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私と公園の怪異  作者: 七瀬
2/7

街灯が少ない道を私は走る。


人通りが少ない道に、私の足音と荒い息遣いが響く。


追いかけてくる足音は聞こえない…

聞こえないけれど、すぐ後ろに何かの気配がずっとある…。


どんなに走っても、ずっとずーっとその気配はついてくる。


振り向くのは怖くてできない。

私にできる事は、家に向かって走るしかない。


パンプスのせいで、走りにくい、足が縺れる…。


それでも後ろの何かが怖くて走り続けるしかない。


いつもの公園が見えてきた、時刻は間もなく夜中の2時…。


そうだ!あの子がいる!!


私は公園のブランコに向かって必死に走った。



「お姉さん、後ろに何連れてるの」


呆れたように、ブランコで立ち漕ぎ中の人形が私に声をかけてくる。


「はっ…ずっ…後…ついて…」


息も絶え絶えな私。


「しょうがないなぁ…」


ピョンっと、ブランコを飛び降りた勢いそのままに、私の後ろの何かにドロップキックした。


「ドロップキック…って…」


「だってこの子、逃げようとしたんだもの」


人形の下敷きになっている、黒い影がモゾモゾしている。


「ゴメンナサイ!ツブサナイデ!」


ジタバタしながら黒い影は人形から抜け出そうとしている。


「何、これ」


「んー?なんだろ?かまってちゃんかな?」


「かまいたくねーわ」


つい本音が出た。


「ガーン」


口でガーンっていうやつなんて、最近見ないわ…。


「とりあえず、あんたはここ、そんで、かまってちゃんも座ったら?」


黒い影から人形が離れる。


私は人形に促されたブランコにすわる。


人形もいつものブランコに座った。


黒い影はキョロキョロも座る場所を探すが、ブランコは2つしかない。


あきらめたのか、地面に座った。


…正座で。

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