を受けて、解放されたのが間もなく午前2時のいつもの時間。


今、コンビニに行って巻き込まれたら間に合わないので、自動販売機でジュースを買う。


公園につくと、すべり台からズザーっと、影の子が走り寄って来る。


「オネエサン!

アレ?オネエサン、ナンカイヤナノガクッツイテルヨ?」


「どこで呪いなんてくっつけてきたのよ?」


はい、確定。


「この前愚痴ったヤツだと思う」


「オネエサンヲノロウナンテヒドイ!」


「お姉さん、運カンストタイプだから、呪われても本人にはダメージないのよね」


そう、だけど、周りが可哀想なのよ。


「どうする?返しちゃう?」


腕組み…できてない人形が首を傾げる。


可愛い。


「これ、返したら相手死んじゃわない?」


「死ぬわね」


「だよねー」


「ノロウノヲヤメサセルノハ?」


「アリだけど、やめるかしら?」


「ヘンナノタドレバヤメサセラレルデショ?

ボクイッテクル!」


止める間もなく消える黒い影。


「あー、行っちゃった…」


「まぁ、いーんじゃない?」


いーのかなー?


「あ、ジュース渡してないや」


「今度あげれば?」


「そーする」


「とりあえず、今日は帰れば?」


「家、爆発とかしないかな?」


「元栓締めときなさいよ。

あと、電気もブレーカー落としときなさい」


「おっけ、そーする」


人形にジュースを渡すと、私は家に帰った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ