おっぱい出る!
僕の妻は、シンプリスト。
てか、ぶっちゃけ、ほぼ感覚だけで生きとる。
あ、これ、いい意味でね。
僕なんか、とりあえずモノゴトは、難しく、ややこしく、回りクドく考え抜いた上で、
炙り出された無駄を削ぎつつ、最終的にシンプルな答えに辿り着こうとする思考癖があんだけど。
僕の妻は、何ちゅーんだろ、俗にいう「女の勘」ってやつなのか、
突然、男の僕では考えつかない洞察力を発揮したりする。
いわゆる「子宮で考える」ってやつなのか、
突然、コトの本質突く情感的発言をして、ちょこざいな僕の論理感を蹴散らしたりする。
そう、僕の妻は、シンプリスト。
モノゴトを、頭脳で汚さず、言葉に出来る人。
母性本能をくすぐる。
って言葉があんじゃん。
子どもを守り育てようとする母が持つ本能的性質が、心地よく刺激される状態を表す言葉ね。
これさ、的確な表現ではあるが、いささか回りクドいよね。
僕の妻、ん~な回りくでー言い方しねーから。
声高らかに、
おっぱい出る!
つーからね。
んもぉ~、言葉が、脳ミソ経由せず、直だから。ははは。
小1の次女のあどけない寝顔を見ては、
は~、おっぱい出る!
もう小5になる長女が時折見せるカワイイしぐさに胸を押さえ、
うお~、おっぱい出る!
ペットのフレンチブルドックを、ソファーで撫でつつ、
あ、
おっぱい、ちょっと出た……
……出たんかい。
ったく、妻には敵わん。
歴然と。