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帰り道

作者: 喜名

よろしくお願いいたします。



いつもの帰り道なのに

夜道


見覚えのあるもの

でもなんか今日は不気味

後ろが気になる

どっちなのか思い出せない

誰もいない

家にずっと帰れない

周りの家の明かりがついていない

街灯の明かりしかない



突然見つけた知らない小道

知らなかった場所

木々が鬱蒼と生い茂っていて

入ってみて振り返ると

入口が見えなくなる


私は今どこにいるの?

どこに向かってるの?


戻れるの…?


目があったのは同じ猫かしら


この道はまだ何も無い

善意も、悪意もまだ何も無い



誰も座っていないイス

やりかけのゲーム


雨は降ろうとして、降ってこない



両側に人の家がある

庭や窓の中がぼんやり見える

家と家の間に道が見えたりする



足に何か当たった気がする

猫がしっぽをピンと立たせた



隣に川が流れていて

不思議と今の道を逸れちゃいけない気がする



ホコリだらけの自販機に

影が動いた気がしたり

点滅する光に

古ぼけたゴミ



蔦に覆われた壁や

2階に上がる滑車

壊れた縁側に

アパートの並ぶ扉

道と家を繋ぐ小さな橋

看板の明かりがついている歯医者



川が暗くなってきて見えない



錆びた音

太鼓の音


学校

児童館


しゃがみこんでいた男



一瞬、真昼であるかの様な気がした

たくさん聞こえる鳥のさえずり



お腹がいたくなってくる



まっすぐ歩いて

この道を進み続けて


川に降りるための階段が






















気づいたら

階段を降りようか

迷っていた


何も見えない

階段先の真っ暗な闇







急に体が震えた

我慢していたものがこみ上げてくる

足がふらついて

必死になって

階段から逃げようとして

振り返った



道を戻ろうとした








図書館の入り口にいた

明かりのついてない

静かな図書館



私は持っていた本を

返却した




ふいに

小道が途切れた













ありがとうございました。

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