表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/52

フラグ下手?  裏タイトル:夜明け前、いえ突撃前

 広場の中心で騎士たちが100人以上で陣形を組み始めている。

 投槍の用意が尽きたのか、騎士たちは、弓を持たないせいで遠距離から攻撃できずにいる。そのせいか、ひと際目立つ兜に青い房をつけた人物の指揮のもと、石階段の上に陣取る警官たちに向けて突撃の準備中と見て取れる。広場に散らばる騎士の半数ほどだろうか。付き従う従者たちは、その1.5倍ほどが集まってきている。

 一方、南東の通路からは、歩兵の群れが、すでに200メートルほど先にまで近づいている。

 火炎瓶は、まず歩兵の歩む通路に向けて投げられた。通路の幅は、5メートルほどなので、上手く火が燃え広がれば、足止めできるかとの考えだった。けれど、実際には、元高校球児の警官が投げても6~70メートルほどしか届かず、また火炎も思ったほどには燃え広がらない。


「方針変更~。あの騎士たちの集団に投げ込んで~。特にあの青い房を付けた、偉そうなの狙って~」


 友兼の指示に従い、火炎瓶が密集陣形を取り始めていた騎士たちに投げつけられる。


 ひゅ~~~、バリン、ボワッ!


「おお、命中!」


 最初の投擲が、まさに指揮をしていた青い房の騎士に直撃し、馬ごと燃え上がらせる。更に、2つ、3つと火炎瓶が降り注ぎ、炎が広がる。


「ギャアアア」


 炎にまかれた騎士が悲鳴を上げ、狂ったように馬がいななきを上げ、暴れだす。密集していたことが仇となり、振り落とされる者、馬に踏みつけられる者が続出する。


「今だ! かかれ!」


「突撃! 突撃!」


 混乱を見て、石段の上から、数十人の勇敢な、おそらく警官たちが駆け下りてくる。木刀や鉄パイプといった簡単な武器しかないのにもかかわらず、馬上の騎士に立ち向かってゆく。


「無茶する……

 中条さん、西川巡査、状況はいかがですか?」


「第一機動隊が出動した! あと20分でこちら方面に到着する」


「警察本部から連絡です。敵騎兵を含む集団が、大阪城西側に展開中。府警本部庁舎の前面にパトカー等にて防衛線を展開。また谷町筋方面から、機動隊、SATを北上させ、逐次防衛線を築きつつ、天満橋を目指しています。

 大阪城の東側へも騎馬の部隊の進出が見られるそうですが、規模、目的は不明。以上です」


 大阪城を中心に、南西に大阪府警本部がある。その南に、NHK。北側には病院を挟んで、大阪府庁がある。さらに大阪府庁の北には、官庁の出先機関などの建物が立ち並ぶ。そして、その西側に谷町筋という大通りが南北に走っている。大阪の官庁街の一つとなる。幸いなのは、官庁街のために、日曜日ということで人手は平日よりも少ない。逆に大阪城公園内は、桜の時期ということもあってごった返していたのだが。


「20分か。持たないな」


 近づいてくる長槍歩兵を眺めつつ、友兼がひとりごちる。このままでは、3、4分で、広場に達するだろう。


「俺たちも、援護に行きます! よろしいですか?」


 大阪城ホールの石段を下り、更に騎馬隊に向けて駆ける人々が続く。

 その様子に、混戦となったために投げ込めなくなった火炎瓶を握った警官が、指揮官である中条と実際の指揮を下している友兼に許可を求める。


「いや。火炎瓶は、あの人たちに渡して、任せよう」


 指差す先には、石段方向からこちらに駆けてくる武器を持たない警官たちがいる。


「で、では俺たちは!?」


「決死隊を募ります」


「?」


「残念ながら、このままだとあの歩兵の援軍が到着してしまう。火炎瓶で遅滞させられれば良かったんだけど、無理だ。なので、別の方法で阻止します。命の保証はないので、決死隊です」


 ゆっくりした話し方を友兼はつらぬき説明する。

 その内容に、幾人かが息をのんだ。


「言い出した本人なので、もちろん、ボクも行きます。

 大丈夫。決死隊だけど、必死や特攻では無いですから」


 何の気負いも見せない笑顔で告げると、友兼は橋を降りだす。


「安藤、そのポリタンクを持って来て」


 橋を降りながら振り返り、自分の秘書についてくるように指示する。


「え、だ、代議士。オレ、彼女に来週プロポーズするつもりなんですけど、生きて帰れますか?」


「……なんか、微妙なフラグだな。フラグ立てたいのか、立てたくないのか……」


「まあ、人生で一度は、ここはオレに任せて先に行けって、って言ってみたかったんですよね」


「一緒に来いとは言ってないよ?」


「まあ、代議士一人で死なせませんけどね」


「……もう、いいや。行くよ」


 呆れたような友兼の後を追いかける秘書の姿に、さっきまでは表情を固くしていた面々の頬がほころんでしまう。




 政治家に秘書は、切っても切れない存在だ。

 国会議員一人で出来ることは、所詮一馬力。そして、議員の第一の仕事は、法律の作成であるため、議会への出席が必須となる。衆議院議員の場合、議会は国会。東京だ。

 けれど、議員には選挙区がある。友兼の場合大阪20区。議会のある間は、選挙区に戻れない。戻れたとしても、片道4時間弱かかる。基本土日月は地元に戻り、月曜以外の平日は東京で過ごすことが一般的だ。議員自身が選挙区にいない間は、秘書が代わりを務める。式典、会合、葬式、宴会、会議への出席。地元の有力者と親交し、支援者や後援会の取りまとめ。要望、陳情の受付、時には行政手続きの代理や書類作成など、多岐にわたる仕事を受け付ける。

 逆に、議員本人が地元・選挙区にいる間は、東京専属の秘書が、党との折衝、他の秘書との情報交換、東京の後援者、有力者、有識者との交流を行う。

 秘書は、議員の代わりをする。

 だから、地元の大物秘書などは城代家老と呼ばれたりする。城代=城主代理。議員の代わりというわけだ。

 また政策を考えるための秘書もいる。法律や行政の知識に長けた者。議員一人で追いつかない部分を埋めてくれるようにアドバイザー的存在として。議員によっては弁護士を政策担当の秘書にしている者もいる。

 その秘書だが、身分に違いがある。

 1つが、公設と呼ばれる、みなし公務員として、国から給料が出る秘書。

 もう1つが、私設秘書。いわゆる一般的な秘書。これは、議員自身が雇い給料を払う。

 人数は、公設秘書が、政策秘書、第1秘書、第2秘書の3名。

 私設秘書については、雇いたいなら、また雇えるなら、何人でも構わない。人数に制限はない。ただ、議員が自分で給料や経費を払えるならね、という話。なので、必要ないと判断すれば、0でも構わない。議員事務所の従業員となるので、給料や車などの備品、社会保険や福利厚生も議員が用意できるなら、何人でも構わない。

 これが議員が、もらえる金額は多いけれど、出ていくお金が多い要因の一つ。

 けれど、雇わないわけにはいかない。

 上記のように一人ではできないから。議員の代わりだけど、代わりのきかない人材だから。体の一部のような存在だから。

 重労働、長時間労働で見返りの少ない仕事だけど、議員とともに、追い求める理想実現のために働く人や情熱に共感し働く人が多い。

 ……ええ、はい、ブラックな職場です。いろんな意味で。


(でも、やりがいはあるんだよ~(友兼心の叫び)


『道程』と『夜明け前』の作者を、よく同一人物と誤解する愛染です。

 おはようございます。

 夜明け前、てか、真夜中に投稿してみました。


 そして!

 この度、評価ポイントを頂きました……

 (( ૢ ˃̶͈̀ ~ ˂̶͈́)) ૢプルプル


 え、いいの?

 まだ投稿1日目なんですけど(。>ㅅ<。)♡*。


 あと主人公まだチートも、本領も発揮してないのに。。。



 初めての投稿なので、誰も見てくれないと思ってたので、感謝感激あめあられです。

 ありがとうございます。


 よーし、がんばろうっと♪

 ……でも、今はもう一回寝ます。

 おやすみなさい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ