僕は君を心から愛している、だから僕の記憶を受け取ってほしんだ!
僕は10年間! ずっと好きな女性がいる!
彼女は、既に他の男性のモノになってしまった。
それでも、僕は今も変わらず君を愛している。
18歳の時に初めて君とバイト先で出逢い、一緒に頑張ってきた日々。
君がお客さんに絡まれた時も僕は君を助けるたに苦手な喧嘩もした。
君が嫌な思いをしないために、僕はいつだって君を支えてきた。
・・・それなのに、君は他の男性と付き合いはじめる。
僕と君が働いているバイト先の男だった。
僕は、その事を知って物凄くショックを受けた。
今まで僕は、君だけを見てきたのに君は僕を選ばなかった。
しかも? 同じバイト先の男だからみんなの前でイチャイチャするし
僕には物凄く苦痛だったよ。
それでも僕は、今も君だけを見続けている。
バイト先の男とは君は半年も経たないうちに別れてしまった。
アイツが他の女性と浮気をしたからだ!
僕なら絶対に君と付き合えたなら? 浮気なんかしないよ。
僕を選ばない君の気持ちが分からないんだ。
僕は同じバイト先の女の子から告白されてしぶしぶ付き合いはじめた
ところだったのに、僕も君が別れたと知って彼女とは別れたんだ。
付き合った彼女からは? “何故、私と別れたいの?” と訊かれた
のだけど? 上手く理由を説明できないまま彼女とは別れる事になった。
まさか!? 同じバイト先の女の子の事が好きだとは言えなかったんだ。
でも? それから直ぐに彼女は正式に他の会社に社員として入社した。
彼女がバイトを辞めたから僕も辞めた。
僕は、職業安定所で仕事を探し工場の会社に社員で入ったんだ。
たいして待遇がいい訳じゃない!
だけど? “僕も社会人として彼女とちゃんと向き合いたかった!”
給料も安いし、ボーナスも少ないけど......。
【社員】という響きを僕は気に入っていた。
“彼女と同じ社員”だという事が僕は嬉しかったんだ。
・・・何度か? バイトの同窓会というか?
飲み会に僕は参加していた。
彼女もこの飲み会に参加していたから僕も参加する事にしたんだ。
たまに会う彼女は、どんどん綺麗になっていく。
そのうち、彼女は飲み会に参加しなくなった。
噂では? 彼女は結婚したという話を僕は耳にする。
まさか!? 僕の大好きな彼女が他の男性と結婚するなんて!?
彼女と出逢って10年後。
彼女は本当に結婚して旦那と一緒に飲み会に参加してきた。
僕は遠目から彼女を見ているだけだった。
楽しそうに旦那と話をする彼女を見て、僕の心は締め付けられる。
イケメンのステキな男性だった。
*
・・・僕は知り合いが“自分の記憶を大切な人にあげる事ができる”と
いう話を聞いた。
僕は直ぐに彼女の事を思い浮かべた。
もし? 僕の記憶を彼女にあげる事ができたなら? 僕の記憶を彼女に
受け取ってほしい!
僕のすべての記憶は、どんな時も“彼女”がいたからだ!
僕は思い切って、彼女を誘拐する。
ワンボックスの黒の車で、仕事帰りの彼女を後ろから口をふさいで
ワンボックスの車に連れ込んだ。
【きゃああああーーーやめて! 助けてーーーーー!!!】
【ドン! 直ぐに車を出せ!】
『だ、誰なの? どうしてこんな事をするのよ!』
『静かに、君に危害は加えない。』
『・・・そ、その声は? 文木さん?』
『そ、そうだよ、』
『なんで! こんな事をするの? 私が文木さんに何かしたの?』
『“何もしなかったからこうなったんだよ。”』
『えぇ!?』
『僕は、1度も君から選ばれなかった。』
『はぁ!?』
『“僕の気持ちを知ってたんでしょ!”』
『・・・えぇ!? 知る訳ないじゃない!』
『“嘘をつくな! 知ってたに決まってるじゃないか!”』
『でも、私には愛する家族が居るし! 愛する旦那や子供がいるのよ!』
『知ってるよ、ただ僕の記憶を君に受け取ってほしいだ。』
『・・・文木さんの記憶をナゼ?』
『“僕の記憶の中にはいつも君が居たからだ。”』
『・・・・・・』
『直ぐに終わるから、今だけ僕に君の時間を少しだけくれないか。』
『・・・わ、私をどうする気?』
『君を傷つけたりしないと約束する!』
『・・・・・・』
彼女は今、僕に抵抗すると? 何をするか分からないと思って
僕の言う事を聞いてくれたのだろう。
僕にもそれが直ぐに分かった。
僕の記憶を受け取ってくれなくてもいい!
ただ、1度でいいから全てを見てほしんだ!
・・・彼女は、僕の記憶をすべて見終わって震えながらこう言った。
『・・・す、すべて見たわ、』
その言葉に、僕は納得できず僕にある彼女の記憶を彼女の記憶に植え付けた。
彼女はその後、、、。
・・・旦那と別れて今は何処かの町で一人で暮らしている。
離婚後、子供とも一度も会っていないらしい。
密かに一人で、ひっそりと暮らしていると僕は人伝えに訊いている。
最後までお読みいただきありがとうございます。